渚にて

<On the Beach>   (59年)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚本
撮影
美術
音楽

<キャスト>
ドワイト・タワーズ艦長
モイラ・デヴィッドスン
ジュリアン・オスボーン
ピーター・ホームズ メリー・ホームズ

スタンリー・クレイマー
ネヴィル・シュート
ジョン・パクストン
ジュゼッペ・ロトゥンノ
フェルナンド・カレール
アーネスト・ゴールド


グレゴリー・ペック
エヴァ・ガードナー
フレッド・アステア
アンソニー・パーキンス
ドナ・アンダースン
 「渚にて」は現代最大の物語と評されたネヴィル・シュートの問題小説を 世界映画界の鬼才スタンリー・クレイマーが豪華キャストで映画化したものである。
 映画は1964年の1月、オーストラリアに始まる。その時はすでに第三次世界大戦が終っている。恐るべき原 水爆戦争は、地球の大部分を僅か1ヵ月余りの間に全滅させてしまったのだ。 そして死の放射能は刻一刻と残された一部に迫っていた。残されたオーストラリアにも 死は眼前に迫っている。
 その恐怖と焦燥の中で人々はいかに生き、いかに愛を求めるか、スタソリー・クレイマーは 5人の男女を中心に感動と衝撃にみちた優れたドラマを作り上げた。 そこには戦場の悲惨さも、大げさな絶叫もないが、それだけに映画の底を流れる ヒユーマニズムと平和への欲求は強く観る者の胸をうつのだ。 派 主演はグレゴリー・ペックとエヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、アンソニー・パーキンスの 4大スターにスタンリー・クレイマーが明日の映画界を担う新人" と自信をもって売出す 新星ドナ・アンダースンが初出演して新鮮な魅力を発揮している。
 製作、監督はスタンリー・クレイマー、映画は全シーンをオーストラリア・ロケで 撮影しており、イタリー映画界の名手ジュゼッペ・ロトゥンノのカメラが美しい効果を挙げている。 主題歌 "ワルツィング・マチルダ″はオーストラリアの古い民謡である。


 <梗概>  1964年、原水爆戦争のため地球の大部分は死滅し、残った一部にも放射能は迫っていた。
 タワーズ艦長指揮の米国原子力潜水艦ソーフィッシュは難をまぬかれ、 オーストラリアのメルボルンに入港した。
 同じ頃メルボルン郊外の住宅地では若い海軍中尉
ピーター・ホームズが 妻のメリーと赤ん坊の3人で朝食をとっていた。ラジオが迫り来る放射能の危機を 報じてさえいなかったら、それほ申し分のない静かな朝であった。
 ガソリンが入手出来ぬためピーターは自転車で駅へ行った。 司令部では提督が彼を待っており、濠州海軍に協力して北半球偵察へ行く事になった ソーフィッシュ号に連絡将校として乗組む事を命じた。
 ピーターは打合せのためタワーズ祇長に会った。 帰宅した彼はメリーに、出発前の日曜に艦長を招待したいと話すが、 彼女は艦長が妻子を思い出し自棄にならぬかと恐れた。
 そこで2人は女友達のモイラを彼の相手として招き、陽気なパーティを開くことにした。
 当日、タワーズ艦長は美しく陽気なモイラとすっかり親しくなった。 パーティは始めの中賑やかだったが、原子科学者のオスポーンが1人の男と原子戦の原因について 口論し、座は白けてしまった。
 月曜の今議で、種々の事情のため潜水艦の出航は1週間延期された。 その時、カリフォルニア南部から発信される奇怪な電波が報告された。
 出発前の週末、人々は再び海岸で会い、楽しい時を過すのだった。
 週末は終った。ピーターは劇薬を手に入れてメリーに渡し、 もし帰還前に最後の日が来たら愛児を殺し自分の苦しみをなくすようにと云ったが、 彼女は聞き入れなかった。
 タワーズ艦長はモイラと再びデイトしたが、彼が妻子の想い出話ばかりするので モイラは腹を立てた。
 ソーフィッシュ号は出航した。測定員として同乗したオスボーンは北半球の放射能を測ったが、 その量は恐るべきもので、南極でさえ人間の生存は絶望的だった。 ・・・  (135分)

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