黄昏に帰れ

<Home Before Dark>   (58年)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚色

撮影
編集
作詞
作曲

<キャスト>
シャーロット・ブロン
アーノルド
ジョーン・カーライル
ジェイク・ダイヤモンド

マービン・ルロイ
アイリーン・バシング
アイリーン・バシング
ロバート・バシング
ジョセフ・ビロック
フィリップ・W・アンダーソン
サミー・カーン
ジミー・マックヒュ


ジーン・シモンズ
タン・オハーリイ
ロンダ・フレミング
エフレム・ジンバリスト・ジュニア
 アイリーン・バシング女史が1957年に発表した小説の映画化であり、その年のベストセラーとなり、 最近のヴァラエティ誌のベストテンにも挙げられた作品である。
 舞台はニューイングランドを背景に夫や、家族からの精神的圧迫、無理解から精神錯乱を起すが、 苦しみながらも新生活を得ようとする人間心理の過程を大担に探求した異色作である。
 「哀愁」「心の旅路」のメロドラマの巨匠マービン・ルロイが女性心理と愛情を追求し、 彼独特の手法で製作、監督の両部門を担当し、バシング女史と夫のロバート・バシングが共同で脚色した。 撮影は30余年の豊富な経験をもつ「赤い矢」のジョセフ・ビロックが巧みな描写を見せ、 迫実的な俊腕を発揮している。音楽監督はトーキイ転換期と共に映画音楽に永年貢献した「軍曹さんは暇はない」の ワーナー音楽部長レイ・ヘンドーフ、スタンリイ・ジョンズが「くたばれ!ヤンキース」に続いて 音響部門に当った。
 主題歌黄昏に帰れ≠フ作詞をサミー・カーン、作曲をジミー・マックヒュの名コンビが この映画の全篇に哀調をおぴた雰囲気を流している。
 主演は初の西部劇出演の「大いなる西部」で改めてその魅力を再認識させたジーン・シモンズを筆頭に 英国出身の「ロビンソン・クルーソ冒険記」に主演して一躍有名になった演技派スター、ダン・オハーリイ、 「ミズリー大平原」「OK牧場の決斗」の美貌女優ロンダ・フレミング、名バイオリニスト、ジンバリストの 息子である「B52爆撃隊」のエフレム・ジンバリスト・ジュ二ア、ラジオから映画人りした新進の スティーブ・ダン等で、その他演劇界のベテランが一夕数助演陣を固めている。
 <梗概>  シャーロット・ブロンは、1年間を精神病院で過ごした後、夫アーノルドの許へ戻った。 <BR> だが、不幸にして、家の空気は、シャーロットを1年前に精神錯乱に追いやった時と 少しも変わっていなかった。マサチュセッツ州のケープ・アーブルにあるブロン家には2人の 同居人がいた。1人はジョーン・カーライルという、シャーロットには義理に当る美人で、 彼女への嫉妬がシャーロットを狂気に導いた原因の一つだった。いま1人の同居人は シャーロットには継母に当るイネス・ウィンスロップで、誰でも自分の思う通りにしないと 承知できない、お節介な女だ。
 そこへ、また臨時の同居人が舞い込んできた。若い哲学科の講師ジェイク・ダイヤモンドだ。 人目には仲むつまじい一家で、ジョーンもイネスもシャーロットの健康に対して、 大いに気をくばった。だが、事実は相違していた。アーノルドはもう彼女に肉体的に魅力を 感じなくなっていたのか、シャーロットとの夫婦関係を復活さそうとはしなかった。
 シャーロットの本当の理解者はジェイクだけだった。彼自身は、この大学町の 人々からは除け者扱いされていたが、シャーロットの薄幸な身の上に対しては協力的だった。
 マルカム・サウジー教授の家で開かれるパーティに、シャーロットが出席すべきかどうかで、 彼女はアーノルドと言い争った。
「君は前から、大学の集まりを嫌っていたじゃないか」
その言葉に、シャーロットの回想は、5年前のケープ・マーブル・ヨット・クラブへと飛ぶのだった。 ・・・ 
    (136分)

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