くたばれ!ヤンキース<Damn Yankees> (58年) |
||
<スタッフ> 製作・監督 原作 脚色 作詞・作曲 振付 撮影 美術 <キャスト> ジョー・ハーディ ローラ アプルゲイト ジョー・ポイド |
ジョージ・アポット スタンリイ・ドネン ジョージ・アポット ダグラス・ウォールッブ ジョージ・アポット リチャード・アドラー ジェリイ・ロス ボブ・フォッシー ハロルド・リップスタイン スタンリイ・フレイシャー タブ・ハンター グエン・バードン レイ・ウォルストン ボブ・シュイフ丁− |
いまや世はあげて野球狂時代。野球の話だけで明け暮れているようなこの頃だが、
本場のアメリカで野球狂の夢を実現した映画を作った。それがこの「野球狂」である。
「魂を売ってもホームラン王になれたらなあ……」と老人が呟くと野球ファンの悪魔が現れて、 わが巨人″の長嶋選手をも遥かにしのぐ球界の寵児を誕生させる。まことにファン心理の 意表をついた映画である。 原作は演劇界の大御所であり「パジャマゲーム」の大ヒットで名をあげたジョージ・アポット、 それにこれまた舞台劇の重鎮であるダグラス・ウォールップの2人で、ブロードウェイで2年半も 続演された傑作で、これをジョージ・アポットが脚色、アポットと、「パジャマゲーム」 「パリの恋人」「無分別」の巨匠スタンリイ・ドネンが共同で製作と監督を担当した。 撮影は古くからその名を知られるベテランのハロルド・リップスタイン、 そして普楽を「パジャマゲーム」で存在価値を大いに認められた新進コンビのリチャード・アドラーが作詞を、ジェリイ・ロスが作曲を担 当した。振付は「パジャマゲーム」同様の敏腕ボブ・フォツシー。 主演は「果しなき決斗」でナタリイ・ウッドと組んで既に紹介済みであり、 今やハリウッドの若手スタアのトップを行く人気急上昇のタブ・ハンター、 それに、3つのアントワネット・ベリ一賞を獲得した天才バレリーナ、グエソ・バードンの2人。 そして2人に配するに、赤いネクタイと赤い靴下で珍奇な悪魔ぶりを発揮する舞台の老巧 レイ・ウォルストンを |
はじめ、ボブ・シュイファー、シャノン・ボーリン、レイ・アレン、ジーン・
ステイブルトン、エリザべス・ハウエル等、舞台と同様のメンバーが、共演にまわって大活躍の演技を
披露している。 <物語> 中年の実業家ジョー・ポイドが、テレビでワシントン・セネタースとニューヨーク・ヤンキース のナイターを眺めている。彼はセネタースがヤンキースに惨敗しているのを見て、腹が立って仕方 がない。 彼の妻メグは、夫が野球に夢中なので、先に寝室に入ってしまう。残されたジョーは ポーチへ出て一人ごとを言う――「俺がホームラン王になれたらな、たとえ魂を売ってもいい」―― すると突然あたりの空気を乱してアブルゲイト氏の姿が現われる。彼は悪魔で、 ジョーの「魂を売ってもホームラン王に」――という考えが気に入ったのである。 悪魔はジョーと取引をする。つまり、ジョーが魂を売れば、彼を青年時代に引き戻して、 一流の野球手にしようと提案する。悪魔もまた、ヤンキースの強さを苦々しく思っていたに違いない。 この提案が気に入ったジョーは、いやになれば止せるという逃避条項つきで承諾する。 9月14日の真夜中に、ジョーが要求しさえすれば、もとの彼に戻れる訳である。 ジョーは突然、ジョー・ハーディという名の若者になる。彼は部屋に戻って、 急に町を立たねばならなくなったと妻へ書きおき、悪魔と一緒に家を出る。・・・ (111分) |