皇太子の初恋

<The Student Prince> (54年)

<スタッフ>
製作
  監督
台本・作詞
作曲
音楽監督

<キャスト>
キャシー
  カール殿下(皇太子)
  フォン・アスターブルク伯
  国王フェルジナンド
 


ジョー・パスタナック
リチャード・ソープ
ドロシイ・ドネリイ
シグマンド・ロンバーク
ジョージ・ストール


アン・ブライス
エドマンド・パーダム
ジョン・エリクスン
ルイス・キャルハーン

 ハンガリイに生れた著名なアメリカの歌曲作家シグマソド・ロンパーグは、 「ポムポ」「メイタイム」「ブロッサム・タイム」「ザ・ステューデント・プリンス」「ザ・デザート・ソング」 「ザ・ニュウ・ムーン」「アーティスト・アンド・モデルズ」等々数多くのヒット・ミュージカルを作曲したが、 中でも「ザ・ステューデソト・プリンス」は世界的に最も広く愛好されている。
 この映画の原作オペレクタ「ザ・ステューデント・プリンス」は,青春の郷愁を謳ったウィルヘルム・マイアー・フェルスターの名作 (小説及び戯曲)「アルト・ハイデルベルク」(1901年)に基いて、ロンバーグと親交のあった ドロシイ・ドネリイが台本と歌詞を書き、彼が作曲したもので、1924年にニュー・ヨークのジョルスン劇場で初演され、 608回連続上演を記録したヒット作である。それ以来世界各団で上演され,わが国で数回少女歌劇の舞台となり、 その美しい歌曲は広く愛唱されている。王子と酒亭の娘の恋物語ほ1927年にノーマ・シアラア、ラモン・ノヴァロ、 ジーン・ハーショルトのキャストで一度MGMで映画化されたが、今度ほシネマスコープ色彩映画として, 絢爛甘美なシネ・オペレッタをくりひろげる。
 シナリオは舞台の台本を「歌劇王カルーソ」「メリー・ウィドウ」のウィリアム・ルドウィグ、 ソニヤ・レヴィーンの2人が映画向きに手を入れたもので、「妨妹と水兵」「歌劇王カルーソ」のティーム、 ジョー・パスタナック(製作者)、リチャード・ソープ(監督)がそれぞれの分野を担当した。
 音楽監督は「ローズ・マリー」のジョージ・ストール。
 <物語>  カルルスブルクは中部ヨーロッパの小国で、至って貧乏団だったが、代々立派な王子たちに恵まれて来た。 わけても今の皇太子カール・フランツ殿下(エドマンド・パーダム)は フェルジナンド国王(ルイス・キャルハーン)ご自慢の孫で老王は青年皇太子に大きな期待を寄せていた。 と言うのはほかでもない、殿下に裕福な隣国ノルドハウセンのヨハナ姫をめあわせて、破産に瀕したカルルスブル クを一挙に救済しようというのである。しかもこれは首相のフォン・マークが殿下の子供の頃から思いめぐらしていた秘 策だったし、殿下自身もまた自分の置かれた立場を良く心得ていて、莫大な持参金があるからには、 たとえ相手の頭が二つあっても結婚する覚悟だった。
 その当の相手のヨハナ姫が、母君マチルダ女王と共にカルルスブルクを訪れたのであるから、 フェルジナンド国王初め下にも置かぬ歓待ぶり。たとえ頭が二つあってもと勇ましい覚悟を決めてかかった カール殿下も、美しいヨハナ姫に満更でなく、そのお相手にも一入身が入ったが、こちらはロマンチックな夢多き姫、 立派な武人にと育てられて来た殿下の固さやそっけなさが物足りなく、ハソサムな殿下に強く心をひかれながらも、 もっと豊かな人間味をと注文をつければ、女王は女王で、私たちは軍隊に入るために参ったのではありませんと 苦情を入れる始末に、殿下は祖父王の命令で、師のユットナア教授(エドマンド・ダウェン) やお目付役のルッツ(ジョン・ウィリアムス)と共に、ハイデルベルク大学遊学の旅に上った。・・・  (107分)

 

MUSICAL PROGRAM :

COME BOYS
LET'S ALL BE GAY BOYS
DEEP IN MY HEART, DEAR
SERENADE
GOLDEN DAYS
DRINK, DRINK, DRINK
TO THE INN WE'RE MARCHING

この映画のために付け加えられた曲
作曲:ニコラス・ブロドスツキイ
作詞:ポール・フランシス・ウェブスタア


I'LL WALK WITH GOD
BELOVED
SUMMERTIME IN HEIDELBERG

 シグマンド・ロンバークは、1887年にハンガリーで生まれ、ブカレスト大学で工学を学び、傍らウィーンで ホイベルガーに作曲法を学んだ。

 1909年工業技師として渡米、13年にニューヨークに定住し、作曲家生活に。

 「5月の頃」(初演17年)、「花咲く時」(21年)、「イスタンブールのバラ」(22年)、「ハイデルベルクの学生王子」 (24年)(加筆修正31年)、「砂漠の歌」(26年)、「私のメリーランド」(27年)、「ニュー・ムーン」(28年)、など数々 のオペレッタを書きヒットした。

 ロンバークの伝記は、映画「わが心に君深く(Deep in my heart)」に。




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