サウンドオブミュージック

<The Sound of Music>  (64年)

<スタッフ>
製作・監督
製作補佐
原作(小説)

撮影
美術
作曲
作詞

<キャスト>
マリア
  トラップ大佐
  男爵夫人
  マックス
  修道院長
  尼僧ソフィア
 

ロバート・ワイズ
ソール・チャプリン
ハワード・リンゼイ
ラッセル・クラウズ
テッド・マッコード
ボリス・レブン
リチャーズ・ロジャース
オスカー・ハマースタイン二世 


ジュリー・アンドリュース
クリストファ・プラマー
エリノア・パーカー
リチャード・ヘイドン
ペギー・ウッド
マーニー・ニクソン
 57年公開のドイツ映画「菩提樹」のブロードウエイ・ミュージカルの映画化。ロジャース&ハマースタインが59年に発表、コンビとして最後の作品。
 この映画のロケは1964年春,オーストリアのザルツブルグで行われ、俳優、スタッフ総勢60余人の撮影隊が参加しました。 最初の予定8週間は11週間に伸び、7人の子役の中6人までが小・中・高に通う学生だったので、 ロバート・ワイズは教師を雇って同伴させ、毎日4時間半の勉強をやらせました。
 尼僧ソフィアに扮するマーニ・ニクソンは「王様と私」でデポラ・カー、「ウェスト・サイド物語」でナタリーー・ウッド、 「マイ・フェア・レディ」でオニドリー・ヘップバーンの歌を吹き替えた人ですが、映画への出演はこれが最初です。
 ロケ中の或る日、ウイーンで開かれた同窓会に出席した実在のトラップ男爵夫人が撮影隊を訪問しました。 ワイズ夫人の希望で彼女はエキストラの一人として出演しました。
 ノンバーグ修道院、ウインクラーのテラス、ミラベルの庭園、モーツアルト橋、フローンバーグ城、 マックス・ラインハルト邸、フェルセンライトシューレ乗馬学校の円形劇場(音楽祭のシーン)等がキャメラに収められていますが、 ロケの効果を発揮しているのは「ド・レ・ミの歌」の歌い出しのシーンでしょう。ザルツカマーグット地帯と呼ばれる高原で、 アルプスの白い峰々が迫る素晴しさには目を見張らされます。


 <梗概>  アルプスの山々にかこまれた谷間にも、小鳥のさえずりとともに、春がやってきました。 オーストリアの古都ザルツブルグにほど近いある修道院。ここで尼さんになる修業をつんでいるは、 神に仕える身でありな
がら、ひまさえあれば好きな歌と山歩き、規則を守らないことでは修道院はじまっていらい、 院長の悩みの種でした。
 院長はそんなマリアの将来を考え、依頼がきていた家庭教師に推せんしました。 マリアはトラップ家という町はずれの邸へ、ギターひとつさげて出かけました。邸にはやもめ暮しのトラップ海軍大佐をはじめ、 7人の子供たちが待っていました。まず、マリアは大佐の海軍式の厳格な教育方法に、はげしい抵抗を感じました。
 最初の夜はひどい雷雨になりました。一人、また二人、子供たちはおびえきってマリアの寝室へとびこんできました。 歌をうたうことさえ禁じられていた子供たちに、マリアは声をはりあげてうたいました。 これは音楽を通じる彼女の教育方法の第一歩でした。
 再婿を考えている大佐が、フィアンセのシュレーダー男爵夫人をむかえにウイーソへ旅立ったあとは、 マリアの天下でした。まず、軍服みたいなユニフォームをすてて、古いカーテンで作ったお揃いのかわいらしい洋服をきせられた子供たちは、 ピクニックで野山を駆け廻り、町へ買物に、川っぶちの走りっこ、はては木のぼり、ボートあそびまで。 それにもまして子供たちにとって忘れられないのは、マリアに教えられたうたうことのすばらしさ、たのしさでした。
 友人マックスもつれて帰ってきた大佐はびっくり。もし主義に反対なら出ていってくれとマリアを責めました。 そのときのこと、家の中から子供たちのコーラスがわきあがってきました。大佐ほ耳をうたがい、 その実しいハーモニーがマリアの贈り物と知ると、いつしか目に光るものがありました。 大佐にもかつては音楽を愛した昔がありましたが、愛する妻を失っていらい、心ならずも忘れてしまおうとしていたのでした。 子供たちも歌のうまい大佐に驚きの目をみはったのでした。・・・  (分) 
 
MUSICAL PROGRAM :

THE SOUND OF MUSIC
MARIA
I HAVE CONFIDENCE IN ME
SIXTEEN GOING ON SEVENTEEN
MY FAVORITE THINGS
CLIMB EV'RY MOUNTAIN
THE LONELY GOATHERD
DO RE MI
SOMETHING GOOD
EDELWEISS
SO LONG, FAREWELL 

 マーニー・ニクソンについて
 この映画で私の一番興味があったのは、尼僧ソフィアを演じる マーニー・ニクソン(Marni Nixon)だ。
 この女優は誰あろう、これまでずっと裏方、縁の下の力持ちしか やってなかった人。
 映画「雨に唄えば」で、無声映画時代の大女優がトーキーの時代になって その声のひどさにスタッフが困り、 デビー・レイノルズにアテレコを頼んだシーンが思い出される。
 マーニー・ニクソンの名前を初めて知ったのは、「王様と私」の家庭教師アンナを 演じたデボラ・カーの歌声だ。次が「ウエストサイド物語」のマリア、ナタリー・ウッドの歌の部分。
 そして「マイ・フェア・レディ」のイライザ、オードリー・ヘップバーンだ。「マイ・フェア・レディ」では、 実際にオード リー・ヘップバーンに歌わせて撮ったフィルムが公開されたが、結局はマーニー・ニクソンの 歌声が採用された。
 NHKの大分前のテレビ番組で「吹き替えは ジュリー・アドリュース」と言っていたが、そんなはずがあろうか。
 尼僧ソフィアのマーニー・ニクソンは、決して不美人ではない。しかし、ずっと日の目を見ない裏方に 徹する以 外なかった女優だと思うと、ショウビジネスの世界の厳しさが伺われる。

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