マイ・フェア・レディ<My Fair Lady> (64年) |
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<スタッフ> |
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ラーナー=ロウのコンビが、文豪バーナード・ショウの戯曲「ピグマリオン」をミュージカル化した。(舞台初演:'56年)
<梗概> コベント・ガーデンの劇場がはねた。イライザ・ドゥリトルは帰りを急ぐ紳士淑女たちにもまれながら、せいいっぱいの声をはりあげた。 「花はいかが!」。 ぜいたくに着飾ったお上品な連中ってのは、どうしてこんなにケチなんだろう。 みんな花売りのイライザなんかに眼もくれようとせず、通りすぎてゆく。それでも、イライザは花を売らなければならない。 のんだくれの父親のために、自分のために‥‥‥ 「花はいかが!」 うすら寒い3月の風は、そまつな衣裳のイライザをよけいみじめな気持におとしいれる。 細い左手にひっかけた籠から立ちのぼる花の香りだけが、わずかに彼女の淋しさをなぐさめる。 そのとき、彼女の限の前にひとりの紳士が立った。着ているものは地味で少々野暮ったかったが、 背の高いその男の眼は、知性にみがかれた鋭さでイライザをじっとみまもった。 「ひどい靴りだ」 その男は首を振りながら云った。イライザは急に腹が立って来た。大きなおせわじゃないか、私がどんなナマリだろうと‥‥‥ 「花を買うのかよ。買わねえのかよ」 「やめるんだ。そんなきたない英語をつかうのは!」 紳士は、イライザに負けないぐらい大きな声でどなり返した。彼女は思わず眼をまるくした。 |
ピカリング大佐はすごくいいおじさんだった。
あの時、もうすこしで喧嘩になりそうなところへ横から現われて、花をぜんぶ買ってくれた。そして、 イライザの運命はあの晩からまったく違う道をたどり始めたのだ。 あのおせっかいな紳士はヘンリー・ヒギンズという言語学者で、彼は彼女に正しい発音や、 淑女としてのお行儀を教えてくれることになったのだ。どうしてそんなことになったのか、 そのへんのいきさつはどうもイライザにはよくわからない。ただ、ヒギンズ教授の家に住み込むことになったイライザには 夢のつづきとしか思えなかった。 いままで貧乏とたたかって、いろいろな苦労はしてきたが、こんどのような苦しみは初めてだ。 ラッパが逆立ちしたような録音器に向って、イライザは何度もおなじことばをくりかえさせられた。 おはじきを口の中に詰め込まれて、口をきいてみろといわれたときも、ほんとうにおどろいた。 無理してやっている間に、どうかした拍子におはじきを飲みこんじゃって、そのことを泣き声でヒギンズ教授に訴えたら、 心配しなくてもいい、おはじきはいっばいあるから、と妙な慰めかたをされた。いじわるな先生! やはりヒギンズの家にとまっているピカリング大佐が厳しい練習に疲れたイライザをいろいろと慰めてくれる。 いいおじさんだ。 娘を誘惑されたと勘ちがいして真っ青になって邸にどなり込んできたアルフレッド・ドゥリトルは、 みちがえるように美しい服に身をつつんだ娘が、貴婦人になる修業をしていると聞かされて、ごきげんで帰っていった。 アルフレッドはもみ手をしながら考えた。これで運が向いてきたぞ、長い間の貧乏ぐらしにさよならして、 おれも金持の仲間入りだ。・・・ (170分) |
MUSICAL PROGRAM : WOULDN' T IT BE LOVERLY I'M AN ORDINARY MAN WITH A LITTLE BIT O'LUCK THE RAIN IN SPAIN I COULD HAVE DANCED ALL NIGHT ON THE STREET WHERE YOU LIVE YOU DID IT JUST YOU WAIT GET ME TO THE CHURCH ON TIME WITHOUT YOU I'VE ACCUSTOMED TO HER FACE |
テレビ東京開局25周年記念のイベントで、1989年、「マイ・フェア・レディ」の舞台が日本にやってきた。 |