魅惑の巴里

<Les Girls> (57年)

<スタッフ>
製作
製作補助
監督
脚本
原案
音楽

撮影
振付

<キャスト>
バリー・ニコルズ
ジョイ・ヘンダーソン
シブル・レン
アンジェロ・デュクロ
ピエール・デュクロ
ジェラルド・レン

ソル・C・シーゲル
ソール・チャップリン
ジョージ・キューカー
ジョン・パトリック
ヴェラ・キャスパリー
コール・ポーター
アドルフ・ドイッチェ
ロバート・サーテス
ジャック・コール


ジーン・ケリー
ミッチイ・ゲイナー
ケイ・ケンドール
タイナ・エルグ
ジャック・ベルジュラク
レスリー・フィリップ
 原題は「レ・ガールズ」。英語のガールズに、わざわざフランス語の冠詞をつけた 題名が示すように、陽気で粋でスマートな作品である。
 「レ・ガールズ」は、ショー・ガールたちを意味し、3人のトリオがこの映画の主役である。 そして、パリ、グラナダ、ロンドン。自叙伝と5万ポンドの名誉毀損の訴訟、 ガス中毒事件が物語る作品である。
 主演ほ「夜ほ夜もすがら」のミッチイ・ゲイナー。「雨に唄えば」以来、久々に歌い踊る ジーン・ケリーの初コムビの聖林組。「古城の剣豪」のケイ・ケンドールの本的格ミュージカル出演に、 名コメデアンのレスリー・フィリップの英国組。フィンランド出身で「哀愁物語」の 新進バレリーナのタイナ・エルグが、この映画ではパリジェンヌに扮し、ジャック・ベルジュラクと、 フランス組をつくると云う面白い、豪撃なキャストである。
 監督ほ「スタア誕生」「ポワニー分岐点」のジョージ・キュカーである。女を描くのに定評のあるキュカーが、 「スタア誕生」で発刺たる舞台と、その舞台裏に巧みなタッチをみせたように、 この映画でも女心も生活も含めたショー・ガールの裏の世界を、素晴らしく巧みに描き出しているのも見逃せない。
 ベラ・キアスペリーの原作を「八月十五夜の茶屋」のジョン・パトリックが脚色した。 探偵物にはよく使われるが、「羅生門」によく似たフォームで展開するこのミュージカルのストーリーは特に面白い。 撮影は「悪人への貢物」のロバート・サーテス。大画面を圧倒するキューカーの大胆な構図を巧みに撮し出している。 「絹の靴下」など、昨今よく映画の主題歌を作曲しているコール・ポーターが、八つの新曲を 作曲、編曲、指揮を「お茶と同情」のアドルフ・ドイッチが担当。舞踊場面振付をジャック・コール。 衣裳は「巴里のアメリカ人」のオリイ・ケリイが夫々担当という贅沢なスタッフ陣である。 特にホイニンゲン=ヒューエのタイトルは注目せられる。
 製作は「上流社会」のソル・シーゲル。
 <物語>  アンジェロ・・デュクロ夫人が名誉棄損で5万ポンドの損害賠償の訴訟を起こしたことからこの物語は始まる。
 かつて彼女はイギリス娘のシブルとアメリカ娘のジョイの3人で、 アメリカ人の舞踊家バリー・ニコルズと一緒に「バリー・ニコルズとレ・ガールズ」というショー一座を作って、 ヨーロッパ各地を巡業していた。やがてアンジェロはピエールと、シブルはジェラルド・レン卿と、それぞれ結婚して 一座は解散してしまった。
 それからシプル・レン夫人が、自叙伝を発表するまで、数年は何事もなく過ぎた。
 ところが自叙伝の中に、アンジェロがバリイへの失恋のため、3人一緒に住んでいた、アパートの 衣裳部屋のガス管を外して自殺しようとした、と書いてあった為、恕つたアンジェロが訴訟を起したのである。
 公判の第一日目、レン夫人が証人台に立った。
「私の自叙伝ほ事実の通りを書いたものです。」
 レン夫人は、一寸見得をきつてから話をつづけた。
 数年前に遡る。パリ、春である。 「アンジェロが一座に加ったのは、欠員が出来た為でした。沢山の応募者の中から、アンジェロが 採用されたのです。早速私達の部屋に引越してきました。
 とにかく、アンジェロは、若かったし、芸も未熟でしたから、舞台がはねますと、 バリイは特別に練習させていました。練習が終りますと、夕食に出かけます。 私が思うのに、夕食にはワインが出ます。ワインは人を酔わせます。 とにかくアンジェロほバリイを恋するようになりました。
 その頃アンジェロには、ピエールという許婚者がいました。 彼すらアンジェロの変心には気づきませんでしたが、処が大事件が起ったのです。
 恋人のピエールが両親を連れて劇場にやつて釆た夜です。アンジェロは隠れようとして、 3人のショウを滅茶滅茶にして了ったのです。・・・(114分)

 

この映画の主題歌

  • The Flower Song タイナ・エルグ
  • Les Girls
       ジーン・ケリー、ミッチイ・ゲイナー、ケイ・ケンドー
       ル、タイナ・エルグ
  • Rope Song ジーン・ケリー、タイナ・エルグの踊り
  • Ca Cest Lamour ジーン・ケリー、タイナ・エルグ
  • Ladies In Waiting
       ケイ・ケンドール、タイナ・エルグ、ミッチイ・ゲイナー
  • You're Just Too,Too
       ジーン・ケリー、ケイ・ケンドール
  • Why Am I So Gone About That Girl?
       ジーン・ケリー、ミッチイ・ゲイナー
  • Party Song
       ミッチイ・ゲイナー、ケイ・ケンドール、タイナ・エルグ



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