海賊王バイキング<L'ultimo dlei Vichinghi> (60年伊) |
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<スタッフ> 監督 脚本 撮影 美術 音楽 <キャスト> ハラルド ズベノ(ノルウェー王) ヒルデ姫 |
ジャコモ・ジェンティロモ A・デ・リゾ グイド・ズルリ ジャコモ・ジェンティロモ エンツォ・セラフィン サベリオ・デウジェニオ ロベルト・ニコロージ キャメロン・ミッチェル エドマンド・バードム イザベル・コーレイ |
この映画はバイキング族が最も目覚ましい活躍を示した西歴700年頃を背景にして、
波瀾に満ちた物語りと、トータルスコープの大画面一杯に展開する凄まじい戦斗場面とを
巧みに織りまぜ、息もつかさぬ迫力で描いたものである。
イーストマンカラーによる絢爛たる色彩、息を呑む大群衆の動き観る者をして、 さながら千数百年の昔に在らしめる完壁な時代考証など、さすがは十億の巨費を惜しまずに 製作しただけのことは頷いてなお余りあるだろう。 監督はジャコモ・ジュンティロモ。彼の作品の日本公開はこれが初めてだが、 現在イタリア映画界で最も活躍している中堅監督の一人である。脚本は A・デ・リゾ、 グイド・ズルリ、監督のジャコモ・ジュンティロモの3人が共同脚色している。 撮影は「ローマの女」のエンツォ・セラフィン、美術はサベリオ・デウジェニオ、 音楽は「壮烈鬼部隊」「アマゾンの女王」のロベルト・ニコロージがそれぞれ担当している。 出演するスターは「セールスマンの死」「回転木馬」「百万長者と結婚する方法」 「デジレ」など、わが国にも数多くの作品で紹介されたアメリカの男優、 キャメロン・ミッチェル、同じくアメリカの二枚目男優で「エジプト人」「皇太子の初恋」 「ジュリアス・シーザー」のエドマンド・バードム、わが国にも公開された「男と女」(伊)で主演し、 めきめき売出してきたフランズ出身の女優イザベル・コーレイをはじめ、 イタリア映画が誇る性格俳優アンドレア・アウレリ、強烈な個性をもつイタリアの女優 力ルラ・カルロ、フランス出身の可憐な女優エレーヌ・レミーなど、 まことに国際色豊かな棄華キャストで、各々いずれ劣らぬ熱演競演をくりひろげ、 この映画に一層の迫力を添えている。 | <梗概>
西歴700年の頃、バイキングのシグルト大王の息子、ハラルドとグンタルの兄弟は
10年にわたる長い船旅を終えて故郷ピケンを目指し、一路船を走らせていた。
たまたまその途中、彼等はデンマーク船を襲い、大使ゴドルノを人質とした。 然しながら彼らが夢にまで見た故郷ピケンには人気もなく荒廃し、 無残な姿をさらしていた。強豪大シグルトは、彼らの船出直後に、ノルウェー国王ズベノの 卑劣な計略にかゝり、あえない最期をとげていたのだった。さすがの勇者ハラルドも この悲報に、一時は怒りと悲しみに打ちひしがれ、茫然自失してしまったが、 やがて、彼らの守護神オーディンに祈りを捧げ、固く復讐を誓うのだった。 四散していた部族のものたちもハラルドの帰還を聞き伝え、続々とピケンに戻ってきた。 一方、「ハラルド帰る」の報はノルウェー王ズベノに異様な恐怖と衝撃を与えた。 また、ズベノ王はかねてより自分の従妹に当る美しいヒルデ姫をデンマーク王に嫁がせ、 いずれは両国を合併しようという陰謀をたくらんでいた。 或る日、一隻のデンマーク船が港に着いた。宮廷に姿を現わしたのは待望の デンマーク大使ゴドルノではなく、ラグマル殿下と名乗るデンマークの王子で、王の信任状を持ってきたのである。 ラグマル殿下、実はハラルドだった。彼はデンマーク大使ゴドルノからルウェー王の計画を聞いて、 デンマークの王子に扮し王をあざむくためにやってきたのだ。両国の同盟条約はもちろん、 簡単に締結された。そしてハラルドはヒルデ姫を伴って、デンマーク王のもとに戻ることになったが、 結局は疑い深いズベノ王のため、ラグマル殿下実はハラルドは、人質としてデンマークの軍隊が 援助にくるまで・・・(103分) |