特攻魚雷作戦

<Siluri Umani> (55年伊)

<スタッフ>
製作

   監督
脚本
  音楽 

<キャスト>
隊長
   アントニオ
   ジョルジオ
   マルコ
   ヴィルジリオ
   ピエトロの妻  

ディーノ・デ・ラウレンティイス
カルロ・ポンティ
レオン・ヴィオラ
マルカントニオ・ブラガディン
アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ


ラフ・ヴァローネ
フランコ・ファブリーツィ
アンドレア・ケッキ
エットレ・マンニ
エンリコ・サレルノ
エレナ・ヴァルツィ
 第二次大戦酣わの1941年3月26日、東地中海のイギリス艦隊根拠地スダ湾を猛攻撃して、 重巡ヨーク他タンカー2隻、輸送船1隻を大破(しても海底が浅いので沈没しなかった)させた イタリア海軍の快速攻撃艇人間魚雷" 隊の輝しい戦記を、イタリア海軍の全面的協力のもとに、 この攻撃直後にスダ湾を攻撃して占領した駆逐艦艦長で、後にイタリア海軍史の執筆に当った マルカントニオ・プラガディンを中心として脚本を執筆、わが国には「紅薔薇は山に散る」 (脚色)で紹介された新鋭アントニオ・レオンヴィオラが監督に当った戦争映画の超大作。
 マルカントニオ・プラガディンは脚本のみならず、この映画の最大の魅力たる訓練や戦闘場面 の演出に当っている。その他の共同脚色者には、「アンナ」のフランコ・ブルザーティ、 「マンボ」のエンニオ・デ・コンチーニおよび「荒野の抱擁」「にがい米」「オリーげの下に平和はない」の 名ライタア、カルロ・リッツァーニが、撮影監督は「カヴァレリア・ルスチカーナ」(未輸入)などの 大作をクランクしているリッカルド・パロッティーニが、音楽は「線の魔境」「河の女」「失われた大陸」 「明日なき愛情」などの名作曲者アンジェロ・フランチェスコ・ラヴニーノと、 イタリア映画界の最高メンバーを結集している。
 出演者は「にがい米」「越境者」「嘆きのテレーズ」「嵐の女」のヨーロッパ映画界を 代表するラフ・ヴァローネをはじめ、「ローマの女」のフランコ・ファブリーツィ、 「懐しの日々」のアンドレア・ケッキ、「侵略者」のエットレ・マンニ以下 イタリア映画のそうそうた男性群をそろえ、ヴァローネ夫人で「越境者」に出演していた将来を 最も嘱望されているエレナ・ヴァルツィが一点の彩りをそえている。
 「人間魚雷」「ユリシーズ」「マンボ」「侵略者」および「戦争と平和」の名プロデューサー、 デイーノ・デ・ラウレンティイス(マンガーノの夫君)とカルロ・ポンテイの ボンティ=デ・ラウレンティイス社が自信をもって贈る1955年度製作の新作。
 <物語>  物語は1939年、イタリア海軍攻撃訓練学校に始る。ここでは新しい作戦計画にもとずき、 イタリア海軍より抜きの将兵たちによって秘密の特殊兵器による攻撃隊が編成され、 隊長フェルリの指揮下、連日連夜激しい訓練が重ねられていた。 この間、不慮の事故で殉職した隊員ピエトロの妻に問いただされても、 隊長はピエトロの死因を告げることが出来なかった。その秘密兵器とは、 人間魚雷≠ニいう一人乗りの魚雷艇で、ひとたび出撃したら運よく捕虜となっても戦争が 終らなければ帰れぬ、日本の神風の水上版ともいうべき特攻兵器だった。
 訓練が終ると隊員たちは前進基地ギリシャのスタンパリアへ逸られた。 こゝで隊員たちは始めて攻撃目標を知らされた。クレタ島のスダ湾――幾多の機雷原、防潜網で 厳重に防備されている東地中海のイギリス艦隊の根拠地である。
 その頃、イタリアの難民をのせた船団が北アフリカの港を発った。このまゝでは船団は スダ湾の重巡の餌食になることは必至である。攻撃隊は細部にわたっで作戦を練り、出撃命令を待つた。 その時、突如として出撃中止命令が下りた。隊員は落胆した。 隊長はこのまゝ放っておけば今後の志気に影響するので、基地の作戦司令官に膝づめ談判に行き、 その夜だけ重巡がスダ湾へ帰ることを知り、出撃命令を受けた。
 ところが潜水艦で 帰投する途中、浮上したところをイギリスの雷撃機に発見され、潜水艦は主砲で応戦したが、 短い悲惨な戦闘の末撃沈された。だが隊長など数名は死を免がれた。それにしても50米の 海底に横たわる潜水艦は鋼鉄の棺そのものである。救肋隊は生存者があることを発見した。 超人的な、海上海中が一致協力した困難な作業の末、隊長らは脱出に成功した。
 意外な事件に時を奪われているうちに、舶団は刻一刻死に近づいてゆく。 もう一刻の猶予もできない。1941年3月25日の18時、隊長と攻撃艇をのせた駆逐艦は スタンパリアを出港した。 ・・・   (87分)
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