世界のセクシー・ナイト

<Monde Sexy di Notte>   (62年伊)

<スタッフ>
監督

ミノ・ロイ
 ニューヨーク・パリ・べルリン・東京・ブルジル・ポリネシアなどと、カメラは 世界中をまわって、陶酔と幻想にみちた「情熱の夜」のスぺクタクルを紹介しています。
 世界中のあちらこちらで、夜になるとそっと花開くピンクムード・ショウ。
 この映画はそこへ焦点をしぼって洒落た、たのしいドキュメンタリーとなって います。出演者としては世界的ヌード・ダンサー7人をはじめ、ラテントリオの ダーク・ホースとしていまや注視の的であるマチュカンボスや、ギリシャの ボーカル・グループ、ピレネー・ボーイス(レ・ザンファン・デュ・ピレ)ブラジル のサンバの踊り、トリオ・パガオ等、通ごのみの多彩な顔ぶれです。
 そのほか,パリのレビューのメッカ・カジノ・ド・パリの舞台や特殊(ゲイ) クラブの代表的な名所、マダム・アルチュールの店など、世界中のセクシーポイントを たっぷり堪能できます。
 この映画は、ズバリと夜の世界の核心を衝いています。白人のぬめぬめとした白い肌と、 黒人のベットリと焦げたようなチョコレートの肌が、いきなりタイトル・バックからあらわれ、 ぼくたちを誘惑的な夜の中へとひきずりこんでしまいます。
 もってまわった撮りかたではなく、世界中の夜のセンジュアリティを紹介しようという 割り切った企画が、かえってシャレた効果をあげています。
 ですから、この映画のなかで光彩をはなつ部分はなんといってもヌードの ソロ・ダンサーによる各種各様のショウ場面でしょう。その間を、小粋なナレーションでつなぎ、 ヌード場面ばかりでは疲れてしまう、というので舞台のスペクタルや、ナイト・クラブの情景紹介などがはさま
れています。
 まず、さきほどのシロとクロの踊り子によるタイトルが終ると、カンヌの街の夕暮の中を、 ひとりの小柄な女性が歩いてきます。街頭にたむろする男たちと軽くからんで、ツイストなど踊りながら、 その女性は画面を左手へ切れていってしまいます。なにげないエピローグですが、 フォトジェニックなたそがれの甘さが夜への郷愁をさそいます。
 南仏から、カメラは急に東洋へやってきます。ベトナムのストリップ・ティーザー キム″がスリットの大きくあいたツメ襟の服をもったいなさそうに、脱いで、屏風の中の長椅子に横たわります。
・・・  (100分)

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