青い大陸

<Sesto Continente>  (53年伊)

<スタッフ>
製作
   監督
  編集
   音楽
  日本語解説 

<キャスト>
隊長 
  探検班長
   探検班
   探検班
   映画監督・水中撮影  

ブルーノ・ヴァイラティ
フォルコ・クイリチ
マリオ・セランドレイ
ロベルト・ニコロージ
今福 祝


ブルーノ・ヴァイラティ
レイモンド・ブーカー
エンツァ・ブーカー
シルヴェリオ・ゼッカ
フォルコ・クイリチ
 スエズ運河の南、アフリカ大陸とアラビア半島にはさまれた紅海の神秘を探るべく、 12名の専門家から成るイタリアの海底探検隊が「フォミカ号」という100トン足らずの船に打乗って、 摂氏60度にも及ぶきびしい暑熱のもと、数々の苦難とスリルに満ちた探検を続けること1年半、 航行6千マイル、潜水のべ1万時間、撮影したフィルムの総量6万メートルという努力の中から 生れたのが、この映画史上劃期的た総天然色による海底記録映画である。
 この映画に現れる動物は、名前が挙げられているものだけでも約50種、 その中には猛毒を持ったウツボも、海の怪物大イトマキエイもあれば、 口がトロンポーンのように伸び縮みする珍魚もあるといったわけで、 誰の目にも興味100パーセソトであるばかりか、学術的にも貴重たものであり、 紅海を千古の謎への恐怖から無限の幸への開発の希望に変えた、この世紀の海底探検の偉大な記念アルバムである。
 なおイタリアにおける色彩長篇記録映画の発達は近年目ざましいものがあり、 この「青い大陸」のほかに、南米の秘境を探った「緑の魔境」 (ジャン・ガスパレ・ナポリターノ監督、カソヌ映画祭受賞)、「東洋への道」(撮影隊が我が国に来朝した)などがある。
 <出発準備>  イタリアの海底探検隊は、紅海の底にひろがる「青い大陸」に世界最初の大がかりな探険を 行う前に、まずナポリからほど近いボンツァ島を基地として、浄水器具のテストと訓練を重ねた。
 先ず新たに考案されたモリのテスト。起圧縮ハネによって発射されるモリの先には 折れ曲るカギがついていて、獲物にささると、カギが曲り、1トン以上の力にもたえられる。 そのほか二酸化炭素で発射されるもの、ジェット機と同じ原理で発射されるもの、 ガスを噴出して獲物を麻痺させるものなどがある。
 水中盟影のカメラを包む箱に2枚の翼をつけたのも、カメラマンの苦心の設計によるものである。 また色彩映画であるため、照明にも苦心が払われた。水面下15米ではすべての色が失われているが、 フラッシュ・ライトで照らすと水上と同じ色になる。
 いよいよ出発というときに、探検班長のレイモンド・プーカーは、裸潜りの世界記録作ろうと試みた。 カプリ島の沖にオリンピック委員によって1メートルごとにコルクの札をつけた綱が沈められた。 ブーカーが潜れるだけ潜ってちぎって来た札で、深さを知ろうというわけだ。
 こうして一行は、僅か100トン足らずの遊覧船フォミカ(蟻)号に乗って、 ダーラック諸島に向った。 (91分)
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