く ち紅

<Il Rossetto>   (60年伊)

<スタッフ>
監督
脚本

撮影
美術
音楽

<キャスト>
フィオレシー警部
ジノ
シルバーナ
ロレッラ(ジノの恋人)
シルバーナの母親

ダミアノ・ダミアニ
チェーザレ・ザバッティーニ
ダミアノ・ダミアニ
ピエ・ルドビーコ・パボーニ
セルジョ・バルダッキーニ
ジョバンニ・フスコ


ピエトロ・ジェルミ
ピエール・ブリス
ラウラ・ビバルディ
ジョルジア・モル
ベラ・ダルビ
 「鉄道員」「わらの男」「刑事」とこのところますます好調の名監督ピエトロ・ジェルミが、 監督に新鋭脚本家ダミアノ・ダミアニを起用し、みずから主演した刑事シリーズ。 13才の少女の微妙な目ざめを描きながら殺人事件の謎をといてゆくイタリア映画独特の推理映画である。
 脚本は監督のダミアノ・ダミアニおよび「靴みがき」「自転車泥棒」の名脚本家 チェーザレ・、ザバッティーニの2人が協力して書き上げたもの。ダミアニとしては これが第一回監督作品である。
 ピエトロ・ジェルミの他に合作映画「アキコ」にも出演しているヲランス出身の新鋭二枚目 ピエール・ブリス、「乙女の館」「静かなるアメリカ人」の国際女優ジョルジア・モル、 この映画初出演の明日のスター、ラウラ・ビバルディなどが主演している。
 撮影のビエルドピーコ・パボーニは、「黄色い大地」を手がけた新鋭カメラマン。 音楽は甘い旋律で知られる「さすらい」のジョバンニ・フスコの作曲。主題曲の「くち紅」が 甘いムードをもり上げている。


 <梗概>  13才といえば少女期から思春期にうつりかわろうとする微妙な時期である。 シルバーナはちようど
13才。彼女には一つの秘密があった。美しい青年ジノへの慕情である。 ジノにして見ればつき合う女にはことかかない。それに、いまねらっている金持ちの娘のこともある。 つきまとう13才の小娘はわずらわしいだけだった。
 そんなある日、シルバーナが母と2人で住んでいるアパートの一室で、殺人事件が起きた。 殺されたのは婦婦だった。
 その日、シルバーナは自分の部屋の窓から、ジノを見た。ちょうど事件の時刻である。 彼女は恋しいジノの秘密をのぞいてしまったのだ。
 警察の捜査がはじめられた。だが、捜査は難航をきわめた。容疑者はあがったものの、 証拠はつかめなかった。担当の警部フィオレシーは一歩一歩、地道な活動を続けるのだった。
 シルバーナは恐ろしい秘密を心に抱きながらも、ジノへの思いをとどめることはできなかった。 自分が重大な鍵を握っていることをジノに知らせれば、彼は自分を相手にしてくれるだろう……・ そう考えた彼女はある日、通りすがった彼に言った。
「あのとき、あなたが女の部屋から出てきたのを見たわ」
・・・  (95分)

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