続 荒野の1ドル銀貨   <Il Ritorno di Ringo>   (66年伊)

<スタッフ>
製作

監督
脚本

撮影
音楽
編集


アルベルト・プイエーゼ
ルチアーノ・エルコリ
デュチオ・テッサリ
デュチオ・テッサリ
フェルナンド・ディ・レオ
フランチェスコ・マリン
エンニオ・モリコーネ
リチア・クァイア
<キャスト>
リンゴ

ハリー
パコ
エステバン

モンゴメリー・ウッド
(ジュリアーノ・ジェンマ)
ロレーラ・デ・ルーカ
ジョージ・マーチン
フェルナンド・サンチョ
 昨年公開された「荒野の1ドル銀貨」で、早射ちもさることながら、跳んだりはねたり、 軽妙で痛快なアクションを見せたモンゴメリー・ウッドがふたたびヒーローをつとめる イタリア西部劇の最新巨篇である。
 前回と同じく、こんども南北戦争帰りの早射ちガン・ファイターに扮し、妻と子どもの仇を追って、 ついに凶暴な宿敵メキシコ一味を倒すまでの物語。 とくに右手をナイフで突き刺される残酷なリンチをうけたため、 左手でガン・プレイをマスターしてからの活躍ぶりは胸がすくような爽快さだ。 ラストのクライマックスではイタリアお得意の大量殺人がくりひろげられるが、 その他いろいろと新趣向が用意されている。
 モンゴメリー・ウッドという名は「荒野の1ドル銀貨」ではじめて西部劇に出演したときにつけられた アメリカ式の名前で、本名はジュリアーノ・ジェンマといい、れっきとしたイタリア俳優。 最近はどちらの名前でも通用するほど有名になってしまった。 この春、イタリアの週刊誌が一般からおこなった映画スターの人気投票では、男優ナンバー・ワンの 人気を獲得している。日本ではクリント・イーストウッドやフランコ・ネロばかり騒がれているが、 あちらでは彼が一番人気があるというわけだ。 もっとも日本でもさらに4本の西部劇主演作が公開されることになっているから、人気爆発もまぢかであろう。
 この映画、もう一つの魅力はエンニオ・モリコーネのテーマ音楽。「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に次いで モリコーネが本格的に取り組んだ映画音楽だけに、ヒット・パレードの人気を独占することはまちがいあるまい。
 共演者は、美貌の新星ロレーラ・デ・ルーカ、彼女はアメリカ名をハリー・ハモンドといって、 64年「リンゴの拳銃」でデビュー。この映画がモンゴメリー・ウッドとのコンビ第二作目で、その可憐な顔立ちが、 人気のまとになるかもしれをい。そのほか「殺し屋がやって来た」の悪玉俳優フェルナンド・サ
ンチョ、「さすらいの一匹狼」のジョージ・マーチンなど。
 監督は「タイタンの逆襲」などアクション映画の中堅デュチオ・テッサリ。

 <梗概>  南北戟争が終って2ヵカ月後――。
 広漠とした荒野を馬にのった一人の男が帰って来た。男は北軍の青年大尉モンゴメリー・ブラウン、 またの名をリンゴ≠ニ呼ぶ早射ちのガン・ファイターである。
 生まれ故郷に着いたリンゴは、ジュレミアの家に立ち寄って驚いた。 昔なじみのジェレミアは、懐しいはずのリンゴの顔を見ても全くそ知らぬ顔をし、 しかもそこには得体の知れないメキシコ野郎が2人、リンゴをニラみつけている。おかしいと思った瞬間、 メキシコ野郎が拳銃に手をかけたので、リンゴはす早く2人を射ち殺した。
 やっとのごとでジュレミアにわけを問い質すと、彼は少しずつ事情を話し始めた。 このミンブルスを流れる川から砂金が発見るされて以来、パコ・ヒュエンテスを首領とする悪らつなメキシコ一味が この地方に居座り、勝手気ままなことをやって、農民や町民たちを恐怖のどん底におとしいれているということだった。
 「ハリーはどうしている?」とリンゴが訊ねた。ハリーとはリンゴの忘れもしない最愛の妻だ。 ジェレミアははっきりとは答えなかったが、話の様子ではパコのものになっているらしかった。
 「自分が片時も亡心れないでいたハリーが、よそ者と一緒になっている!」リンゴは憎しみのあまり、 パコもハリーもそしてメキシコ野郎も生かしてはおけないと考えた。
 彼は自分が帰って来たことを知られないために、髪を染める薬草を買い入れ、肌も黒くぬって、 ボロをまとうとやせ馬にまたがり町へ向った。誰が見てもその姿はインディアンの混血青年といったいでたちだった。 ・・・       (92分)

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