生血を吸う女

<Il Mulino delle Donne di Pietra>   (61年伊仏)

<スタッフ>
製作
監督
原案・脚本



撮影
美術
音楽

<キャスト>
ハンス
エルフィ
ボーレム博士
リゼロッテ

ジャン・パオロ・ビガッツィ
ジョルジョ・フェローニ
ジョルジョ・フェローニ
レミージョ・デル・グロッソ
ウーゴ・リベラトーレ
ジョルジョ・ステガーニ
ピエルルドビコ・パボーニ
アリーゴ・エクイーニ
カルロ・インノチェンツィ


ピエール・ブリス
シーラ・ガベル
ヴォルフガング・プライス
ダニー・カレル
 巨大な風車の廻る古めかしい屋敷。その屋敷を訪れた青年。蝋人形に擬せられた死体のコレクション。 夜、人目を忍ぶようにやって来たあやしい魅力を持った生気のない美女。 青年と女との狂おしい恋。そして、女の死。だが、死んだはずの女が甦った。 地下の一室では恐るべき生血の手術。ナゾはナゾを呼び、恐怖は恐怖をまねく。 思わずゾッとさせずにはおかない、怪奇と残酷趣味満点のショッキングな恐怖映画である。
 フランドルの画家ヒイロニエムス・ボッシュの死と悪魔の幻想画からイメージを得て、 ジョルジョ・フェローニ、レミージョ・デル・グロッソ、ウーゴ・リベラトーレ、 ジョルジョ・ステガーニが原案・脚本、「バッカスの狂宴」の俊英ジョルジョ・フェローニが監督した。
 音楽はカルロ・インノチェンツィ、撮影は「黄色い大地」「バッカスの狂宴」の ビエルルドビコ・パボーニで、幻想的怪奇ムードを見事に出している。
 主演は、最近ヨーロッパでめきめき売り出している若手2人で、 「危険なデイト」「甘い暴力」の二枚目ピエール・ブリスと、「風を巻き起す女たち」 「危険なデイト」のグラマー女優シーラ・ガペル。助演は、「奥様ご用心」 「今晩おひま?」のダニー・カレル、「史上最大の作戦」「偽の売国奴」の性格俳優 ヴォルフガング・プライス、「百の顔を持つ騎士」のリアーナ・オルフェイ、 「テオドラ」のオルガ・ソルベッリなどである。

 <梗概>  霧の深い、くすんだ郊外の風景の中に、巨大な風車を屋根につけた、 古めかしい屋敷がぽつんと一軒たっていた。美術を専攻する若い学者ハンスは、 ある
朝この屋敷の戸を叩いた。オランダはアムステルダム、1910年代のことである。
 この屋敷は、著名な彫刻家であり、アカデミーで教鞭をとる美術史研究家でもある バール教授の家であったが、また17世紀ごろのカリヨン″がそなわっていることでも知られていた。
 カリヨンとは、風車の回転によって音の出る大きなオルガンの一種であったが、 その旋律に合わせて、物語や歴史上の人物に擬せられた等身大の人形が 次つぎと登場するように仕組まれていた。薄あかりの中で、髪ふり乱し、血を流しながら、 凄まじい様相で立ち現われる人形たちは、まことの死体かと思えるほど精巧で醜悪で ハンスは思わず薄気味の悪いものを感じた、だがこの人形たちは、ハンスの研究論文のための 重要な資料となるはずであった。
 何度か訪問を続けるうちに、ハンスはこの屋敷にあやしい魅力を持った美しい娘のいることに気づいた。 娘は時々、二階からちらっと姿を現わすだけだった。彼女は教授の娘でエルフィという名前であることはわかったが、 なぜ人前に姿を現わさないのか、ハンスには不思議だった。ところが、一夜、人目を盗むようにして 彼の部屋を訪れたエルフィは、父親の溺愛が彼女をこの屋敷に閉じこめておくのだと告げ、 その夜の逢びきを約束した。そして、その夜エルフィと逢びきしていらい、ハンスはエルフィの美しさに魅せられた。
 だがある夜、恋の陶酔のさなかにハンスの腕の中でエルフィは突然息絶えてしまった。 エルフィは死んだのだ! 恐怖におののきながら、ハンスは・・・  (97分)

inserted by FC2 system