危険なデイト<I Piaceri del Sabato Notte> (60年伊) |
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<スタッフ> 製作 監督 原案 脚本 撮影 音楽 演奏 <キャスト> パオラ マリサ グラウディア |
エルマンノ・ドナーティ ルイジ・カルペンティエーリ ダニエレ・ダンツァ オレステ・ビアンコリ オレステ・ビアンコリ ダニエレ・ダンツァ他 マルコ・スカルペリ アルマンド・トロヴァヨーリ チェット・ベイカーほか ジャンヌ・ヴァレリー エルサ・マルチィネリ マリア・ペルシー |
この映画の背景である北イタリアの大都市、ミラノは、
ジャクリーヌ・ササール主演の「三月生れ」でも紹介されたように、
イタリアン・モードの中心地として知られているが、
この現代の花形ともいえるファッション・モデルたちが、
実はコール・ガールだったという現代の皮肉もこめてこの映画は、
巧妙きわまる売春組織の内面をあばくとともに、金と虚栄に踊らされ、
ついには劇的な事件た巻き込まれてゆく若い女たちの生態を猟奇的に描いたものである。
この映画の主人公たちは美しい姿態の持ち主であるファッション・モデルだけに、 主演者にはヨーロッパ映画界の若手肉体女優たちが勢揃いする。 すなわち、「危険な関係」「狂った情事」のジャンヌ・ヴァレリー(仏)、「水田地帯」 「狂った夜」のエルサ・マルティネリ(伊)、「黒い稲妻」のマリア・ベルシー(独)、 「アドリアの女海賊」「快傑白魔」のシラ・ガベル(伊)である。 助演者には「パンと恋と夢」「バラ色の森」の二枚目ロベルト・リッソ(伊)、 「バッカスの狂宴「くち紅」の新進男優ピエール・プリース(仏)たちが登場する。 、 監督は、もともと脚本家で「盛装のジュピター」で一本立ちの監督になった 新鋭ダニエレ・ダンツァの第二作である。撮影は長篇記録映画「最後の楽園」の名手 マルコ・スカルペリ。 音楽はデ・シーカの傑作「ふたりの女」や「ローマ・オリンピック一九六〇」の作曲をした アルマンド・トロブァヨーリ。この映画で彼は、モダンジャズのトランペットの名手 チェット・ベイカーたちを使って、全篇に現代感とスピード感を盛りあげている。 | <梗概>
北イタリアの大都会ミラノ。ここはイタリアン・モードの中心地としても知られる
近代都市だが、今日もアラベラ女史のファッション・ハウスでは、きらびやかなショウが
催されていた。見物の紳士淑女たち、特に金持ちの実業家たちの好色な眼は、
衣裳ならぬ美しいモデルたちのピチピチした肉体にそそがれていた。
それもそのはず、ここはファッション・ハウスを表看板に、実は女主人公アラベラが
モデルたちを動かして、ひそかにコール・ガールをやらせている売春組織の根城であった。
ある土曜日の晩、例によってお得意の実業家タヴェッキア氏の依頼で ファッション・モデルのクラウディアが出かけようとしていた。ところがその晩、 人のいい蹴球選手の夫カルロが急に予定を変更して帰宅したので、クラウディアは どうしても外出できなくなってしまった。そこで彼女は、同僚のパオラに連絡して、 代りに男のところへ行ってもらうことにした。 パオラの父はかずかずの勲功をあげた退役の将軍で、彼は誰よりもパオラを愛し、 彼女を信じきっていた。というのも、妻は賭けごとに夢中になって家事をかえりみぬばかりか、 借金ばかり作っているし、パオラの姉はスチュワーデスだが、自分だけのことしか 考えようとしない。事実、パオラは一家の生計の中心となっていたし、誰も彼女の裏面生活を 知らなかったのである。 事件は、この土曜日の夜に起った。まえまえから心臓の悪かった実業家の タヴェッキア氏は、アパートの一室でパオラと情事にふけっている途中、 ・・・ (102分) |