刑 事

<Un Maledetto Imbroglio>   (59年伊)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色


撮影
音楽

<キャスト>
イングラバロ警部
アッスンタ
パルダレーナ
リリアーナ・バンドウッチ

ジュゼッぺ・アマート
ピエトロ・ジェルミ
C・E・ガッダ
ピエトロ・ジェルミ
アルフレッド・ジャネッティ
エンニオ・デ・コンチーニ
レオニダ・パルボーニ
カルロ・ルスティケリ


ビュトロ・ジェルミ
クラウディア・カルディナーレ
フランコ・ファプリーツィ
エレオノラ・ロッシ・ドラゴ
 「刑事」は、さきには「越境者」などの傑作を発表し、「鉄道員」「わらの男」に監督主演し、 万人の胸に限りない感動を与えたイタリア随一の名匠ピエトロ・ジェルミが今度もメガフォンをとり、 自からローマの警察機動隊の警部に扮して主演したイタリア映画初めての犯罪推理ドラマである。
 新進作家中のNO1、C・E・ガツダの「メルラーナ街の奇怪な惨劇」に基き、 或るアパートに相次いで起った強盗事件と殺人事件が、あわや迷宮入りかと思われる一歩手前で ジェルミ警部の名推理に鮮やかに解決されていくこの映画は、二つの事件の被害者に関係のある ローマ市民たちの生活に、ジェルミ一流の冷徹なリアリズムの眼が注がれているところに すぐれた特性があり、ジェルミは、イタリア映画界で最高の栄誉であるローマ批評家最優秀監督賞を得た。
 出演者は堂々たる貫録の名警部振りを発揮するピエトロ・ジェルミを筆頭に、 ロマンチックな美しさに最近ますます磨きのかかった「激しい季節」のエレオノラ・ロッシ・ドラゴ、 「青春群像」「彼奴を殺せ」のフランコ・ファブリチ、イタリア映画界で最も将来を嘱望されている クラウディア・カルディナーレ、新しい肉体女優クリスティナ・ガヨーニ、「鉄道員」「わらの男」で ジェルミと名コンビをうたわれたサーロ・ウルヂー、舞台俳優クラウディオ・ゴーラ、 新人ニーノ・カステルヌオボ、ジャンニ・ムージーなど多彩な顔触れを見せる。
 スタッフは、ジェルミがアルフレッド・ジャネッティとエンニオ・デ・コンチーニと 協力して脚本を書き、撮影はレオニダ・パルポーニ、音楽をカルロ・ルスティイケリと いづ
れもジェルミ作品でお馴染の人々。
 製作はイタリアきっての大プロデューサー、ジュゼッベ・アマートである。 全巻に流れるフラメソコ風の悲痛な旋律はこの映画をより以上強烈に印象づける名曲である。

 <梗概>  ロ−マの古い住宅街の或るアパートで、春の日の昼さがりピストル強盗を押入って大さわぎになった。 被害者はたった独りで住んでいる勲三等と云うアンザローニという男である。 女中のアッスンタは隣のアパートに住むバンドゥッチ家にも、通い女中として働いているが、 強盗がアンザローニをおそった時には、アッスンタはバンドゥッチ家に居たという。
 所轄警察の機動隊警部イングラバロは、部長刑事サーロや刑事オレステと共に乗込んで取調べたが、 奇妙なことにアンザローニは盗難品も大した事はないから、新聞などに出さないでほしいと云って 非協力的である。機動隊到着とともに野次馬の中から逃げようとした青年が、たちまちサーロに 捕えられた。
 この男はディオメデという電気屋で、アッスンタと婚約しているという。サーロ部長刑事は 厳重に調べたが泥を吐かないし、アッスンタは、ディオメデの無実を主張する仕末でらちがあかない。 するとディオメデがイングラバロ警部に、アッスンタを帰すなら2人きりで話すと申出る。 話を聞くとディオメデは盗難時刻にはアメリカ婦人のガイドをしていて、アリバイがあるという。 そのアメリカ女を参考人として呼出すと間違いないことがわかる。そこで犯人は誰か、分らなくなってしまう。 ・・・  (105分)

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