戦場を駈ける女

<Madame Sans Gene>   (61年伊仏西)

<スタッフ>
製作
監督
脚本




撮影
音楽

<キャスト>
カトリーヌ
ルフェーブル
ナポレオン

マレノ・マレノッティ
クリスチャン=ジャック
アンリ・ジャンソン
エンニオ・デ・コンチーニ
ジャン・フェリ
フランス・ソリナス
クリスチャン=ジャック
ロベルト・ジュラルディ
A・F・ラバニーノ


ソフィア・ローレン
ロベール・オッセン
ジュリアン・ベルトー
 「花咲ける警道」「パルムの僧院」「ポルジア家の毒薬」の監督 クリスチャン・ジャックが、「ふたりの女」「エル・シド」 「ボッカチオ'70」など、このところ大活躍のソフィア・ローレンを 主演させた大作である。
 クリスチャン=ジャックは、フランス映画監督には珍らしく、 アクションいっぱいの娯楽作品を得意とする人で、その面白さは定評がある。
 原作は、フランスの劇作家ピクトリアン・サルドゥ(1834〜1908)が、 1893年に発表した「無遠慮夫人」で、既に度々映画や劇になった評判作である。 ここでは、グリスチャン=ジャックが、「花咲ける騎士道」のアンリ・ジャンソン、 「ロード島の要塞」エンニオ・デ・コンチーニ、「私生活」のジャン・フェリや フランス・ソリナスらと共に脚本を書いた。
 フランス大革命(1789〜95)及誓れに続くナボレオン時代、フランスの歴史中、 最も起伏に富んだ興味深い時代背景にして、パリのしがない洗濯女から、 たちまちダンチヒ公夫人にまでのし上がる女の、波乱多い行程を描くこの題材は、 クリスチャン=ジャック監督に、うってつけのものに違いなく、革命大賛成とばかり、 大砲でもぶっぱなしかねない洗濯女の庶民魂や、イタリア戦線にとび込んで敵陣を爆破する 猛女振り、また皇帝ナポレオンに単身殴り込みをかける無遠慮な振りなどを、彼一流の コミカルなタヅチで、痛快に描き上げている。
 主演のソフィア・ローレンは、波乱の運命を勇敢に力いっぱい生き抜く女を 見事に演じている。相手役は「危険な階段」「大運河」などのロベール・オッセンが 活躍する。
 撮影は「歌え!太陽」「女の部屋」のロペルト・ジェラルディ、 音楽は「生きる歓び」「最後の楽園」などのアンジェロ・フランチェスコ・ラバニーノが担当した。
 製作は「豊かなる成熟」のマレノ・マレノッティ。
 <梗概>  パリは大革命でごった返していた。カトーリーヌの洗濯屋の店は、チュイーレリー宮殿の 近くにあったので、商売はあがったりだ。かんじんの洗濯場が革命軍の大砲に占領されてしまったのだ。 持って生まれた庶民魂、彼女も革命大いに賛成だったが、商売を邪魔されてはと、責任者の ルフェーブル軍曹にがなり込んだが、却って離れられない仲になってしまった。
 激しい市街戦が繰返されて、カトリーヌは軍曹の身が案じられてならなかったが、 やがて三色旗は、革命歌と歓声の嵐の中に、王宮高くひるがえって、彼女はルフェーブルの 厚い胸の中に顔を埋めることができた。だが、その喜びもつかの問、軍曹は革命軍に伍して進撃し、 彼女は涙ながらに見送らねばならなかった。
 幾年か後、フランスはナポレオンの世となった。ヨーロッパ征服を目指してナポレオンの 遠征が始まり、ルフェーブルも今では大尉に昇進して、イタリアの原野に進撃、 オースーリア軍と相対した。
 カーリーヌは、夫恋しさにじっとして居れず、軍を追う女たちの群にまじって、 遠く戦場へとやって来た。
 ところが、そんなこととは夢にむ知らないルフェーブルは、女たちの一人と 浮気をしようとしたので、カトリーヌはすっかり腹を立て、夫の弁解に耳もかきず、夕闇の荒野に とび出して行った。ルフェーブルはそれを迫って、ようやく、とある納屋の中で抱き合うことができたが、 夢中で追いかけ廻したため、敵の尾行に気付かず、互いの愛情にひたり合いきれずに 引き立てられて行った。
 2人は敵が占領する部落の風車小屋の中に投げ込まれたが、苦心の末、縛めを切って 身の自由を取り戻すと、大胆不敵な活躍を始め、ナポレオンの総攻撃で、敵陣地を砲列もろとも砕けとばし、まだ硝煙が立ちこめる中から、 全身焼けよごれた2人の人間が転び出て、フランス軍を迎えた。 ・・・  (97分)

inserted by FC2 system