女の部屋

<La Garconniere>   (61年伊)

<スタッフ>
製作

監督
原作
脚色


撮影
音楽

<キャスト>
ジュリア
アルーベルト
ラウラ

ジョルジオ・アドリア−ニ
マリオ・ベルリ
ジョゼッペ・デ・サンティス
ジョゼッペ・デ・サンティス
フランコ・ジラルディ
トニーノ・グエラ
エリオ・ベトリ
ロベルト・ジェラルディ
マリオ・ナシンベーネ


エレオノラ・ロッシ・ドラーゴ
ラフ・バローネ
マリサ・メルリーニ
 「荒野の抱擁」によって、戦後イタリアン・ネオリアリズムの第一人者として 全世界の脚光をあび、「にがい米」「オリーブの下に平和はない」「恋愛時代」 「人間と狼」など次々と多彩な題材を手がけてきたジュゼッペ・デ・サンティス監督の最新作である。
 内容はイタリアの裏街を舞台ととして、過去に幾人かの女と情事をもった中年男と若く美しい女との愛のかけひき、 それを悩む妻との三角関係を描いた愛欲ドラマである。 I
 主演は、エネルギッシュな風貌と堅実な演技力をもち「にがい米」で映画デビュー以後 「白い国境線」「嘆きのテレーズ」「嵐の女」「芽ばえ」「枯葉」など数多くの作品に主演している ラフ・バローネ、「地中海の虎」で映画デビューし、「人間魚雷」「出撃命令」「激しい季節」などの妖艶な ボリュームをもったグラマー女優エレオノラ・ロッシ・ドラーゴ、「パンと恋と夢」で人気を得、56年に 最優秀女優として銀リボン賞≠獲得している「懐しの日々」「みんなが恋している」などのマリサ・メルリーニ、 それに期待の新進女優ゴルダナ・ミレティックが見事なグラマーぶりを発揮している。
 音楽は「鞄を持った女 のマリオ・ナシンベーネか担当している。
 原題のギャルソニエール≠ニは、独身アパートの意であるが、この映画では女を連れ込んで、 ものにするために借りているアパートという意味である。
 <梗概>  アルベルト・フィオリーニは、ローマの中心部に事務所を持つ一流の 建築家だ。年は45歳で、美しい妻のジュリアとの間には2人の子供があり、 家庭は幸福だといえよう。
 早春のある土曜日の午後、事務所を出た彼は、自動車を町はずれに向けた。 土曜日の午後は、いつもならまっすぐ家に帰るのだが、なぜかその日は 家の方へほむかわなかった。しかも、今日はばかに浮き浮きしている。 通りすがりの女に手をあげたり流し目をくれたり、まるで青年のような上機嫌さだった。  車を、建物からすこしはなれたところにとめたアルベルトは、ちょっと あたりを見まわしてから門の鍵をはずし、玄関をはいった。だが、そうした用心深さにもかかわらず、 近くの建物のかげにとめた自動車の中から、妻のジュリアが目を光らせているのに、彼は気づかなかった。
 今日の昼ごろ、聞きおぼえのない女の声で、ジュリアに電話がかかって来た。 アルベルトが独身寮で若い娘と逢曳きするというのだ。名前別を聞いても名乗らず、 「お宅の旦都様と独身寮へ行ったことのある女よ」と答えるだけだった。
 思いがけないことだった。まさかとは思ったが、それでも、ある種の不安を感じずには いられなかったので、親しい友達のプーパに同行をたのんで、事務所からあとをつけて来たのだ。 家庭に、妻に、いささかの不満もないアルベルトが、なぜ浮気をするのだろうか? ・・・(92分)

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