 |
鉄道員＜Il Ferroviere＞ （56年伊） |
|
|
＜スタッフ＞ 製作 監督 原案 脚本 撮影 音楽 ＜キャスト＞ アンドレア サーラ（その妻） サンドロ少年 ジュリア（長女） レナート（その夫） |
カルロ・ポンティ ピエトロ・ジェルミ アルフレード・ジャンネッティ ピエトロ・ジェルミ アルフレード・ジャンネッティ ルチアーノ・ヴィンセンツォーニ エンニオ・デ・コンチーニ カルロ・ミュッソ レオニダ・バルボーニ カルロ・ルスティケリ ピエトロ・ジェルミ ルイザ・デラ・ノーチェ エドアルド・ネヴォラ シルヴァ・コシナ カルロ・ジュフレ |
|
|
「鉄道員Jは、さきに「越境者」などの傑作を発表したイタリア映画界の逸材、
ピエトロ・ジェルミ監督がみずからも主演して、ある初老の鉄道機関士の家庭生活を中心に、
いたいけな少年の純真な眼を通して親子の愛情、夫婦愛、友情の美しさ、強さなどを、
激しい情熱と真情をこめて描いた感動的な名画です。 全篇に流れる温かい人間愛、人生への限りない愛情はすべての人の心を洗い清めるような 爽やかな涙をさそい、現代生活に魂の安らぎと、明日への生きる希望と勇気を与えてくれる 強い力に満ちあふれております。 主演者は、監督のビエトロ・ジェルミが律儀一徹な主人公アンドレアをひたむきに追求する みごとな演技を示して、サンフランシスコ映画祭で〝最優秀演技賞″を得ました。 特に、しばしばこの映画に明るいうるおいとユーモアをもたらし無上の魅力をそえる サンドロ少年には、ジェルミ監督によって200人以上の子供たちの中から運ばれた７才の ローマ生まれの少年エドアルド・ネヴォラが、天使のように純真で無邪気な姿を現わします。 その他、「芽ばえ」で我が国に初登場し「大遠征軍」に主演したグラマー人気女優の シルヴァ・コシナ、「越境者」などの性格俳優サロ・ウルツィ、舞台出の青年俳優 カルロ・ジュフレ等が出演しています。 スタッフは、撮影が「越境者」「大いなる希望」のレオニダ・パルポーニ、 音楽はギター伴奏と合唱で思い出多い「越境者」のカルロ・ルスティケリ等、 いずれもジェルミ作品に多年協力してきた人びとの密接なチームワ－クによるものです。 |
<物語>
50才のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士、アンドレア・マルコッチは、
末っ子のサンドロから英雄のように慕われていた。というのは父親は銀モールに輝く制帽をかぶり、
最新式の電気機関車を運転し、誰よりもたくさん酒を飲み誰よりも巧みにギターを
ひくことができるからである。
だが、長女のジュリアと長男のマルチェロには、厳格で律義で一徹な父親の態度がやりきれなかった。 長女にも長男にも、それぞれ早急に解決しなければならない問題があったから、 この２人がやがて父親と衝突することは避けられない成行きだった。 それを今まで持ちこたえてこられたのも、やさしく献身的な母親サーラがいればこそであった。 長女のジュリアは近所の食料店の青年レナートを愛していたが、すこし前から ２人の仲はしっくりいかなくなっていた。その上、彼女はレナートの子を宿していた。 このことを知って激しく怒った父親は、娘にレナートとの結婚を急がせた。 すべてをあきらめたジュリアは、やがてレナートと結婚式をあげた。 しかし、まもなく彼女が流産してから、夫との仲も、そして実父との仲もうまく運ばなくなってしまった。 長男のマルチェロは、夫の犠牲になハて忍従の生活を送ってきた母親に深く同情していたが、 それだけに横暴な父を憎むあまり、わが家をきらって、町の不良とつきあうようになっていた。 ただ末っ子のサンドロだけが、相変らず無邪気にふるまっていた。少年は幸福を夢見ていたのだ。 ・・・ (118分) |