エロデ大王

<Erode il Grande>   (59年伊瑞)

<スタッフ>
監督
総監督
原案

脚色



撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
エロデ大王
妃マリアム
サーラ
オクタヴィウス
サベリオ将軍

アルナルド・ジエノイーノ
ヴィクトル・トゥルヤンスキイ
ダミアーノ・ダミアーニ
トゥリオ・ピネリ
ダミアーノ・ダミアーニ
フェデリーコ・ザルディ
フェルナンド・チェルキオ
ヴィクトル・トゥルヤンスキイ
マッシモ・ダラマーノ
ジョルジョ・スカルコ
カルロ・サヴィーナ
アントニエッタ・ジータ


エドマンド・バードム
シルヴィア・ロペス
サンドラ・ミーロ
マッシモ・ジロッティ
レナート・パルディー二
 エロデ大王という名は、欧米人がこれを聞く場合、思わず恐怖と嫌悪の情をあからさまに示すのが常である。 紀元前40年から4年までユダヤ王として君臨し、キリスト生誕にまつわる種々の伝説に 重要な役割りを占めて登場する有名な暴君である。例えば、救世主キリストの誕生が予言されたために、 その年に生れたすべての赤子の殺害を命じたほどの冷酷無比な残虐王であり、その名は現代に至るも恐怖と流血の 暗い影を投げかけている。
 映画「エロデ大王」は、この大王の血と狂気と野望に彩られた数奇な半生における圧政と戦い、 愛欲と争斗、陰謀と暴虐を描いた大スペクタクル巨篇で、稔天然色・トータルスコープの雄大な画面にあふれる重量感が、 圧倒的な力と興奮をともなって迫ってくる。
 監督のアルナルド・ジエノイーノ(1909年生れ)はジャーナリスト出身の画家で、「人間魚雷」の美術監督、 カピトルフィルム社の総支配人、"モンド・リーベロ紙≠フ創刊者という多彩な経歴の持主で「エロデ大王」は 彼の第一回監督作品にあたる。彼を援ける総監督は、オールド・ファンに懐かしい「沐浴(ゆあみ)」「黒い瞳」などの巨匠 ヴィクトル・トゥルヤンスキイである。
 主演者は、エロデ大王に「エジプト人」「プロディガル」のアメリカ・スターのエドマンド・バードム、 美しく貞淑な王妃にはパリ生れのロシヤ系肉体女優シルヴイア・ロペスが抜擢され、 また現在イタリア映画界の売れっ子でアンドレ・カイヤット監督の「両面の鏡」に起用されたグラマーのサンドラ。ミーロが主演している。
 そのほか「大いなる希望」のレナート・バルディーニ、「夏の嵐」のマッシモ・ジロッティ等イタリア映画界の代表的二枚目スターが 特別出演している。
 <梗概>  今から約2000年前、キリスト生誕も間近いパレスチナでは、エロデ大王と呼ばれる史上に名高い、勇猛果敢な暴君が勢威を振っていた。 優れた政治家であり、剛勇な戦士でもあった王は、一面、神殿や都市や港の熱心な建設者であった。 しかし、人民を支配する暴虐ぶりは目を覆わしめるものあった。
 王のあまねく勢威は、美姫クレパトラの愛人で、ローマの武威代表するアントニオとの同盟にるものであった。 だから、アクチウムの戦いで、アントニオの軍がシーザーの養子オクタヴィウスのローマ軍団に敗れ去った時、 ユダヤ王エロデの王位はまさに風前の灯であった。
 陰謀や裏切りが王宮内に発生し王が自己の名誉を保つためには、もはや自ら命を断つより他にないうにみえた。 オクタヴィウスは敵を決して許さない将軍と思われいたからである。しかし、エロ王の権力に対する執着と 美しい王妃マリアムに対する異常なまでの偏愛が、王をしてローマの新らしい支配者オクタヴィウスのもとへ赴き、 彼の許しを得ようと決心せた。
 出発に先立ち、王は腹心の部下や王宮警備隊長のアロンを秘かに呼び、命令を与えた。それは、恐しくも残酷な命令だった。 もし自分が帰国しなかった場合には、王マリアムを殺害せよというのだ。王の彼女に対する愛情は、むしろ狂気に近く、 嫉妬心はあくまでも強烈だったからだ。
 王が書オクタヴィウスのもとに行くことになったため、一時、陰謀は挫折したかに見えた。が、王が出発するやいなや、 陰謀は再び燃えさかった。マリアムの母、アレッサンドラはかねがねエロデを嫌い、彼を王位を奪った裏切者と考えていた。 ・・・   (99分)

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