好敵手<The Best of Enemies> (62年伊) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作 脚色 撮影 美術 音楽 編集 <キャスト> リチャードスン少佐 ブラジ大尉 バーク大尉 | ディノ・デ・ラウレンティイス ガイ・ハミルトン ルチアノ・ヴィセンツォーニ ジャック・パルマン ジュゼヅぺ・ロトゥンノ マリオ・ガルブリア ニノ・ロータ バート・べイツ デビッド・ニヴェン アルベルト・ソルディ マイケル・ワイルディング |
世界で最もユーモアを解する男はイギリス人で、最も興奮しやすい多血的な男は
イタリア人だといわれている。
今次大戦、東アフリカのアビシニア(エチオピア)戦線の緊迫みなぎる砂漠の最前線で交戦中の 英・伊南軍部隊長が互いに敵視し、イギリス魂とイタリア魂をぶつけ合いながらも、 次第に友情に結ばれて行く課程を描き、総てを破壊する戦争のなかに ヒューマンな男の思いやりを感動的に盛り上げた異色の傑作である。 イタリアの小説家ルチアノ・ヴィンセンツォーニの傑作評判小説の映画化で、 主演は「ナバロンの要塞」のデビッド・ニヴェン、「戦争」「青い海岸」のアルベルト・ソルディ。 ニヴェンはゴルフのクラブを戦場にまで持込む、いかにも英国人らしい陸軍少佐を、 またソルディは意地っ張りで、すぐ頭に来るイタリア人気質まる出しの大尉をそれぞれ好演。 他に「六年目の疑惑」のマイケル・ワイルディング、「悪魔の弟子」のハリイ・アンドリュウス、 「恋はすばやく」のアメデオ・ナザーリ、「栄光への脱出」のデピット・オパトシュ等、 英・伊のベテランが顔を揃えている。 製作は「道」「仝艦船を撃沈せよ」や「アイ・ラブ、ユー・ラブ」や 70ミリ「バラバ」等のイタリア映画界の鬼才ディノ・デ・ラウレンティイス。 監督は「悪魔の弟子」のガイ・ハミルトンで味のある演出を見せ、 脚本はジャッグ・パルマン。音楽は「太陽がいっぱい」のニノ・ロータ。 撮影はイタリアの名手ジュゼヅべ・ロートゥンノである。 | <梗概>
1941年。アビシニア戦線のある朝。バーク大尉の操縦する英軍偵察機が砂漠を飛んで来た。
その時、彼は面白いものを見つけ、リチャードスン少佐を振り返った。
「少佐、あそこにお供を連れたスパゲティ喰いの二足動物が一匹います。嚇してやりましょう」
潅木の梢すれすれに飛ぶ機上から乗り出すようにして、少佐はイタリア軍の将校にXサインを送った。 地上のブラジ大尉は、この攻撃≠ノ腕を振り上げてどなった。 「卑怯者め、降りて来て戦え!」 これが2人の最初の出会いだった。 当時、英・伊両軍はゴバにおいて激戦中だったが、戦局は英軍に優利で、イタリア軍は後退を始め、 全軍を再編成すべく集結中だった。リチャードスンの偵察任務は敵撤退前のテガシオア砦の地点 確認だったが初回の飛行では発見できず、敵の1人をからかっただけに終った。 その日、日没直前に、フォルナリ少佐の率いるイタリア軍部隊はテガシオア砦を後に、 集結地エグア・ダバに向かって出発した。ブラジ大尉は、再発したマラリアに悩まされながら 目的地までの4昼夜を行軍するのかと思うと、うんざりした。 翌朝、小休止しているところへ、英軍の偵察機が飛来した。しかしエンジンに故障を起したのか、 機は目の前に不時着、炎上した。リチャードスン少佐とバーク大尉は幸運にもたいした傷も負わなかったが 当然の成行として捕虜となった。・・・ (104分) |