潜行突撃隊

<La Donna che Venne dal Mare>   (57年伊)

<スタッフ>
監督・原案
シナリオ


撮影

音楽

<キャスト>
ダナエ
ボルディジン
オコンナー

フランチェスコ・デ・ロベルティス
マッシモ・フランチオーサ
バスクアーレ・F・カンパニーレ
フランチェスコ・ロベルティス
エンツォ・セラフィン
カルロ・カルリーニ
ピエロ・モルガン


サンドラ・ミーロ
ヴィットリオ・デ・シーカ
ピーター・リン
 アクア・ラングを身につけて海中にもぐり、敵艦船を肉弾攻撃する特殊部隊、フロッグメン(蛙兵)を措いた映画は、 イタリア映画「人間魚雷」が最初だが、この「潜行突撃隊」は、黙々として海底戦に身を挺した イタリア海軍特攻部隊の活躍を中心に、英軍港ジブラルタルをめぐって火花散る激烈なスパイ戦を描いたものである。
 主演者のサンドラ・ミーロは「青い牡馬」「ロベレ将軍」などで知られる伊映画界屈指のグラマー女優、 ヴィツトリオ・デ・シーカは「靴みがき」「自転車泥棒」「終着駅」の名監督であるとともに「パンと恋と夢」 「ロベレ将軍」などの名優であることは衆知の通りである。
 監督のフランチェスコ・デ・ロベルティスは第二次大戦中、ロベルト・ロッセリーニの師匠として シナリオや演出の指導に当ったヴュテランで、戦争映画の巨匠(「海底の人びと」や「アルファ・タウ」は特に有名)であるが、 戦後の作品「混血児アンジェロ」はわが国でも公開された。
 撮影は「ロベレ将軍」「ローマで夜だった」のカルロ・カルリーと、「ローマの女」のエンツォ・セラフィンの2人。 音楽は「芽ばえ」「三月生れ」 のピエロ・モルガンの作曲である。

 <梗概>  1940年夏、第二次大戦は次第に激烈の度を加え、戦火はヨーロッパ各地に波及しつつあった。 地中海と大西洋を結ぶ接点に置かれた軍港ジブラルタルは、その地理的位置のために、 英国海軍最大の戦略の要衝であった。
 このジブラルタル港の正面、小さな湾をへだててスペインの古風な田舎町アルヘシラスがあった。 眠ったように静かだったこの町に、とつぜん各国のスパイが流れこみ、得体の知れない人間たちのために 町は不気味な雰囲気に包まれていた。
 ジブラルタル港に寄港する英国の輸送船団攻撃にあたったのは、イタリア海軍が誇る人間魚雷隊の精鋭だった。 アルヘシラスのイタリア領事ボルディジンは、町中きっての色事師として知られていたが、 そうして人眼をくらましながら、実はひそかに人間魚雷隊の作戦指揮にあたっていた。作戦に一役買ったのは、 美しい女諜報部員ダナエだった。彼女は、観光客を装おい、小さな帆船でアルヘシラス港に現われた。 女好きの領事の恋人役として彼の行動を援助すること、それがダナエの役目だった。
 人間魚雷隊は、潜水艦シレ一号を基地に、ジブラルタル港に碇泊する英国船団にいくたびとなく 襲撃をしかけていたが、英国側の警戒は次第に厳しくなり、いまや潜水艦で港に接近するのは ほとんど不可能になっていた。潜水艦以外の場所に基地を設けることこそ急務であった。
 折も折、アルヘシラス港にはオルテラ号〃というイタりア船が沈んでいたが、その引上作業に イタリアから技帥ヌッツィが招かれた。これも実は敵の眼をくらますための作戦であり、 この技師こそ人間魚雷隊のダリオ大尉だった。 ・・・     (96分)

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