壮絶鬼部隊<El Alamein> (58年伊) |
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<スタッフ> 製作 監督 脚本 撮影 音楽 <キャスト> セルジョ・マルキ ナンシー ムーア大尉 ブルスキ大尉 |
ガルソン・グリエルメティ グイド・マラテスタ ガブリエレ・シルヴェストリ アンジェロ・デ・ジリオ グイド・マラテスタ ルチアーノ・トラザッティ ロベルト・ニコロージ ガブリエレ・ティンティ ロッサナ・ローリ ピエール・クレソワ ファウスト・トッツィ |
第二次大戦中、北アフリカ戦線で連合軍を大いに悩ましたドイツの勇将、ロンメル麾下の独伊枢軸軍は、
1942年10月24日の払暁から圧倒的に優勢な英軍の猛攻を受け、以来西へ西へと敗走を続けて、
やがて枢軸軍の北アフリカ作戦も全面的に潰滅するに至ったのである。
北アフリカ戦線の関ケ原ともいうペき大会戦は、エジプト海岸近くの砂漠地帯エル・アラメインで激烈に展開した。 この映画は、エル・アラメインの一地点に孤立し、悲壮きわまる全滅をとげたイタリア対戦車部隊の凄絶な肉弾戦を描くとともに、 悲劇的な戦闘にまきこまれた兵士たちの不屈の闘魂と人間性をみごとに浮彫りにしている。 特に50分間にわたる戦闘シーンは、シネバンスコープの大画面一杯に展開し、その迫力と壮絶さは他の戦争映画に比を見ない。 主演者は、カルロ・リッツァーニ監督の問題作「不幸な恋人たちの年代記」で抜擢きれた、有望な二枚目スターの ガブリエレ・ティンティ。脚本家であると同時に「街は自衛する」「空挺部隊」「南十字星の下」などに出演した ファウスト・トッツィ。「純愛」「ヨーロッパ一1951年」で認められアメリカ映画にも出演した美人女優ロッサナ・ロ−リ。 それに「人間魚雷」「出撃命令」と伊映画界で活躍するフランス男優ピエール・クレソワの4名である。 この映画は新進監督グイド・マラテスタの第一回作品であるが、その成功は撮影者のルチアノ・トラサッティに負うところが大きい。 彼はすでに「ユリシーズ」「侵略者」「青春群像」などの大作を手がけているベテランである。音楽は、「大遠征軍」 「エロデ大王」のロベルト・ニコロージの作曲になるものである。 | <梗概>
1940年の春、第二次大戦もいよいよ激烈な様相を呈し始めたが、イタリアはまだ参戦していなかった。
ここ北伊の海岸行楽地ヴィァレッジョでは、今や恒例の謝肉祭がたけなわで、町はお祭り気分に湧きかえっていた。
この雑踏する大通り、あるナイトクラブの前で、偶然、2人の若い男女が知りあった。
青年の名はセルジョ・マルキ、イタリア有数の富家の一人息子で、女はナンシー・カーソンという美しい英国の歌手であった。
2人は忽ち激しい恋におちいった。
ところが、その年の6月10日イタリアは枢軸国ドイツの要請をいれ、イギリスに対して 宣戦を布告した。セルジョはただちに招集を受けた。ナンシーは交換船によって本国へ帰らねばならなくなったが、 愛するセルジョの身をおもって、敢然と敵地にふみとどまった。 やがて、セルジョは見習士官として歩兵部隊に編入され、激しい訓練を受けていった。 ナンシーは彼に一目なりとも会いたいと、演習中の部隊にセルジョを尋ねていった。ところが、 セルジョの上官のブルスキ大尉は、この面会を許可しなかった。軍人精神に徹した大尉は、 部下が敵国の女性と会うなどということはとても許せなかったのである。 それ以来、セルジョと大尉との間に微妙な感情の隙間ができていった。 かくしてブルスキ隊は、北アフリカ戦線、エル・アラメイン前方の辺ぴな砂漠地帯に駐屯を命ぜられた。 もはや生還は期しがたい。再び生きてナンシーに会えるだろうか、彼女は今頃どうしているだろうか、 セルジョは迫りくる戦闘を前に、愛するナンシーの面影を追っていた。 ・・・ (分) |