制服の処女

<Madchen in Uniform>   (58年独)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚本
撮影
音楽

<キャスト>
フォン・ベルンブルク先生
マヌエラ・フォン・マインハルディス
校長先生

ヘルムート・ウンガーラント
ゲザ・ラドバニ
クリスタ・ウィンスロー
フランツ・ヘラーリング博士
ウェルナー・クリーエン
ペーター・ザンドロフ


リリー・パルマー
ロミー・シュナイダー
テレーゼ・ギーゼ
 「制服の処女」は第一次世界大戦直前の1910年ころ、軍国主義はなやかなりしドイツにおいて、 よりよき軍人の妻、軍人の母を育成しようと、厳格さと規律のみで子女を教育した当時の風潮に対する、 子女教育の誤りを指摘すべく、クリスタ・ウインスロー女史が書いたベストセラー小説である。
 この小説は今から27年前の1931年、映画化され、 これが1933年日本で公開されるや、当時の女性、特に今の言葉で言うハイティーンの女学生の あいだに、一大センセイションをまきおこした。
 さてこの往年の名作「制服の処女」は27年後の今日ふたたび色彩を得て映画化された。
 監督には「ヨーロッパの何処かで」のハンガリー出身の名匠ゲザ・ラドバニ。主演は イギリスの名優レックス・ハリソンの元夫人であるオーストリヤ生れの美人女優リリー・パルマーと、 かつての名女優マグダ・シュナイダーとウォールフ・アルバッハ=レティのあいだに生れた ロミー・シュナイダーの2人。リリー・パルマーはつとに舞台女優としてロンドンの舞台で活躍し、 さらにテレビと映画にも出演している。ロミー・シュナイダーの方は、初めは母親といつしよに 端役として何本かの映画に出演していたが、「白いライラックの花ふたたび咲く頃」 「花火」「王妃若かりし頃」あたりから主演クラスとなり、ババリアのエリザベス王女を主人公にした 「シシー」の三部作では、ハイティーンの人気を一身に集めた。この「制服の処女」は、 「わたしの可愛い人」に次ぐ彼女の最新作である。
 助演陣には「戦場の叫び」で紹介されたテレーゼ・ギーゼはじめ、独仏の女優が集められて、 この女性ばかりの映画に多彩な国際色をそえている。
 <梗概>  それは1910年の秋のある日のことだった。マルクブランデンブルクの美しい木立につつまれた野道を、 ポツダムに向って走る一台の馬車があった。黙々とならんでゆられているのは2人の女性。 いかめしい顔つきの婦人は、フォン・エーレンハルト男爵夫人。そばで淋しげに考えこんでいるのは つい先日、やさしい母親に死なれた、今年16才のマヌエラ・フォン・マインハルディスだった。 伯母にあたる男爵夫人は母をなくしたマヌエラを上流社会の女性に育て上げるために厳格な教育と しつけで知られる、ポツダム郊外のミッション・スクールの寄宿舎へ入れることにしたのだ。 美しくてやさしかつた母、その母の新しいお墓に別れを告げたマヌエラは、 つきぬ母への思い出にふけりながら馬車にゆられていた。
 学校に着いた2人は、見るからに頑固で厳格そのもののような、年とった校長先生に迎えられた。 伯母はマヌエラをのこして、さっさとかえって行った。生れて初めて家族と別れて独りぼっちになった マヌエラは、さっそく制服に着かえさせられると、すべてが今までとちがった規律の壁にとじこめられた、 女ばかりの生活をすることになった。
 マヌエラが配属された寝室は、何人かの女先生たちの中でもひときわ美しくて 全校生徒のあこがれの的である、フォン・ベルンブルク先生の受持ちの部屋だった。
 フォン・ベルンブルク先生は、規律一点ばりで未来の軍人の妻となり軍人の母となるべき 若い娘を教育しようとする校長先生や、その校長先生におべっかをつかっている 他の先生がたの中にあって純情でものを想う年頃の娘の教育には、理解と愛情をもって当ることが 絶対に必要であるという信念をもっていた。・・・
    (95分)

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