朝な夕なに

<Immer wenn der Tag beginnt>  (57年独)

<スタッフ>
製作
 監督
原作
 脚本

撮影
音楽
編集

<キャスト>
ハンナ・ブルクハルト
ヴォルフガング・コーネリウス
マルチン・ヴィーラント
ヴィーラント夫人
ヴァルター・ローマン
ザボトケ

ウッツ・ウターマン
ヴォルフガング・リーベンアイナー
ゲオルク・フルダレック
ヴォルフガング・リーベンアイナー
ウッツ・ウターマン
ウェルナー・クリーン
フランツ・グローテ
マーゴット・フォン・シュリーフェン


ルート・ロイヴェリック
ハンス・ゼーンカー
クリスチャン・ヴォルフ
クリストル・マルダイン
ハンス・ライザー
フリードリッヒ・ドミン
 「菩提樹」で多くのファンを獲得したドイツ映画界きっての人気女優ルート・ロイヴェリックの最新作。 監督も「菩提樹」以来数作でロイヴェリックと名コンビをうたわれているドイツ映画五大巨匠の一人 ヴォルフガンク・リーベアイナー。ロイヴェリックが演じる九年制ハイスクールの先生を主人公に、 ちようど少年期から成人への転換期にある感じやすい少年たちとの間の師弟愛、恋愛感情、 先生の教育に対する熱意、生徒たちの友人愛や発刺たる生態などを、鋭く、 しかも心暖るタッチで描いた名作。撮影に当っても、ミュンヘンに新築されたばかりの ハルトルフ・ハイスクールにロケを敢行、学校の場面は室内といえどもセットを使っていない。
 ロイヴェリックをめぐって、「題名のない映画」の老巧ハンス・ゼーンカーと、 太陽もので売り出したとはいえ清純な二枚目として人気躍進の新人クリスチャン・ヴォルフ、 さらにハンス・ライザー、フリードリッヒ・ドミンなどの腕達者が助演している。
 原作はゲオルク・フルダレックが書き卸した映画小説で、リーベン・アイナーと プロデューサーのワッツ・ウターマンが共同脚色、撮影のヴェルナー・クリーン、 音楽はフランツ・グロ−テはともにリーベン・アイナー一家として彼の数作を手がけている。 色彩顧問のアルフォルト・E・アイゼマンは写真作家として名高く、映画は「枯葉」を手がけている。  洋画界の雄NCCがすべてのフアンに贈る伝統ドイツ映画の話題作。


 <物語>  若く美しいハンナ・ブルクハルト博士は、先生と生徒との間はもっと密接な、 人間的な親しみによって結ばれるべきだ、という現代の教育者なら誰でも持つ意
見を持っていました。 しかし彼女が前にいた学校では、それが頭の古い先生方に容れられず、 二度ばかりこうしたトラブルを起したあげく、教育局長ハンケ教授の好意で最後のチャンスを与えられました。 そのチャンスとは、シラー高校への転勤でした。
 ハンナがこのドイツが誇る偉大な詩人の名を冠したこの男子九年制高校に赴任してきたのは、 新学期の或る日のことでした。彼女はたったひとりの女教師でしたが、教育熱心を買われて、 最も責任がある最高学年九年生の数学と物理化学を担当することになりました。 クラスの生徒たちは、彼女から見れば可愛い少年たちでしたが、ちょうど精神的にも肉体的にも 少年期から一人前の青年に発展していく過渡期にありました。彼女はクラスでも成績がよく、 皆から信頼されているマルティン・ヴィーラントという少年を仲介にして、 皆と親しくしようと試みたのでした。
 彼女は偶然のことからマルティンと同じ家に下宿することになったのです。 彼は背がひょろ長い、夢みがちな青い瞳の少年でした。家庭も裕福で、何一つ不自由なく育ったように 見受けられました。しかし、彼の両親は別居し、マルティンは、暖い家庭的な雰囲気に飢えていました。
 校長のヴォルフガンク・コルネリウス先生は温厚な人格者でしたが、教育に対する考え方だけは やはりハンナと異っていました。彼は、教育者は知識の仲介をするだけであって、 生徒各自が将来職業につく上に必要な教育をすれば事足りるものであり、 たとえどのようなことがあっても生徒の私生活には立入るべきではなく、そのようなことは生徒自身や 親に任せておけばよいとハンナに忠告するのでした。 ・・・    (102分)

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