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黒い稲妻＜Der Schwarze Blitz＞ （58年独） |
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＜スタッフ＞ 製作 監督 脚本 撮影 音楽 編集 ＜キャスト＞ ミヒャエル・キルヒナー グレートル・ミッテルマイヤー ウシー・バウアー ヘルベルト・タナー アンディ |
ゲオルグ・リヒクー ハンス・グリム フランツ・ガイガー クラウス・ロイテンフェルト フランツ・グローテ アネターゼ・シュンネンペック トニー・ザイラー マリア・ベルシー ワルトラウト・ハース ディートマール・シェーンハー オリバー・グリム |
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オーストリアが世界に誇るスキーの英雄トニー・ザイラーが、銀幕に颯爽と登場するこれ
は第２回主演作。彼は初出演の「一片の空」とこの「黒い稲妻」の２本により早くも映画スターとしての
地位を確立し、その若さと男らしい風貌は、特に女性の間に爆発的な人気をよんでいる。
「黒い稲妻」でザイラーは、若い女性の心を捉える弾丸のように早いスキーヤーを演じ、 行きとウインタースポーツの中で彼が見せる至芸と天性の一片とを併せて再現している。 清純な美しさを持つマリア・ベルシーが、ホルスト・ブーフホルツと共演の「湿った鋪道」に次いで出演し、 魅力溢れる性格女優ワルトラウト・ハースと競っている。 監督はハンス・グリム、彼のもとで息子のオリバー・グリムが偉大なトニーの小さい友達を演じるほか、ディート マール・シェーンハー、ブィクトール・スクール、ハインクッヒ・グレートラーなどが幅の広い演技 を見せている。 「私の可愛いい人」で注目された黒人歌手オリーブ・ムアフィールドが歌う情熱的なメロディーが 素晴らしい。脚本を書いたフランツ・ガイガーと撮影監督のアリ・フォン・エルフェルスドルも俳優 として出演している。 全篇を流れるすばらしい音楽は、「真夜中のブルース」のフランツ・グローテが作曲し、 名手クラウス・ロイテンフェルトが撮影した風光明媚なテロル地方の雪景色と共に印象深 いものである。 | <物語>
セント・フロリアンには今年もスキーヤー達が続々とつめかけていた。ここで大工をしている
ミヒャエルは、男らしい、輝くばかりの若さを持つスキーの名手であり叉、すべての若い女性の憧れ
の的でもあった。漆黒のスキーウエアーを着たミヒャエルが、白銀のスロープを羚羊のような早さ
で滑るのを見て人々は、彼を〝黒い稲妻" と呼んでいた。
ミヒャエルを深く愛している金持の娘ウシーは今年もセント・フロリアンにやって来たが、昨年 と違って、ミヒャエルがつとめて彼女を避けようとしている事を、ウシーは敏感に感じとるのだった。 事実、彼はホテル "エーデルワイズ" で秘書の仕事をしている美しいグレートルに、初めて真剣に心を寄せていた。グレートルは、、、ヒヤ エルが彼女に近づこうとしているのを知ってはい たが、ミヒャエルはスキーをはいたカサノバだと思っていたので、つとめて冷淡な態度モとっていた。 只、ミヒャエルがホテルの料理人を叔母に持つ、小さいアンディにやさしくしているのを見る と、彼もまんざらではないと思った。 有名なハーネンコーフェルのスキー競技会が近づくにつれて、セント・フロリアンには各国から 名選手が次々と集まって来た。その中には、かつてのチャンピオン、ヘルベルト・タナーの姿も見えた。 タナーは数年前、ある金持ちのアメリカ女性の誘惑に負け、生れ故郷のセント・フロリアンを去ったが、 安逸な生活に飽き飽きして、舞い戻って来たのだった。・・・ (96分) |