私生活

<Vie Privee>   (62年仏伊)

A Very Private Affair
<スタッフ>
製作
監督
原案

脚色


撮影
音楽

<キャスト>
ジル
ファビオ
グリーシャ
セシル
カルラ
ディック

クリスチーヌ・グーズ・ルナール
ルイ・マル
ジャン・ポール・ラブノー
ルイ・マル
ジャン・ポール・ラブノー
ジャン・フェリ
ルイ・マル
アンリ・ドカエ
フィオレンツィ・カルピ


ブリジット・パルドー
マルチェロ・マストロヤンニ
グレゴアール・フォン・レッツォーリ
エレオノラ・イル
ウルスラ・キュプレ
ディック・サンダース
 ルイ・マル監督と云えば「死刑台のエレベーター」「恋人たち」「地下鉄のザジ」など、 一作ごとに注目を浴びてヌーベルバーグの第一人者と目されているが、その彼が 常日頃紙上を賑わせている話題の女性ブリジッド・バルドーと取り組むとあって、 一作ごとに変貌成熟を云々されるマル監督が再びどんな転身を見せるか、どのようなバルドーを 描きあげるかと製作前からこの映画は評判を呼んでいた。
 この映画は、スイスで何不自由ない生活を送っている少女が、 そんな生活に飽きたらず、パリにとび出し、バレエダンサー、モデルなどをしているうちに、 映画のトップ・スターにのしあがるが、その人気の華やかさに比べ、私生活の上で大きな犠牲を 払わなければならないという、人気スターの生活を裏から覗いた悲劇である。
 撮影は、スイスの国際的な都市ジュネーブの市街や、レマン湖畔の別荘地、パリ、 イタリア半島の中心部にある美しい町スボレートなどにロケーションされ、画面に 美しさを、悲劇に真実性を与え、特に効果をあげている。
 撮影監督は、「恋人たち」「太陽がいっぱい」のアンリ・ドカエ。 音楽は、「地下鉄のザジ」のフィオレンツィ・カルビが担当。装置は、「恋人たち」 「女は女である」などのベルナール・エバンというお馴染の顔触れ。
 主演は、パルドーのほかに「恋愛時代」「白夜」「甘い生活」のマルチェロ・マス一ロヤンニが 相手役をつとめ、彼等をめぐって「プラッグ・タイツ」のディック・サンダースをはじめ、 映画では新しい人々が多数出演している。 更に監督のルイ・マルほか、製作マネージャーのフレッド・ジュラン、 音響技師のウィリアム・シベル、スチールマンのポール・アポトケなどが特別出演している。
 <梗概>  金髪を豊かになびかせているジルは、のびのびと育った。父親には早く死に別れたが、 それが少しのかげりも落していない屈託のない明るい生活だった。
 スイスの都ジュネーブにほど近いレマン湖畔の美しい木立に囲まれた豪華な別荘で 母親セシルや召使いたちと一緒に、楽しい日々を送っていた。
 そんなジルにも悩みがあった。イタリア生まれで、舞台演出家志望の青年ファビオを秘かに愛して いるのだが、相手の方はジルの気持を知っているのかいないのか、舞台の勉強にばかりうちこんでいて、 一寸も振り向いてくれないからだ。
 自転車をのりまわし、山羊と戯れる無邪気な生活の中でも、とりわけジルはダンスが大好きだった。 友達のカルラや振付け師を志すディックと町のバレエ教習所に通って稽古にはげんでいたが、 ジルの気持をよそにファビオはカルラと結婚してしまった。こんなことがあって、ディックが 振付けの仕事でパリに出た時、半ばやけ気味にジルも家をとび出して同行した。 ジュネーブの静かな生活を脱ぎ捨てて新しい世界に生きようと決心したのだ。
 パリは一目でジルを捕えた。ジルはディックのバレエ団に加わるが、トラブルを起してやめ、 写真のモデルに転ずるとその新鮮な肢体が次々と大雑誌の表紙を飾るようになった。 このラッキーな転向は更に彼女を映画の世界に導き、女優になるなどとは思いもよらなかったジルを 世間はまるでお構いなしに寄ってたかってスターの座に据えつけたのだった。
 こんな彼女に慕い寄る男達も多く、中でも次々と共演する男優とのスキャンダルがジャーナリズムを 賑わし続けた。一挙手一投足がすべて新聞ダネとなり、新聞は勝手にはやし立て、批判した。 ・・・  (105分)

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