太陽のはらわた

<Les Tripes au Soleil>   (58年仏)

<スタッフ>
監督・脚本
撮影
音楽

<キャスト>
スタンリー
ボブ
ヴェシー
司祭

クロード・ベルナール・オーベール
ジャン・イスナール
アンドレ・オディール


グレゴワール・アスラン
ジャック・リシャール
トト・ビサンス
ギイ・トレジャン
 フランスの新鋭監督クロード・ベルナール・オーベールが24歳の時作った 『ショックのパトロール』に続く第二作。アフリカの植民都市を背景に、 かつての繁栄を夢見て優越感だけは忘れない白人と、貧しい鳥人との対立を赤裸々に描いたもの。 本国では60年に公開されたが、当時はアルジェリア問題でフランスが深刻に悩んでおり、 凄まじいリンチ描写や黒人が白人女を買うという刺激的な場面が政治的解決をおくらせるのを恐れ、 政府は海外への輸出を禁止し、その上国内でもパリ以外での上映を禁止するという 従来の黒人をとりあげた如何なる作品よりも強い処置を受けたという曰くつきの映画である。
 脚本はクロード・ベルナール・オーベールが書き卸し、撮影はジャン・イスナールが 白黒トーンの対比に見事な切れ味を見せ、強烈なモダン・ジャズを駆使した アンドレ・オディールの音楽と共に異様な雰囲気をかもし出している。
 出演者は「宿命」「コンクリート・ジャングル」のグレコワール・アスラン、 「マリー・アントワ・ネット」のギー・トレジャン、それに、トト・ピサンスや 「空と海の間に」のドゥドゥ・バベ等の黒人スタアが演技を競っている。
 <梗概>  シカダは灼熱の太陽が照りつけるアフリカ大陸の高地に位置する小さな町である。 ここには白人が黒人を差別する、厳然たる人種偏見があり、肌色の違う者同志が 顔を合わせるのは教会か学校に限られていた。
 今日も好奇とアバンチュールにシカダを訪れた一団の観光客が、その異様な 雰囲気に圧倒されて逃げるように引き上げて行く。
 トレシャン司祭が教鞭をとる学校の教室では、第二次大戦より勇士の凱旋をした 白人青年ボブ・スタンリーが、ニグロ娘のヴェシー・バンスに愛の眼差しを送っている。 そしてボブが贈ったプレイスレットに、ヴェシーは嬉々として夜のデイトを約束した。
 汗で黒い肌を光らせながら、ニグロ楽団が演奏するモダン・ジャズの調べに合わせて踊る ポブとヴェシーは固く抱擁したが、突然身体を離したボブは白人の空しい名誉と誇りを失なうのを恐れ、 ヴェシーに無残な屈辱を与えてしまった。
 その夜、白人住居地の上町と黒人スラム街の下町とを明確に区別する門″を破って、 ポブへの復讐を誓う黒人が上町へ殴り込んだが、・・・  (102分)

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