札束がすべて<Du Rififi chez les Femmes> (59年仏) |
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<スタッフ> 監督 原作 脚色 撮影 音楽 <キャスト> ビッキー マルセル ウィリアムズ ベルト ル・ピラト(海賊) ヨコ バッグ |
アレックス・ジョフェ オーギュスト・ル・プルトン オーギュスト・ル・プルトン他 ピエール・モンタゼル ルイギ ナディア・テイラー ロベール・オッセン エディー・コンスタンチーヌ フランソワーズ・ロゼエ ピエール・プランシャール シルビア・モンフォール ロジェ・アナン |
この映画は、夫々女の首領を擁して相対する二組のギャング団が、プラッセルの恐喝団を
自分たちの味方にひき入れるため争斗するという、ギャング映画の異色迫力篇である。
原作は、先にわが国で公開された「男の争い」「筋金を入れろ」「街の仁義い義」「赤い灯をつけるな」など、 パリの暗黒街、ミリユウを舞台とした多くの著書を書下している代表的な暗黒小説作家 オーギュスト・ル・ブルトンである。彼の独特なハード・ボイルド・タッチには、掠奪、 人質事件、殺人などの暴力描写に、異様な迫力とドラマティックな要素が盛られている。 監督には、フランスの中堅監督として鋭い表現力に定評のあるアレックス・ジョフェが当り、 撮影は「巴里の不夜城」のピエール・モンタゼル、音楽は「眼には眼を」のルイギが担当している。 主演は、「夜の放蕩者」のナディア・テイラー、「殺られる」のロベール・オッセン、 「巴里の不夜城」のエディー・コンスタンチーヌ、「パルテルミーの大虐殺」のフランソワーズ・ロゼエ、 「田園交響楽」のピエール・プランシャール、「双頭の鷲」のシルビア・モンフォール、 「宿命」のロジェ・アナンなどの豪華キャストが競演している。 <梗概> 良家の子女として育ったビッキーも、今日ではミリユウに巣喰う女やくざの首領として幅をきかせ、 プラッセル河岸に繋留されている大型平船を改造したデラックス・キャパレーの所有者である。 その生活には色恋沙汰など薬にしたくも無く、金に対する異様な執着だ | けが目立っている。
戦時中破産という恐怖を蒙った彼女は、当時の苦しみと軍による食糧統制という悪夢の思い出に、
キャバレーの名を「ラションK」としていた。独立を保証して呉れる金こそ、
男に対する城砦の役目をも果してくれるのだった。
ところが、ブラッセルではアメリカを追われたギャングの親分バッグというイタリア人が 権力を欲しいままにしていた。彼もまた「ベルティージュ」というキャバレーを経営するかたわら、 酒場の経営者たちをなかば脅迫して、彼等の店を安く買い取っているのだった。 ビッキーは彼等の申し出を拒否し、脅迫を鼻であしらってはいたが、矢張り心配で、 信頼しているジェイムズに心をわって打明ける。 イタリア人ギャング共には知られていないが、船艙には秘密の印刷所が活動し、 偽紙弊が造られているのである。パリを根城に暗躍する国際的山師ル・マルキ(侯爵)をはじめ、 急遽南米から引き上げて来た「青あざ」のマルセル、更には、 オールド・ブラッセルで居酒屋を営むベルト等と組んで、大仕事を計画中のビッキーなのである。 向う一週間は是が非でもイタリア人ギャングとの大喧嘩は避けねばならないのだ。 しかし、バッグの情婦ヨコのビッキーに対する憎しみはますます増大し、 或る夜、輩下の女達を連れて「ラションK」へ乗り込んで来る。ジェイムズの機転で一時は難を逃れたかに見えたのも束の間、 バッグ一味の殺し屋共が押しかけ、「ラションK」はさんざんに荒されてしまう。 しかし、折よく来合わせたマルセルのおかげで、秘密印刷所は辛うじて救われる。・・・ (107分) |