鉄路の斗い

<Bataille du Rail> (46年仏)

<スタッフ>
製作
 監督・脚本
撮影
 音楽


<キャスト>
出演

フランス映画総同盟
ルネ・クレマン
アンリ・アルカン
イーヴ・ボードリエ



パルナゥル、クラルウ、ドーラン、デサニョウ、ジュウ、ロトウル、トニー・ローラン、 ルレー等、フランス国鉄労働者
 映画「鉄路の斗い」はフランス映画総同盟が企画・製作した。 それに「レジスタンス・鉄」と呼ばれたブランス国鉄労働者の抵抗組織が製作に協力した。
 「鉄路の斗い」は、「レジスタンス・鉄」の英雄的な闘いの劇映画化である。 硝煙の立ちのぼる生々しい素材からルネ・クレマンが脚本・監督した第一回作品で 撮影は戦争終結後すぐに始められた。
 「鉄路の斗い」は昨日までレジスタンスに参加して活動した。 クレマンをはじめとする全スタッフ・出演者が、自分たちの闘いを自分たちで映画化したものである。
 「鉄路の斗い」には「職業的」な俳優は出ていない。それは演技というより、 実戦で経験し「稽古」された「演技」の集積である。セットは一つもない。 トリック撮影もない。驚ろいたことには、列車の転ぶくも、玩具ではなく本物を使つている!
 以上のようにほかの映画とは(クレマンのその後の映画とも)違った製作条件のなかで作った。 「鉄路の斗い」の特別な性格と迫力――ほかのどの映画にもない迫力は、まさにそのためである。
 しかし、フランスを愛する、フランス人の抵抗精神が、フランスの芸術・文化を愛する 伝統的な高い技術と一体となって、この映画に結実した。 そしてこの映画の最大の迫力を作った。そう言ったほうが正確であろう。
 「鉄路の斗い」は1946年度、戦後最初のカンヌ国際映画祭で世界的な最優秀作としての ダラン・プリ(大賞)を獲得、同時に撮影のアンリ・アルカンは撮影賞を獲得した。  
 <物語>  フランスのある地方駅。この地区で機関区長アートスと操車係カマルグを中心とする 国鉄労働者のレジスタンスが組織される。
 通信を送る。ビラやパンフレット類を輸送、配布する。 連合軍総司令部のあるロンドンへ情報を伝達する。ドイツ軍から追求される 仲間は機関車の水槽に浸って脱走する。あらゆる輸送妨害が行われる。
 最初の非合法の会合がもたれる。 ドイツ占領軍の厳しい監視の目をくぐって、会合は転々と場所を変え、 新しい闘いの計画が進められる。機関区はドイツ軍が管理している。そこで景初のサボが 行われる。6人が人質として捕えられ、人質たちは銃殺される。
 1944年6月、連合軍はノルマンジーに上陸する。第二戦線が実現する。 フランス国内に進駐しているドイツの兵力を西部戦線に輸送することが急務となる。 戦闘はカアンとアブランシュを中心としてこの機関区全域にひろげられる。
 ドイツ軍輸送司令部は兵員と武器弾薬をつんだ12本の輸送列車群 「アプフェルケルン(リンゴの芯という意味のドイツ語)」を出発させようとする。 その輸送業務を命令されたアートスとカマルグは12本の輸送列車を、 断じて目的地に到着させまいと決心する。
 まず手はじめに、ドイツ軍がより安全と思って利用しようとする支線を爆破する。 そこでドイツ軍は、レジスタンスの組織「マキ」 が集結する本線を進まなければならない。 アートスはこの本線もふさいでしまおうとする。
・・・      (86分)
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