巴里野郎

<Paris-Canaille>  (56年仏)

<スタッフ>
脚色

監督
撮影監督
 音楽
主題歌


<キャスト>
ペニイ・ベンスン
  アントワーヌ
  クロード
  グローリア・ベンスン
  女学生の1人
 

ジャン・オーレル
アネット・ヴァドマン
ピエール・ガスパール=ユイ
ジャック・ルマール
ジョルジュ・ヴァン・パリス
"おいらは巴里ッ子"(作曲:レオ・フェレ)唄:カトリーヌ・ソヴァージュ


ダニイ・ロバン
ダニエル・ジュラン
マリー・ダエムス
ティルダ・タマール
谷 洋子
 ダニイ・ロバンとダニエル・ジェランというフランス映画きっての人気コンビを、 粋な下町の警察署長と、大変お転婆なハリウッド・スターの隠し子に仕立て、 とくと楽しんでいただこうという、物凄くイキのいいフランス映画の最新作。 ダニイ・ロバンの役は、我が国で問題になっているいわゆるル"太陽族″に属するかも知れないが、 至って健康的でピチビチしているのに御注意。
 監督のピエール・ガスバール=ユイは我が国に紹介されるのは始めてであるが、 ルネ・クレール、カール・ハートル(エロイカ)、ロジエ・リシュベ(真夜中の愛情)などに教えを受けた 短篇監督出身の人。1950年度ルィ・ルミエール賞を受け、明日のフランス映画を坦う人として期待されている新鋭。
 シナリオは、「浮気なカロリーヌ」などで戦後のフランス文学界に波紋を投じた大衆作家 セシル・サン=口ーラン(歴史は女で作られる、フルフル)が珍らしくダニイ・ロバンのために 書き下したオリジナル・ストーリー(珊瑚書房刊)より、 監督として知られるジャン・オーレルおよび 「忘れ得ぬ慕情」の女流ライター、アネット・ヴァドマンが 共同脚色した。
 撮影監督は「偽われぬ装い」でオペレイターを勤めたジャック・ルマールが担当、 音楽は「空と海の間に」のジョルジュ・ヴァン・パリスが例によって楽しいメロディをきかせてくれる。 篇中で流し芸人に扮したカトリーヌ・ソヴァージュが歌う主題歌パリ・カナィユ″は、 彼女がこれによって1954年度ディスク大賞を受けた曰くつきの名シャンソン。
 ロバン(フルフル)、ジェラン(ローマの女)を取巻く肋演陣は、「われら巴里ッ子」のマリー・ダエムス、 セックス・アピールを売物にしているアルゼンチン出身のティルダ・タマール、老名女優マリー・マルケ、 「フレンチ・カンカン」の新人フランソワ・ゲラン、「王様」のロベール・ミュルゾー、 「禁断の木の実」のミシェリーヌ・ガリ、それに
ヴオードヴィル畑からフランスの森繁ダリー・カウルと 名司会者ロジェ・ピエールが、さらに東宝映画「女囚と共に」「裸足の青春」の谷洋子などが出演。

 <物語>  ロンドン発の旅客嫌がジュネーヴの空港に着陸する。国際的な大スターのグローリア・ペンスンが下りてくる。 インターヴューに押しよせる新聞記者に彼女は巧みに肩すかしを喰わせて逃がれでる。
 グローリア・ペンスンには19才にもなるペニイとよぶ娘があって、いまジュネーヴの賛沢な寄宿女学校で 若い娘として心得ておくべきことを学習中であるということは誰一人として知っでいるものはいない。
 ところがペニイは怠屈で仕方のないこのいやな学校をやめたくてたまらないと母親に訴える。 大スターのグローリア・ペンスンもこれには閉口して学校ではこの暑中休暇にパリ旅行を計画していること、 世界で一番美しい都パリ旅行の素晴しさを述べたててやっとのことでペニイを納得させる。
「みなさま、ごらん下さいまし、これがサン・ルイ島、左に見えますのがノートルダム・ド・パリの大寺……」
 ペニイには歴史で名高い記念物も、有名な名所もー向に面白くはない。 その代り街中で接吻をするパリの恋人たちやマネキンの衣裳の美しさにボウっとなる。
 チュイルリーの庭園の泉水のあたりで校長先生は大分疲れたとみえて椅子にグッタリ身体をうずめて居眠りを始める。
 やっと自由になれたと思ったペニイが1人で歩いているとちよいとハンサンムな青年と出合う。 青年はペニイを晩餐に招いたので彼女は早速承知してしまう。ランデヴーの場所は下町の サン・ジェルマン・デ・プレだ。その夜は学友たちと一緒にジュネーヴに 帰ることになっているのだが、ペニイはそんなことはヘイチヤラである。・・・
    (101分)
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