女王陛下のダイナマイト

<Ne Nous Fachons Pas>   (66年仏)

<スタッフ>
監督
原案・台詞
脚本


撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
アントワーヌ
エグランチーヌ
  ミシャロン
ジェフ
コロネル

ジョルジュ・ロートネル
ミシェール・オゥディアール
マルセル・ジュリアン
ジャン・マルサン
ジョルジュ・ロートネル
モーリス・フェルー
ジャン・マンダルー
ベルナール・ジェラール
ミシェール・ダビ


リノ・バンチュラ
ミレーユ・ダルク
ジャン・ルフェーブル
ミシェーレ・コンスタンタン
トミー・デュガン
 女王陛下の肖像写真に忠誠をちかい、X(ビクトリー)のチャーチル・サインのもとに 総攻撃をくわだてるはイギリスの犯罪グループ。一味のボスはコロネル(大佐)と呼ばれ、 山高帽にコウモリ傘(こいつがクセモノです)をいつも手離したことのないれっきとした                                ♂ イギリス紳士。こぶんどもはといえば、いずれもビートルズまがいの長髪に今はやりの モッズ・スタイルといういでたち。
 対するは、フランス人グループ。親分格のアントワーヌはもとはパリのやくざだったが、 いまは堅気の商売にいそしみ、寛容と忍耐をモットーにしている男。アントワーヌの旧友ジェフは 気が早くて、怒りっぽい。競馬のノミ屋ミシャロンは、気がちいさいくせにでかい口ばかりきき、 ヘマばかりやっている。ミシャロンに愛想づかしをした女房エグランチチーヌはものすごい美人。
 さて、このイギリス一味とフランス人グループが、おなじみの観光地コート・ダジュールを舞台に、 ハデなたたかいをおっぽじめた。敵味方の武器といえばし、どちらもダイナイト。 家もすっ飛べば、クルマも爆発、橋でもなんでも、ドカーンとブッ飛んじまうというやつ。 まさにすさまじき空前絶後のダイナマイト乱戦である。
 これは、フランス映画らしいトボけた味と、新趣向をふんだんにとり入れた、アクション映画の最新作である。 もつかパリでロードショウ公開中だが、おおいにウケている。
 スタッフもキャストも、アクション映画のベテランがずらり顔を揃えている。
 監督は「やるかくたばるか」「スオアイ対スパイ」ですでに定評のあるジョルジュ・ロートネル、 原案と台詞は「地下室のメロディー」や「ある晴れた朝突然に」のミシェール・オゥディアール、 脚本は「太陽の下の10万ドル」のマルセル・ジュリアンとジャン・マルサンといったぐあい。 また撮影は「フィフィ大空をゆく」「小間使の日記」の名手モーリスモーリスフェルー、 音楽は新進ベルナール・ジェラールが担当した。
 主演は「太陽の下の10万ドル」「彼奴を殺せ」その他のアクション映画でおなじみの好漢リノ・バンチュラで、 ダイナマイト・パンチのカッコのよさがいっぱい。 相手役のミレーユ・ダルクは、日本では「何が何でも首ッたけ」が公開されただけだが、 最近の「殺したいほど愛してる」「皆殺しのバラード」(2作とも今秋日本で公開予定)などでフランスでは メキメキ人気を得ている注目の新星だ。
 この2人をめぐって、「太陽は傷だらけ」「殺人者に墓はない」のジャン・ルフェーブル、 「穴」のミシェール・コンスタンタン、トミー・デュガンなどが顔をならべているが、とくに目を見張るのは ジャン・ルフェーブルの活躍ぶりである。これまであまり役にめぐまれなかったルフェーブルだが、 ここではえたいの知れない役どころを演じて、笑いをさらっている。
 「雨のしのび逢い」「真実」などのロジェ・ドゥベルマ製作作品である。

 <梗概>  おなじみ南仏の風光明媚な観光地コート・ダジュール。
 6年前まではパリのやくざ仲間にちよっとばかり顔をきかせていたアントワーヌは、 今はすっかり足を洗い、ここコート・ダジュールでペレット商会なる貸ボート屋をいとなみ、 堅気な稼業にいそしんでいる。
 ある日、この店にあまり風体のよろしくない男が2人、ひょっこりあらわれた。 アントワーヌもよくご存じのこの男たちは、やくざ時代のアントワーヌの仲間だったが、 今だに心悪業から足を洗えず、そのあげくが警察に追われる身となり、 高飛びのためのモーター・ポートと逃亡資金400万フランを無心にきたのだった。 アントワーヌはしぶしぶ用立てしてやったが、そのかわり男たちはこう言った。
 「この金はただでいただこうってんじゃない。ニースに住むミシャロンなる野郎が、 競馬のあがりをバクリやがった。その金がちょうど400万フラン。おまえがそいつを取り立ててくれりゃ おれたちの借りは返えせるってわけさ」
 アントワーヌは400万もの大金をこのまま放っておくのも惜しいと考え、 ちょうど商用でモンテ・カルロまで行く機会があったので、ニースのミシャロンのところに取り立てに行くことにした。 途中やはり今は堅気になったむかしのやくぎ仲間で、レストランを経営している旧友ジェフを訪れた。 ジェフはミシャロンの噂を耳にしていて、
「やつはそうとうのクワセ者らしい。やつのとこへいくんなら、拳銃を持って行かなきやヤバイぜ」と 忠告してくれた。
 さっそくその夜アントワーヌはミシャロンのアパートに乗り込んだが、部屋に入った折しも、 モッズ・スタイルの殺し屋が、ミシャロンに狙いをつけているところだった。 瞬間、アントワーヌは殺し屋を撃ち倒した。・・・(90分)

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