狂った本能<L'ile Du Bout Du Monde> (58年仏) |
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<スタッフ> 監督 原作・脚本 脚色 撮影 音楽 編集 <キャスト> カテリーナ ビクトリア ジャーヌ パトリック |
エドモン・T・グレビル アンリ・クルーザ 「世界の果ての島」より エドモン・T・グレビル アンリ・クルーザ ルイ・A・パスカル ジャック・ルマール シャルル・アズナブール マルグリッド・モノ エディ・バルクレー ジャン・ピエール・ランドロー ジャン・ラベル ロッサナ・ポデスタ ドーン・アダムス マガリ・ノエル クリスチャン・マルカン |
朝鮮から傷病兵を輸送する赤十字船が爆沈され、漂流するボートに乗り込んだ3人の看護婦たち、
一人の溺れかかった男を救い上げる。ぞしてこの4人は、南海の孤島で原始的な生活を送ることになるが、
この映画は、その一人のたくましき男を中心に、3人3様の性格を持った女たちによって繰り展げられる
愛欲の葛藤を、赤裸々に描写している。
原作はアンリ・クルーザの「世界の果ての島」で、クルーザと監督のエドモン・T・グレビル、 ルイ・A・パスカルの3人が共同脚色している。 監督は新聞記者出身で「その顔をかせ」「正午に銃殺の鐘が鳴る」のエドモン・T・グレビルである。 彼はこの映画の監督に当って、劇的な背景として、原作ではインド洋中とされている地点を、 アフリカから3千キロにあるソプール群島の絶海の孤島に目を付け撮影を開始した。 篇中には、嵐のシーンがだぴたび出てくるが、これはビクトリーヌ・スタジオにて セット撮影されたものである。撮影総指揮のジャック・ルマールは、海底シーンの撮影に当っては、 実際にゴム性の水かきをつけ、背に酸素吸入器をつけて海底深く潜って撮影した。 主演はイタリアから「トロイのヘレン」のロッサナ・ボデスタ、イギリスから「遠い道」の ドーン・アダムス、フランスから「嵐の女」のマガリ・ノエル、「女の一生」のクリスチャン・マルカンである。 <物語> 見渡す限りの大海原に、3人の看護婦を乗せたボートが漂流している。3人は溺れかかっている一人の男を発見し、 救い上げた。彼等は傷病兵輸送船が爆沈したために放り出されたのだ。この4人を乗せたポートは、 襲い来る嵐の夜と斗いながら、やがて孤島に |
漂着した。
島に上ってみると、荒廃はしているが、かつて人間が生活していたと思われる形跡か残っていた。 そLて島の内情調査を勧めて行く内に、一つの洞窟を発見した。そこには、以前住んでいた人々の銃や道具類か残されていた。 毀れかかってはいるが、仕事場のような小屋も発見された。女たちはこの小屋を住家と決め、 着替えなどには洞窟を使うこととした。 こうして、生きるための原始的な生活が始まった。男は行動的な フランス人で従軍記者であったパトリックと云い、3人の女たちは、イギリス人の優雅な美人ビクトリア、 イタリア人の感傷的な野生美をもつカテリーナ、カナダ生れの激情を秘めた凄艶のジャーヌなどであった。 或る朝のこと、パトリックは湖で沐浴でもしようかとビクトリアと連れ立って行ったが、 ほとんど全裸に近いビクトリアの姿態を見たパトリックは情欲にかられ、彼女に言い寄ろうとした。 これを見ていたジャーヌは、激しい嫉妬に狂い、手に負えぬヒステリーをおこした。 機会を待って、ジャーヌはパトリックと湖へ同行することになったとき、自ら彼の情欲をあおり、 激しい情事に耽った。その夜、2人は洞窟で愛欲の一夜を過ごした。 小屋には屋根が出来、山羊も飼いならされた。次第に人間らしい生活を取戻しつつあったが、 3人の女たちは互いにパトリックをめぐる嫉妬心に燃え、各自が彼の愛を自分に向けさせようと懸命になっていた。 こうした息詰まるような生活から早く抜け出したいものと、毎晩交代で不審番を勤め、焚火をして 通りかかる船や飛行機の注意を惹こうとした。 或る日のこと、ピクトリアは大きな難破船が島に乗り上げたのを発見した。 船内には無線装置もあり、修理をすれば使用可能であった。しかし、・・・ (105分) |