正午に銃殺の鐘が鳴る

<Quand Sonnera Midi>   (57年仏)

<スタッフ>
監督
原作

 脚色
撮影
音楽
編集

<キャスト>
クリスチーヌ・デュマルタン
ミシェル・デュマルタン
サルパドル
ラ・モレニータ

エドモン・T・グレビル
ヘンリー・チャンプリー
  「明日死ぬ男」より
ピエール・ギャスパル・ユイ
レオンス・アンリ・ビュレル
ダニエル・ウィット
ジャン・ラベル


ダニー・ロバン
ジョルジュ・マルシャル
ホセ・ルーゴイ
パスカル・ロベール
 ヘンリー・チャンプリーという作家の「明日死ぬ男」と題する小説を、 「恋の子供達」「セリー・/ワール」「ソフィーと犯罪」「美しすぎた妻」など、 脚本家として、また監督としてフランス映画界に活躍している、ピエール・ギャスバル・ユイが脚色した この映画の物語は、南米ガダラルダ国の血なまぐさい革命さわぎにまきこまれた、 フランス人宝石商夫婦の苦難と夫婦愛を描いたものである。
 台詞を担当したのは同じく脚本家兼監督のソランジュ・テラック。 監督は「その顔をかせ」のエドモン・T・グレビル。 撮影は「寝台の秘密」(第三話)「わが青春のマリアンヌ」「抵抗」のレオンス・アンリ・ビュレル。 音楽は名手ダニエル・ウィット。 編集は「その顔をかせ」のジャン・ラベル。装置は「遥かなる固から来た男」のジャン・ドーアリノーがそれぞれ担当した。
 主演は「沈黙は金」「恋路」「真夜中の愛情」「フルフル」「巴里野郎」その他のダニー・ロバン。 「憂愁夫人」「モロッコ守備隊」「めぐりあい」「テオドラ」のジョルジュ・マルシャルの2人。 この2人は実生活でも仲の良い夫婦である。
助演陣にはホセ・ルーゴイ、「そこを動くな」のパスカル・ロベール、「男の争い」の マルセル・リュボビン、ピエール・デュダンなどがいる。

 <物語>  5年前に結婚し祖国フランスを出て、南米ガダラルダに来て宝石商をはじめた、ミシェルとクリスチーヌ・デュマルタン夫婦は、 今では田舎に牧場までもって、若い夫婦としては幸福な生活をしていた。ところが、
突如としてこの2人の生活を脅かす 重大事態が勃発した。革命がはじまったのである。
 横暴をきわめる地方政治家サルパドルが、ついに国家の実権をにぎって、恐るペき警察国家を形作っていたのに対し、 彼の勢力をくつがえそうとする人々か、新革命党運動をはじめたのである。正義(J)、そして(Y)自由(L)を獲得せんとする革命派は、 このJ・Y・Lの三文字を党員のシンポルとしていた。サルパドルは、ますます警察力を強化して革命派の掃蕩に乗り出し、 捕えたものは文句なしに死刑にしていた。
 ある日ミシェルの宝石店へ一人の男が来て、指輪にJ・Y・Lの三文字を刻む注文をして行った。 ミシェルはこれが何を意味するものかも知らずに引受けたが、彼の仕事中に店を襲った警官隊は、店内の宝石金属類を掠奪した上に、 ミシェルを逮捕して投獄した。そして訳も判らぬままに執政官代理ドン・ラモンが政治犯として死刑の宣告をあたえてしまった。
 田舎の牧場から町に戻って来たクリスチーヌは、この事実を知って仰天し、ともかくも刑務所にかけつけ、 わずかばかり残っていた宝石類をもって刑務所長ドン・ガスパールを買収しようとしたが、その日は会うことが出来ず、 翌朝早く再び刑務所に来て、24時間の猶予を得ることに成功した。ミシェルと同じ日に隠れ家を急襲されて捕われた 革命党員の半数は、その日の正午の鐘を合図に、広場に集った市民の前で銃殺された。 ミシェルは残る半数とともに翌日の正午に銃殺される運命となったのである。
 クリスチーヌは直ちに行動を開始した。・・・ (98分)

inserted by FC2 system