禁じられた遊び

<Jeux Interdits>   (52年仏)

<スタッフ>
監督
原作

脚色


撮影
音楽

<キャスト>
ポーレット
ミシェル

ルネ・クレマン
フランソワ・ポワイユの
「木の十字架・鉄の十字架」より
ジャン・オーランシュ
ビエール・ポスト
ルネ・クレマン
ロベール・ジュイヤール
ナルシーソ・イエペス


ブリジット・フォセエ
ジョルジュ・プウジュリイ
 第1作「鉄路の闘い」でカンヌ映画祭の監督賞を得、つづいて「海の牙」「鉄格子の彼方」 「ガラスの城」を発表、最近では「居酒屋」「太陽がいっぱい」「生きる歓び」等を発表、 そのたびに全世界の映画ファンの期待を満たして呉れるルネ・クレマンも 今や世界の名匠クラスに入るほどの円熟した監督と云われているが、 彼もこの「禁じられた遊び」を監督した当時はまだ新進気鋭の監督として将来を期待されていた程の若さだった。 そのクレマンが、スター本位やドラマ本位の従来のフランス映画の常識を根本から打破した異色作で、 ひとたび発表されるや、各方面にセンセーションをまき起し、その結果、ヴェニスの国際映画祭や アカデミー賞で受賞の栄誉に浴した問題の作品である。
 フランソワ・ボワイエの小説「木の十字架・鉄の十字架」を原作とし、「肉体の悪魔」 「七つの大罪」(第六話)などの名コンビ、ジャン・オーランシュとピエール・ボストの2人と ルネ・クレマンが脚色にあたり撮影はロベール・ジュイヤール。南仏一帯のロケーションを中心とした撮影はすばらしい。
 出演者はニースで発見された5歳のプリジット・フォセェと11歳のジョルジュ・プウジュリイの2人。 ルネ・クレマンが千人以上の幼女・少年の中から選んだ2人である。なかでもブリジット・フォセェの演技は この映画をみた人々に終生忘れることの出来ない印象を与え、胸を打つ。
 2人の子役以下、出演者は無名の人ばかりで、撮影に当り、南フランスの寒村に出演者一同が集って、 実際に野良仕事に精を出し、全編をその地一帯のロケーションで通している。
 音楽の効果も又、すばらしい。ナルシーソ・イエペスの
ギター演奏は、 メロディーの一小節をきいただけで、この映画の題名が浮ぶほど、ポピュラーになってしまった。 「禁じられた遊び」再映の噂と共に再びラジオのネットから洩れてくるほど有名になっている。

 <梗概>  フランス、1940年パリもナチス・ドイツに占領された6月、空襲におびえながら南下する避難民の行列が続いていた。
 ナチの爆撃機はこの行列に弾雨をあびせた。5歳になる女の子のポーレットとその家族もその中にあった。 ポーレットは死の恐怖をまだ知らない。走り出した子犬のジョックを追いかけるポーレットを見て 両親は駈けだした。敵の1機は低空すると機銃掃射をはじめた。ポーレットが顔をあげたときに父と母は 動かなくなっていた。ポーレットが抱いていた子犬のジョックも息をひきとるところだった。
 避難民の列も動きだした。愛犬の死体を抱いているポーレットは避難中の荷馬車のおかみさんが拾い上げた。 ポーレットの大事なジョックは川に捨てられた。死んだジョックであってもポーレットにとっては必要なものである。 彼女は夢中で荷馬車を飛び降りると川を流れるジョックの死体を拾いあげた。
 ドレ一家は野良仕事をしていた。そこへ爆撃をくった荷馬車がとびこんで来た。長男のジョルジュは爆音におびえた馬に 横腹を蹴られて、その場に昏倒した。この騒ぎに驚いて、一頭の仔牛が逃げだすのを見て、今年10になる末っ子の ミシェルがあとを追った。ミシェルはそこでポーレットに出会った。犬の死体を抱いたこの都会の子が 両親が死んだときいて彼女を自分の家に連れて帰った。 ・・・  (87分)

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