ひと夏の情事

<Une Fille pour L'ete>   (59年仏伊)

<スタッフ>
製作


監督
原作

脚色

撮影
音楽

<キャスト>
マネッ卜
フィリップ
ポール
ミシェル
ヴィヴィアン

ボレアル・フィルム(パリ)
フィルムソノール(パリ)
SPA・シネマトグラフィカー(ローマ)
エドアール・モリナロ
モーリス・グラブェル
  「この夏だけの女」
モーリス・グラブェル
エドアール・モリナロ
ジャン・ブルゴワン
ジョルジュ・ドルリュー


パスカル・プチ
ミシェル・オークレール
ミシュリーヌ・プレール
ジョルジュ・ブージュリ
クレール・モーリエ
 「絶体絶命」「殺られる」「彼奴を殺せ」とサスペンスものに新風を吹き込んで来た エドアール・モリナロが初めて放つ青春映画である。
 原作はモーリス・グラヴェルの「この夏だけの女」。パリにも女にも、 自分の芸術にも疲れ切った一人の画家が、ふらりとやって来た南フランスの浜辺で拾った女 ――ただひと夏だけの遊び相手に選んだ女の子が彼の心に真実の、だが実らぬ恋をめざめさせようと 誰が予測したであろう。紺碧の海、光まばゆい南仏海岸に、むなしく散った恋を描く久しぶりの フランス映画青春巨篇である。
 「危険な曲り角」「お嬢さんお手やわらかに」以来、絶対的な人気の座にあるパスカル・プチが、 悲劇的な恋の女マネットを演じ、その相手役には、「情婦マノン」「海の牙」のミシェル・オークレールが 久しぶりにニヒルな情熱に燃える画家に扮している。それに、「肉体の悪魔」「恋ひとすじに」の ミシェリーヌ・プレール、「死刑台のエレベータ」のジョルジュ・ブージュリといった 多彩なスタアの顔合わせである。

 <梗概>  パリの生活に疲れきった画家フィリップは、車をかってふらりと南仏海岸の旅に出た。 最後に一緒に暮したのは、画商の女房ヴィヴィアンだったが、その女にも自分の絵にも、 彼はもうあきあきしていた。情熱のかけらすら残っていなかった。
 行先はポールの別荘であった。途中、立寄ったキャ
フェで、フィリップは一人の女の子を見かけた。 女の子も誰か相手を探しているらしかった。美しくはなかったが、 絶えずいたずらっぽく活発に動きまわる目が印象的だった。フィリップは、ふと、 この女を連れてポールの別荘へ行く気になった。ひと夏だけの遊び相手に恰好の女だ。
 ポールとフィリップは昔愛し合ったことがあるという噂だったが、 いまでは単に仲のいい友だちに過ぎなかった。ポールはフィリップが連れて来た娘のことを 何もきこうとはしなかったし、フィリップも彼女の名がマネットという以外何も知ろうとはしなかった。
 青い海と空の色、白い砂浜――豪奢な別荘での何の屈託もない夏の休暇がこうしてはじまった。 水泳、ヨット遊び、ダンス――3人はただ楽しげに遊びまわった。
 間もなく、ポールの息子のミシェルがこの別荘に帰って来た。マネットとミシェルはすぐ親しくなった。 殊にミシェルの姉たちがこの別荘に来てから、華やかで馬鹿げた彼女たちのグループからはなれて、 ミシェルはいつも彼女と一緒にいた。若いミシェルの心はマネットにひかれて行った。 しかし、マネットはフィリップを愛しはじめていたのだ。勝気な彼女は何もいわなかったし、 そんな素振りも見せなかったが――そしてフィリップの方は彼女に対してただ刹那の快楽しか 求めていないようだった。  母やフィリップの生活に失望したミシェルはマネットへのほのかな思慕を胸に、 イスラエルへの旅に立って行った。・・・    (90分)

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