|
野獣は放たれた<Le Fauve est Lache> (59年仏) |
|
<スタッフ> 監督 原案 脚色 撮影 美術 音楽 <キャスト> ポール ナディーヌ レーモン ポーラン 大佐 |
モーリス・ラブロ ジャン・ルドン クロード・ソーテ フレデリック・ダール フランソワ・シャヴァーヌ クロード・ソーテ ピエール・プティ J・P・クータン・ラブルール ジョルジュ・ヴァン・パリ リノ・ヴァンチュラ エステラ・ブラン ポール・フランクール フランソワ・ショーメット アルフレ・アダン |
秘密警察の命を受けて国家機密の書類を追う一人の男と、それを妨げようと暗躍する一味との対決を描きながら、
主人公の人間性をいきいきと浮彫りにした異色作品。
脚本家ジャン・ルドン、新鋭監督クロード・ソーテの新進コンビによる原案を 「悪者は地獄へ行け」の暗黒小説作家フレデリック・ダール、プロデューサーとして知られる フランソワ・シヤヴァーヌ、それにクロード・ソーテの3人が脚色したもの。 台詞はフレデリック・グールとジャン・ルドンが担当している。 監督のモーリス・ラブロはわが国にはまだ紹介されていないが、すでに十数本の作品を監督している中堅作家である。 撮影は「乙女の館」の名カメラマン、ピエール・プティ、美術は新鋭 J・P・クータン・ラブルール、 音楽はヴェテラン中のヴェテラン、ジョルジュ・ヴァン・パリがそれぞれ担当して独特の迫力をもり上げている。 主演者は「殺人鬼に罠をかけろ」「モンパルナスの灯」などでその特異な風貌を見せ、 最近はめきめきと実力を発揮して主演級にのし上ってきたリノ・ヴァンチュラ。相手役は、 これも最近売り出して来た「殺られる」の明眸エステラ・ブラン。それにフランス映画の名傍役 ポール・フランクールが名演を見せ、その他にも、コメディ・フランセーズのフランソワ・ショーメット、 「殺人鬼に罠をかけろ」のアルフレ・アダンなどの芸達者、51年に新人女優賞をもらったナディーヌ・アラリ、 中堅男優フィリップ・マルイユなどが演技をきそっている。 | <梗概>
ポール・ラミアニほ一男一女を持つ平和な家庭の父親である。彼が経営する
レストラン "ポールの店" もまずまず繁昌、要するに幸福な生活といってもよかったろう。
だが、その彼にも一つの秘密があった。かつてやくざで鳴らした彼は紙幣偽造で捕まったことがあるのだ。 そんな過去の暗い影が今の幸福をねたむかのように、再びそのいまわしい姿を見せようとは思いもよらぬことだった。 或る日の午後、彼はやくざだったころ知り合った秘密警察員ポーランの訪問を受けた。 自分の過去を知っている数少ない人間の一人を店の客として発見した。ポールは一瞬表情を曇らせた。 案の定ポーランの用件とはポールにとってあまり有難いものではなかった。 ポーランの上官 "大佐" に会えというのである。秘密警察の幹部である "大佐" の折入っての頼みといえば、 どうせただではすまないにきまっている。だが、ポールは "大佐" が断って通じるような 相手ではないことも知っていた。彼はやむなく出かけて行った。 「頼み」とは思っていた以上の大仕事だった。数日前に国家機密の新兵器の燃料図式が盗まれ、 それが国外に出るのを必死になってくいとめようとしていた当局は、図面を盗んだのが、かつてのポールの仲間、 レーモン・マルウとにらみ、ポールにそれをとり戻すことを依頼したのである。 ・・・ (97分) |