上級生の寝室<Dortoir des Grandes> (53年仏) |
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<スタッフ> 監督 原作 脚色 台詞 撮影 音楽 <キャスト> 探偵マルロ エイメ・ドラ・カペル 女校長 女中ジュリー 旅館の親父 生徒監 トゥヌルザック 刑事ブロオシュ |
アンリ・ドコアン スタニラス・A・ステーマン アンリ・ドコアン フランソワ・シャレエ ジャック・ナタンソン ロベール・ルフェーヴル ジョルジュ・ヴァン・パリス ジャン・マレー フランソワーズ・アルヌール ドニーズ・グレー ジャンヌ・モロー ノエル・ロックヴェール リーヌ・ノロ ピエール・モラン |
アンリイ・ドロアンは、ダニエル・ダリュウの最初の夫であったスポーツ記者出身の映画監督、
戦前、「掻払いの一夜」(1930年)という映画で日米に初お目見得しているからもう古強者の1人である。戦後も「求婚」「坪痕」「真夜中まで」の三木封
戦後も「求婚」「弾痕」「真夜中まで」の3本封切りされている。いずれも佳作で、
流石に老練な手腕を持っている。 原作は「犯罪河岸」の原作者でフランスの探偵小説家として現在では第一線である スティーマンの「18人の幽霊」である。脚色したのがドコアンと、これが 映画脚本の第一作であるフランソワ・シャレイの2人である。 台詞を書いているジャック・ナタンソンは、戦前からの映画人であるが、最近は 「快楽」「輪舞」の2本のオフユゥルス作品に台辞を書いている。 カメラのルヘェブルは 「ガラスの城」「巳里の空の下」の名手、装置のルヌウは最近クルウゾォの 「恐怖の報酬」で名をあげている。 音楽のヴァン・パリスは嘗て「掻払いの一夜」に、 戦後は「花咲ける騎士道」などに作曲した、甘美で、甚だフランス的巧い人、 この映画のように18人の乙女達の寄宿舎を舞台にした映画だけに打ってつけの 美しいものをつくっている。 配役では、ジャン・マレイは「真夜中の愛情」完成後つぎつぎと新作にとりかかっている。 その中、すでに完成したのが、この「上級生の寝室」である。 コクトオとはなれたマレイは充分に一人前の俳優としての才能をふるっている。 従来のロマンティックな恋人役から一歩出てこの「上級生の寝室」でも彼の扮するのは 真面目な探偵という役である。それに17人の女学生になる若い女優群が注目ナべきである。 その中の唯一のスター格であるフランソワズ・アルヌウルは1932年の生れ、 49年はじめて映画入りした全くの新人、ドコアンの前作「トレドの恋人達」(52年)にも 出演している。その他の16人の乙 |
女に扮する人々は、「悪魔の美しさ」の
ニコオル・ベナアルを別として、すべて、600人ばかりの志願者の中から
ドコアンが抜擢した全くの映画初お目見得の新人達である。 <物語> メレモンの女学校は、18人の女生徒を寄宿せしめたまま厳格な教育を施している 特別な塾形式の学較である。その雰囲気は頗る高踏的で且つぜい沢である。 しかし、この上流家庭の女生徒たちも若い乙女である。舎監が消燈して立去ってしまえば、 忽ちに寝室の中では枕のぶっつけっこやシュミイズー枚のファランドオル踊りが始まる。 ところがこの18人の女生徒の1人ヴィッシァ・ベルグが自分の寝台の上で絞殺されているのが 発見されたのである。 若く感じのよい探偵マルコがその調査を委任されて現われるが、 一方では、女校長や先生達の敵意にぷつかり、他方では女生徒たちの中にその職務の重大さに ふさわしくない興味をひきおこしたために、まだかけ出しのマルコには容易に仕事が進まない。 殊に、女生徒の中の1人、エイメ・ドラ・カペルは、マルコの男性美にひきつけられて、 犯人探索の仕事に貴重な助手となる。 女校長にとって、犯人は外部から爽たというととに疑いはない。 しかしマルコは夜誰にも気付かれずに寝室に忍びこんで見せて忽ちにその信念の誤りを 説明して見せた。尤もそのためマルコは殺人犯人が再びやって来たのだと見まちがえられて、 シュミイズ姿の17人の女生徒たちにおどりかかられる目に遭った。 その結果、女生徒たちの眠りは浅く、その目を覚まさずに誰しも寝室に入る事は できないという事も判った。 その間、村のホテルでは、 ・・・ (103分) |