殺られる<Des Femmes Disparaissent> (59年仏) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作 脚色 撮影 音楽 <キャスト> ピエール コラリーヌ ペアトリス |
ジャツク・ロワフェル・シリユス エドアール・モリナロ G・モリス・デュムラン アルベール・シモナン G・モリス・デュムラン ロベール・ジュイヤール "ジャズ・メッセンジャーズ" ロベ−ル・オッセン マガリ・ノエル エステラ・プラン |
フランスで新進気鋭の監督中、五人男の一人にあげられるエドアール・モリナロの第2回作品。
第1回の「絶体絶命」で新人とは思えぬ精巧緻密な演出技術とともに近代的な非情さの一面を窺せて
注目されたが、第2作は徹頭徹尾、爽快なアクション・ドラマに終始している。
強力な暴力組織を有する肉体密輸団――彼等の毒牙にかかろうとする娘たちをめぐって、
めまぐるしいばかりのリズムに乗って強烈な場面か次から次へと、息もつかせぬ緊張感の連続のうちに流れる。
潤滑油のきいた歯車のような痛快なモリナロの演出ぶりである。
シナリオはモリス・ヂュムランの書き下ろしを、探偵小乱作家中の第一人者、 「現金に手を出すな」のアルベール・シモナンが脚色。 撮影は「夜の騎士道」「居酒屋」のベテラン、ロベール・ジュイヤール。 主演は、「悪者は地獄へ行け」の監督として、又、「罪と罰」「大運河」等の主役として、 最近きすます売出して来ているロペール・オッセン、 それに「野性の果実」にデビュー以来清純な娘役でクローズ・アップされだした エステラ・プランの2人に、野性的な魅力にあふれるマガリ・ノエルや、 シャンソン歌手として人気の沸騰しているフィリップ・クレイがその個性的なシルウェットを スクリーンに買われて大いに活躍している。 この映画主題曲演奏はモダン・ジャズ、アート・プレイキとジャズ・メッセンジャーズ楽団が担当して効果を倍加している。 | <梗概>
夜更けのマルセイユの裏街を、夜業を終えたピエールが帰ってくる。
寝静まったアパート――階段を足音をしのばせて降りてくる若い女は―― ピエールのいいなづけのベアトリスではないか。 この夜更け、どこへ、何をしに? ベアトリスの行動に不安を抱いたピエールは 彼女のあとを追うが、ベアトリスは彼を振り切って見知らぬ家の中に姿を消してしまう。 のろのろとあとをつけて来た一台の自動車からひとくせありげな男が2人、 ピエールに襲いかかる。格斗の末、不覚にもピエールは気を失って倒れてしまう。 2人の男――トムとナゾールは、一体何者なのか? キャリオ配下の殺し屋で為る。 キャリオは、表向きは要職について活躍している名士だが、一裏返せば、 肉体の密輸を専門とする恐るべき一味の首魁なのだ。 キャリオは、仲間のメルランの情婦コラリーヌをおとりに使って、無垢の娘たちを 豪華な舞踏会を餌に釣り寄せ、彼女たちの処女を奪った上、マルセイユの岸壁のかげから 人知れず船に積み込んで、海の彼方へ売りとばしている男である。 美しいベアトリスがかゝったのもコラリーヌの罠だった。 海岸にほど近い宏壮な別荘に、ベアトリスたちを待ち受けていた饗宴は? やっと意識を取り戻したピエールが、・・・ (90分) |