女 猫<La Chatte> (58年仏) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作 脚本 撮影 美術 音楽 <キャスト> コーラ 隊長 新聞記者ベルナール ミュラー大尉 ピエール |
ユージェーヌ・テシュレエ アンリ・ドコアン ジャック・レミー ジャック・レミー アンリ・ドコアン他 ピエール・モンタゼル リシアン・アゲタン ジョセフ・コスマ フランソワーズ・アルヌール ベルナール・ブリエ ベルナール・ヴィッキ クルト・マイゼル ロジェ・アナン |
第二次大戦中、1943年ナチ占領下にあった頃のパリ、レジスタンスの地下組織は活発に行動して独軍を悩ましていた。
この組織のなかでシャツト(牝猫)と呼ばれた女斗士コーラと独将校とのかなわぬ恋が、 抵抗派を崩し、自らも射殺されるという、戦争の悲劇を描いた力作。 監督は「上級生の寝室」「筋金を入れろ」「火薬に火」のアンリ・ドコアンだが、 凝り性の彼はこの映画の舞台となった独軍第二情報部の再現には雰囲気を出そうと、 実際の建物に使われていた材料を集めて背景などに苦心のあとがうかがわれる。 フランスの中篇作家として「空と海の間に」などの作品を書いているジャック・レミイの原作を ドコアンとユージェーヌ・テュシェレエそれに原作者自身のレミイ、の3人が脚色している。 カメテ心黒白のトーンに深みをみせる名手「非情」のピエール・モンタゼル、 音楽は「恋多き女」「ヘッドライト」のジョセフ・コスマ。 美術は「野性の誘惑」のルシアン・アゲタンがそれぞれ担当している。 出演者は「遠かなる国から来た男」「幸福への招待」以来ごぶさたしていたが 「大運河」で久しぶりにファンにおめみえするフランソワーズ・アルヌールがヒロインのコーラに扮する。 猫のような限、しなやかな弾力性ある姿などはまさにアルヌールにうってつけの役といえよう。 共演するのは「洪水の前」「罪と罰」のベテランのベルナール・プリエ、 それに「最後の橋」「現場の叫び」で見事な演技を見せていたベルナール・ヴイッキが ドイツ映画界から招かれている。もう1人のブリンナーばりのヤカン頭の性格俳優は 「愛する時と死する時」に姿を見せたクルト・フォン・マイゼル。 このほかに「宿命」のロジュアナン、「パルテルミーの大虐殺」のアンドレ・ヴェルシニ、等が 助演している。 | <梗概>
1943年、占領下のパリで独軍の探知機が、レジスタンスの組織の秘密無線室の所在を発見した。
直ちに命令を受けた一隊が踏みこむと、無電技師は拘引を恐れて自殺して居たが、
彼の妻コーラはからくも逃れ、以後夫の身代りとしてレジスタンスの組織に入って牝猫″と呼ばれることとなった。
彼女の最初の任務は成功だった。当時独軍がアルデンヌ地方において実権中だった ロケットの設計図を奪ったコーラは、その夜、ある酒場でスイスの新和記者ベルナールと知りあった。 任務の成功に酔った彼女は彼と大いに意気統合したものである。 ベルナールの正体は独陸軍の士官である。何日かの休暇を巴里で送ることとなった彼は、 勝手な国籍を名乗って、私服で冒険を求めようという魂胆だったのだ。 明日はロシア戦線へむけて出発という日、別れを告げに諜報部勤務の弟ミュラー大尉を訪ねた彼は、 大尉の部屋で先日の夜の若い娘のモンタージュを見た。次第を聞いたミュラーは、 直ちに彼の出発を中止するよう上司に申請し、やがてベルナールは、その若い娘と更に交際を重ねて 彼女の信頼を得るようにという命令を受けた。まさか、彼女が危険人物とは思えないし、 内心コーラが好きになって居たベルナールは、又彼女に会えると思って命令に従うことにした。 何日か後すでにコーラの信頼を得ていたベルナールは、独軍の本部へ出頭して、 新型ロケットの設計図を奪ったのはコーラの仲間であること、その設計図を受けとりに 英国機がやって来る予定であることを告げたのである。 しかし組織は、指導者の思慮によって救われた。万一の場合を考えた彼は、 誰にも告げずに独断で英国機の到着時間をくり上げ、・・・ (109分) |