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女は一回勝負する＜Une Manche et la Belle＞ （57年仏） |
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＜スタッフ＞ 監督 原作 脚色 撮影 音楽 編集 衣装 ＜キャスト＞ エブ・ドラン フィリップ・デラロッシュ ベテイ・ファンウエル マラール警部 |
アンリ・ベルヌイユ ジェイムズ・ハドリー・チェイズ アンリ・ベルヌイユ アネット・ワドマン フランソワ・ボワイエ クリスチャン・マトラ ポール・デュラン ルイゼット・オートクール クリスチャン・ディオール ミレーヌ・ドモンジョ アンリ・ビダル イザ・ミランダ アルフレッド・アダン |
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この作品はイギリスの探偵小説作家ジェイムズ・ハドリー・チェイスの原作を映画化したもので、
舞台を南フランス地中海沿岸の豪華な別荘地帯と、ベニスの水の都にとり、大金持の老未亡人、
その彼女に気に入られた一銀行員、そして目もさめるような若い肉体美人の３人のあいだの
恋のかっとう、そして未亡人の遺産目あての計画的な殺人と、前半はもっばらフランス的なお色気、
後半に入っては計画犯罪のスリルを盛り上げている。
脚色したのは監督のアンリ・ベルヌイユ、「ヘッドライト」のフランソワ・ボワイエ、 「たそがれの女心」「歴史は女で作られる」「巴里野郎」「忘れ得ぬ慕情」「乙女の館」 「殿方ご免遊ばせ」などの女流脚木家のアネット・ワドマンの３人。台詞もワドマンとボワイエが 共同して書いている。監督のベルヌイユは「禁断の木の実」「過去をもつ愛情」「ヘッドライト」 「幸福への招待」などでおなじみのエンジニアー出身の鋭才。撮影は戦前「路子なき牢獄」 「旅路の果て」戦後は「賭はなされた」「処女オリヴィア」「ボルジア家の毒薬」「女優ナナ」 その他で才腕を見せているクリスチャン・マトラ。音楽は「パリのお嬢さん」「ボレロ」などの ヒット曲を作曲し、「禁断の木の実」「怪僧ラスプーチン」「水色の夜会服」「幸福への招待」などの 映画音楽を作曲担当しているポール・デュラン。装置はベテランのジャン・ドーボンヌ、 衣裳は「潮風のいたずら」の故クリスチャン・ディオールが夫々担当している。 主演は、ミレーヌ・ドモンジョとアンリ・ピダルとイザ・ミランダの３人。 ドモンジョは1935年生れで今年23才の若さ、53年に「愛の子供達」で銀幕にデビューし 「未来のスター達」「フルフル」「悲しみよこんにちは」などに出ているが、整った美貌と 豊満な肉体は、マリナ・ブラディ、ブリジツト・パルド一に次いで大スターになる素質を充分もつている。 アンリ・ピダルは「悪者は地獄へ行け」「リラの門」で、イザ・ミランダは戦前から大女優、 戦後は「洪水の前」「怪僧ラスプーチン」などで顔を見せている。 助演陣は「サレムの魔女」のアルフレッド・アダン、「親分」のジャン・ルー・フィリップ、 「その顔をかせ」「わたしは夜を憎む」のアントナン・ベルパル、その他である。 | <梗概>
一介のサラリーマンとしてパシフィック銀行につとめていたフィリップは、
南仏地中海沿岸ニースに住んでいる大金持の未亡人ファンウエル夫人と、
彼女が買入れたアメリカ製の新車を世話したことで知り合った。夫人は若くてたくましいフィリップに、
いつしか消えかかっていた情熱の火を燃しはじめた。
フィリップは夫人のために邸宅を一室あたえられて同じ屋根の下に日をすごしたが、 金に糸目をつけない夫人の愛情にほだされて、ついに２人は盛大な結婚式をあげることになった。 ２人は夫人のヨットで地中海上を新婚の旅にのぼったが、フィリップの心の底には、 最初に屋敷に来たとき以来夫人の若くて美しい秘書エブのピチピチした姿が強く焼きついていた。 風光明媚な地中海の岸にヨットをとめて水泳にうち興じていた一時、一糸まとわぬエブの豊満な肉体を 目のあたりに見た瞬間、フィリップの心は姥桜のファンウエル夫人の上から急激にエブの上に移って行った。 そしてベニスに来たとき、エブは夫人に催眠剤を飲ませ、そのあいだにフィリップと２人はゴンドラの上で 不倫の関係を結んでしまった。 新婚旅行をおえて南仏の屋敷にかえって来た３人は、毎日単調な生活をおくり、フィリップはエブと ２人きりになるチャンスを狙い、これに気づいた夫人は狂気のごとく２人の仲をさこうとした。 利口なエブは醜聞の起ることをきらってつとめてフィリップをさけはしたが、 久しぶりで夫人の目をのがれて２人きりになったフィリップの心に、ムラムラと悪だくみが燃え上った。 それは、何とかして夫人を亡きものにして、莫大な遺産を手に入れ、エブと２人で若い者同志の 夢のような生活を実現することであった。 ある夜、夫人は親しい友人数人を招いて、新婚旅行中に撮影した８ミリ映画を見せた。 映写がはじまったとき、エブはこっそり姿を消し中型の車で走り去った。フィリップは直ちにそのあとを追ったが、 その彼が見たのはホテルの中へ若い男と姿を消したエブであった。フィリップが屋敷にもどって来たときには、 招待客はかえり嫉妬に狂った夫人が待ちかまえていた。・・・ (98分) |