素晴らしい風船旅行

<Le Voyage en Ballon>   (60年仏)

<スタッフ>
監督
撮影

美術
音楽

<キャスト>
パスカル少年
祖父
助手

アルベール・ラモリス
モーリス・フェルー
ギイ・タバリー
ピエール・テブネー
ジャン・プロドロミデス


パラカル・ラモリス
アンドレ・ジル
モーリス・バケ
 「白い馬」「赤い風船」の映画詩人アルペール・ラモリスがはじめてつくった長編作品。 前二作に続いてこの作品でも息子のパスカル少年を主人公として用いている。 馬、風船についで、少年の夢をたくするものは、自由自在に空をとぶことのできる気球。 祖父とともに気球にのりこんで、北フランスから出発、アルザスからパリ、 ブルターニュ地方から、南へ下ってアルプスを越え、カマルグ地方へと、 ほとんど全フランスの上空をとびまわる。その間にさまぎまの冒険や、 詩情ゆたかたエピソードを識りこみながら、フランスの美しい風物を総天然色、 ディアリスコープの広い画面にくりひろげてゆく。
 したがって、映画の多くの部分が空中撮影であり、そのために特殊ヘリコブターを用いた 独特の撮影方法を採用した。ラモリス自身、「ヘリピジョン」と名づけたこのシステムによる撮影は、 もちろんこの映画がはじめてである。
 撮影のモーリス・フェルーとギイ・タバリーはこれまで主として短篇の撮影を担当していた 新鋭カメラマン。空中撮影部分は主としてラモリス自身が当っている。また音楽担当のジャン・ プロドロミデスも27年生れの新進。
 主な出演者は9才のパスカル少年のほか祖父に扮する舞台のベテラン、アンドレ・ジル、 風船に乗る2人を地上から助ける助手の役を演じるかつての二枚目モーリス・バケの3人。
 なお、この作品は60年ベニス映画祭に出品され、最高の激賛を浴びて、特別賞を授けられた。
 <梗概>  パスカルのお祖父さんは学者です。白いあごひげを長くはやしてはいますが、 とても70歳とほ思えません。今度も自由自在に空をとべる気球を発明し、 それに乗ってフランス中を旅行するのだと大はりきりです。
 世はあげてジェット時代ですが、お祖父さんは、自分のつくった気球こそ 進歩の最先端だとばかり、さっそく実行にとりかかりました。
 パスカルは冒険好きの元気な少年です。彼ほ気球の話を聞いて、 もう乗りたくてたまらなくなりました。でも、お祖父さんは子供は危いからと 許してはくれません。彼は仕方なく、非常手段を考えつきました。
 気球旅行の出発点は北フランスのベチュヌです。助手の自動車に積んだ ポンプから気球にガスがつめこまれました。パスカル少年のお祖父さんも、 助手君も、どんどんふくれてゆく気球を嬉しそうに見まもっています。 集まった町の人々も驚きの眼をみはっています。
 いよいよ出発です。老発明家が気球の下にさげられたゴンドラにのりこむと、 気球はするすると上りはじめました。ベチュヌの町の広場がどんどn小さくなって ゆきます。ベチュヌの町につづいて、ノール(北部)の炭鉱地帯が眼の下に ひろがりはじめました。天気は上々。前へも、後へも、上にも、下にも 気球は思いのまま。万事快調です。
 ふとそのとき、老人はゴンドラが妙にゆれることに気がつきました。 なんとゴンドラの外側に孫のパスカル少年がしがみついているではありませんか。 ・・・  (84分)

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