ニューヨークの王様

<A King in Newyork>  (57年英)

<スタッフ>
製作
 監督
脚本
撮影
美術
音楽
編集
編曲

<キャスト>
王様
アン・ケイ(テレビのスター)
ジャミー大使
ルパート・マカビー(天才少年)
王妃
ヴーデル首相

チャールズ・チャップリン
チャールズ・チャップリン
チャールズ・チャップリン
ジョルジュ・ペリナール
アラン・ハリス
チャールズ・チャップリン
ジョン・シーボーン
ボリス・サーベック


チャールズ・チャップリン
ドーン・アダムス
オリヴァー・ジョンストン
マイケル・チャップリン
マクシーヌ・オードリー
ジェリー・デスモンド
 "だぶだぶのスボンをはいた偉人" として世界中の人たちから親しまれている喜劇の王様チャップリンの最新、 そして最後になるかも知れぬ最高傑作。
 チャップリンは「ライムライト」完成以来アメリカを去ってヨーロッパに定住しているが、 5年ぶりに情熱のすべてを注ぎこみ、ロンドンのシェパートン撮影所で撮影した82本目の作品が この「ニューヨークの王様」である。この映画にはチャップリン喜劇のすべてが織りこまれ、 誰もがお腹をかかえて笑ううちに痛烈な諷刺としみじみしたペーソスが盛られているチャップリン映画の総決算である。
 チャップリンの役ほヨーロッパのある小国の王様、革命騒ぎが起ってニューヨークヘ亡命して 機械文明や商業主義にもてあそばされ失敗の連続、この国に失望して再び逃げ出すという物語。
 例によってチャップリン自身が3年にわたり構想を練ってシナリオを書き、自身で監督、作曲、主演から 美術、衣裳、編集にまで細かい指示を与えたものである。
 チャップリンは相手役を一作ごとに探し出してくるが、今回は「寝台の秘密」や「遠い道」に主演している ドーン・アダムズに白羽の矢が立った。この他チャップリンの11才になる息子マイケル・チャップリンが出ているほか、 ジャミ一大使にはチャップリンと同年生れの老舞台名優オリヴァ・ジョンストン、王妃に「ヴァイキング」などに出演している これも舞台女優のマクシーヌ・オードリー、笑顔を見せたことがない喜劇スタアとして名高いジェリー・デスモンド (ノーマンのデパート騒動)、ギャング役が得意のシドニー・ジェームズ(愛ほ光とともに)、 それに人気歌手シャニ・ウォリスを加え、この傑作を飾るにふさわしい多彩な演技陣を揃えいる。
 チャップリン以外の製作陣では、「自由を我等に」から「彩られし幻想曲」「チャタレイ夫人の恋人」などで名高い フランスのジョルジェ・ペリナールが撮影監督をつとめ、美術監督はアメリカの気分を出すのが得意なアラン・ハリス、 編曲がフランスのムード音楽指揮者ボリス・サーベックといった大物を揃えている。 主題曲 "マンドリン・セレナーデ" は全世界を風靡し、わが国でもヒットパレードの上位に進出している。

 <物語>  ヨーロッパの小国エストロヴィアの王様シャドフは、革命のため国を追われ、ニューヨークへ亡命した。 空港におりたった王様は自由の国に着いた幸福感にひたっていたが、 記者団の猛攻や、指紋をとられたのにはいささか面喰った。
 豪華ホテルに落着いた王様は早速街へ散歩に出かけた。街全体が喋っているような騒音、 四方から飛び出す音楽、ロックンロールに踊り狂う若者たち、性転換映画、西部劇の射ち合いに びっくりした王様はホテルに逃げ帰った。
 翌朝一大事が持ち上がった。総理大臣が王様の全財産を持ってドロンを決め込んだのだ。 王様は一文なしになってしまった。そこへ隣の部屋から聞こえてくる女の歌声――鍵穴からそっとのぞくと美女が 風呂に入っている。彼女アン・ケイはテレビのタレントで王様を自分のショウに出演させようととの作戦である。 とは気付かぬ王様は彼女の計画にまんまとひっかかる。
 テレビ放送されているとは知らない王様は破目をはずして大はしゃぎ。カンカンになって起こった時は 後の祭。一晩に人気者になった王様にはすかさず申込みが殺到したが断固拒絶した。 ・・・    (111分)

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