地獄特急

<Hell Drivers>  (57年英)

<スタッフ>
監督
脚本

撮影
美術
音楽

<キャスト>
トム
ジノ
ルシイ
レッド

C・レイカー・エンドフィールド
ジョン・クルーズ
C・レイカー・エンドフィールド
ジョフリイ・アンスワース
アーネスト・アーチャー
ヒューバート・クリフォード


スタンリイ・ベイカー
ハーバート・ロム
ペギイ・カミンズ
バトリック・マグーハン
 このところ英国映画界は新進の輩出が著しいが、この「地獄特急」も若い澄刺たるスタッフ陣の協力 によって生れた意欲あふれる新作。監督はC・レイカー・エンドフィールド、これが長篇第一作という 新進である。ビスタビジョソのスクリーンに、10トントラックを武器に凄惨なあらそいをくりひろげる 荒くれ男たちの姿を描いてスピードとスリルを盛り上げ、鋭いところを見せている。
 脚本は新人脚本家のジョン・クルーズに監督のエソドフィールドが協力して書き上げたもの。 撮影監督はアーサー・ラソクの精鋭で、「台風圏」「暗黒大陸」たどのジョフリイ・アソスワース、 美術監督はこれまた新人のアーネスト・アーチャー、音楽には「落ちた偶像」「戦慄の七日間」など かずかずの名作を担当してきた大ヴュテラン、ヒューバート・クリフォードが当ってそれぞれ若い製作陣に協力している。
 主演者は「リチャード三世」「スピードを盗む男」でおなじみのスタンリイ・ベイカー、「マダムと泥棒」の ハーバート・ロム、英国出身ながらアメリカ映画に多く出演している中堅女優ペギイ・カミンズ、 それに出演者中での新人、パトリック・マグーハンの4人。 このパトリック・マグーハンははじめての大役ながら、ベイカー、ロムのヴェテラン2人を向 うにまわして強烈た個性を発揮、堂々たる悪役ぶりを示している。
 この4人を助ける助演陣は「揚子江死の脱走」のウィリアム・ハートネル、バレリーナ出身で、わが 国には初登場の新星、ジル・アイアランド、「文なし横丁の人々」のシドニイ・ジェームス、「少年が 知っている!」のダヴィッド・マッカラムなどで、新人旧人とりまぜての堂々たる傍役陣である。
 <物語>  イギリスの片田舎の砂利運びトラックの会社に1人の青年が職を求めてやって 来た。眠が鋭く、見るからに屈強な青年 だが、身なりは貪しく、どこかに暗い影があった。
 マネジャーのカートリーが会ってみると、ジョー・エトリーという名前の運転免許証を持っているだけで、 身許もあきらかでなく、しばらく外国へ行っていたといって、いままでどこに勤めていたか あきらかにしたかったが、トラックの運転テストに合格、砂利運びトラックの運転手として採用されることになった。
 仕事は16キロの道を砂利置場から工場の現場へ砂利を運んでくることだった。時間給のほかに、 1往復ごとにボーナスがもらえることになっていたが、12往復以下におちるとクビになるため、 運転手たちはスピード制限を無視して、乱暴な運転をしなければならないのだった。
 青年は採用ときまると女事務員のルシーに、名前を呼ぶときはトムと呼んでくれといって、 オフィスを出て行った。
 トムはルシーに紹介された下宿におちついて、ジノというイタリア人の運転手と知り合いにたった。 ジノはスピード無視のトラック運転を仕事としている人間とは思えない心のやさしい男で、すぐトムと 親しくなり、ルシーを愛していることまでうちあけた。まとまった金をかせいだら、 ルシーと結婚して、イタリアへ帰るという彼の話だった。
 その夜トムは村の食堂で運転手仲間のボス、レッドに会った。レッドは砂利を運ぶ難路を1日に18回も 往復することから運転手仲間のリーダーになっていて現場監督の役もまかされていた。・・・
 (108分)

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