わたしのお医者さま

<Doctor at Sea>   (55年英)

<スタッフ>
製作
監督・原作
脚色

撮影
美術

編集
作曲
主題歌


<キャスト>
ヘレン・コルベール
サイモン
ミュリエル
ホッグ船長
イースター
トレール
アーチャー

ベテイ・E・ボックス
ラルフ・トーマス
リチャード・ゴードン
ニコラス・フィップス
ジャック・デイヴィース
アーネスト・スチュワード
カーメン・ディロン
フレデリック・ウィルスン
ブルース・モンゴメリー
"ジュ・ヌ・セ・パ(わたしは知らない)"
作詞作曲:ヒューバート・グレッグ


ブリジット・バルドオ
ダーク・ボガード
ブレンダ・デ・バンジー
ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス
モーリス・デナム
マイケル・メドゥイン
ヒューバート・グレッグ
 ブリジット・パルドオとダーク・ボガードという仏・英のトップスターがはじめて顔を合せたトップ・コメディ。
 B・B(ベベ)の役はシャンソン歌手、いつものグラマーぶりもさることながら、 今回は大いに可憐なところも発揮、新しい役どころを見せる。ぞの上、珍らしく主題曲「わたしは知らない」を歌ってみせる。 この6年間連続英国の人気投票で第一位を動かぬダーク・ボガードはクソ真面目な青年医師、生れてはじめて 船医として貨物船にのりこみ、海の世界でのさまざまな経験を通じて海の上の生活に生き甲斐と恋人B・Bを見出す。
 監督に当ったラルフ・トーマスは、製作のベティ・E・ボックス、〕撮影監督のアーネスト・スチュワードと組んで ダーク・ボガードの今日の名声を確立した「風は知らない」「二都物語」およぴ「スピードを盗む男」「ロマンス・ライン」などを 手がけ、英国映画のドル箱的存在となっている。ダーク・ボガードの青年医師を主人公とするリチャード・ゴードン原作の シリーズ小説の一篇より、ニコラス・フィップスとジャック・デイヴィースが脚色した。
 音楽もラルフ・トーマス監督としばしば組んでいるブルース・モンゴメリーが作曲、英国映画音楽の代表的指揮者 ミュア・マシースンが演奏指揮に当った。なおB・Bが歌う主題曲の作詩作曲は、この映画にアーチャー役で出演している ソング・ライター兼俳優のヒユーバート・グレッグ、また、B・Bの衣裳には特に注意が払われており、ロンドンのモード界の巨匠 ジョーン・エラコットがデザインしている。
 B・Bとダークをめぐって、「ホブスンの婿選び」で長女に扮し絶妙の演技を見せたブレンダ・デ・バンジーと、 髭もじやでお馴染みの性格俳優ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス(「七つの雷鳴」)が腕達者ぶりを発揮、 さらにモーリス・デナム、マイケル・メドウィン、ノエル・パーセルなど英国の代表的バイプレイヤー陣に加えて、 新人ジル・アダムズが顔をみせている。
 せまい船内に舞台を限定して豊かなエピソードをつみあげ、品のよいユーモアを淡々と流している作品だけに、 船と海も大事な主役である。貨物船を2隻借りきって地中海にロケーションを敢行、さすが海の国英国だけの効果をおさめている。
 <梗概>  お固いお医者さまと可愛いくて粋なシャンソン歌手、それに女嫌いの船長さんと30娘の恋物語。
 お医者さまサイモンは学生生活をタンノウしてやっと一人前になったばかり。期待に胸ふくらませて 実社会に飛びこんではみたものの、学生生活みたいに快適にはゆかない。気分はさえず、患者はシケつづき。 その上、先輩の娘にモーレツなモーションをかけられ、ウエディング・ベルも鳴らしかねぬ始末になったので、 一夜、聴診器をつめこんだカバン一つ持って夜逃げ、南米行きの貨物船ロータス号の船医として契約した。
 海はおだやかでも、ロータス号の医務室の空気はあわただしかった。船員には新米のヤプ医者と見くびられ、 霧笛のようなドラ声でガナリたてるホッグ船長の胃はガタガタ。虫歯から神経衰弱までサイモンは息つく暇ない,忙しさ。
 やがて、ロータス号は南米の港ベロスに到着、"港々に女あり≠ニいうわけで早速おあついところを展開する者が現れ、 あてられたサイモンは仲間に誘われ、息抜きにキャバレーへ出かけた。そこでシャンソンを歌っていたヘレン・コルベールは 今までサイモンがロンドンあたりで見かけなかったタイプの女性、彼はいささかふらつきぎみだった。 その夜、破目をはずして騒いだサイモンたちは豚箱行き。
 上陸第一夜からこの始末で、サイモンは災難つづきだった。出航前夜、デッキで開かれたダンス・パーティーでもついていなかった。 居並ぶベロス中の美女と飲めや踊れやの大騒ぎの挙句、持前の騎士道精神を発揮したサイモンは、 クタクタに酔っぱらったブロンド娘を家まで送りとどけたところ逆にオヤジさんに殴られかかり、ほうほうの態で退散。
 思いがけぬお荷物をのせていよいよロータス号は故国めざして帰航の途についた。船会社専務の娘ミュリエルが 友人である支社長の娘――それが何とヘレン――と強引に乗り込んできたのだ。オカの上でも女の顔を見るとへドが出るホッグ船長は大むくれ。 しかもミュリエルは情があつい男ひでりの30娘、ヘレンはコケットなフランス娘。何しろ男ばかりの世界に美女が2人も現われたのだから たまらない。・・・     (93分)

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