悪魔の弟子<The Devil's Disciple> (59年英米) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作 脚色 撮影 音楽 音楽監督 <キャスト> アンソニー・アンダースン リチャード・グッジョン バーゴイン将軍 ジュディス・アンダースン ダッジョン夫人 スウィンドン少佐 ホーキンス弁護士 |
ハロルド・ヘクト ガイ・ハミルトン バーナード・ショウ ジョン・ダイトン ローランド・キーピー ジャック・ヒルドヤード リチャード・ロドニー・ベネット ジョン・ホリングスワース バート・ランカスター カーク・ダグラス ローレンス・オリヴィエ ジャネット・スコット エヴァ・ル・ガリエンヌ ハリー・アンドルース ペイジル・シドニー |
現在アメリカ映画界で独立プロダクションが全盛期にあり、優れた作品を次々と
生み出しているが、中でも「ヴェラ・クルス」「空中ブランコ」「マーティ」「深く静かに潜航せよ」
「旅路」などの意欲作を生んだヘクト・ヒル・ランカスター・プロ( H・H・L・プロ)は、
その野心的な活躍ぶりで全世界の注目を浴びている。
「悪魔の弟子」は、その H・H・L・プロが創立10周年記念作品と銘打って世に問う大作で、 カーク・ダグラスが主宰するブライナ・プロの協力を得て、文豪、故バーナード・ショウの 傑作に取材し、バート・ランカスター、カーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエの、 米英3大スターが空前の顔合わせを見せている。 制作は H・H・L・プロの全作品を手がけた名プロデューサー、ハロルド・ヘクトで、 監督は、英国の名匠キャロル・リードの助監督から一本立ちとなった新鋭ガイ・ハミルトン、 全場面が英国で撮影されているのも興味をひく。 主演の3人を助けて、「幸福な種族」のジャネット・スコットがヒロインを演じるほか、 英米劇壇に名女優として聞こえの高いエヴァ・ル・ガリエンヌ、英国の性格俳優で「白鯨」にも 出演したハリー・アンドルース、「八十日間世界一周」などの名優ペイジル・シドニーらが共演する。 独立戦争当時のアメリカを背景に、英軍の弾圧に反抗して立ち上がった2人のアメリカ人の 侠気に充ちた大活躍と、彼らをめぐる美女の複雑な心理、そして、立場を異にしながらも この2人の快男児に心酔する英軍の将軍バーゴイン大将など、興味津々たる人間像を、スリルと 滑けい味を混えて描く、格調高い娯楽篇である。 <梗概> 1777年、独立を目ざして戦うアメリカ植民地民と、それを弾圧しようとする英国軍の 争いが頂点に達 | した頃、バーゴイン将軍靡下の新たな英軍がカナダから南下して来た。
正義感の強い将軍は、かつての同胞を敵とするこの任務に気乗り薄だったが、
副官のスウィンドン少佐は、あくまで反徒を屈服させようと決心していた。
少佐は先ずニューハンプシャーのスプリング・タウンで、反民の見せしめに 村の名士ティモシー・ダッジョンを絞首台に送った。それを知った牧師のアンソニー・アンダースンが、 ダッジョンの次男で少し愚鈍なクリスティと一しょに近隣のウェブスター・ブリッジからかけつけた時は、 既に刑の執行が終った後だった。 牧師でありながら、積極的に独立斗争に参加したいと思っていたアンダースンは、 ダッジョンの死体をキリスト教の儀式通りに埋葬したいと要求したが、自身の生命が危くなったので 断念しなければならなかった。 その夜、アンダースンはダッジョンの死体が彼の教会の墓地に置かれているのを見つけた。 それはダッジョンの長男のリチャードの仕業で、リチャードはアンダースン牧師が無策だといって、 ののしるのだった。 リチャードは無法な男で "悪魔の弟子" と呼ばれて村人の鼻つまみだった。とりわけ アンダースン牧師の若く美しい妻ジュディスは彼を嫌っていた。 ティモシー・ダッジョンの埋葬が英軍に秘密に行われたあと、弁護士のホーキンスは死者の 遺書を発表するため親類一同をダッジョン家に集めた。集った人々は、長男のリチャード、 死者の兄弟たちとその妻たち、それに死者のメイで父を英軍に殺された内気な娘エシー、 それにアンダースン牧師夫妻だった。 遺書の内容が一座の予想を裏切り殆んどの財産がリチャードに遺された事を知ると、 その場には異様な空気が流れ、人々は相次いで退出して行った。 ・・・ (83分) |