007 危機一発

<From Russia with Love>   (63年英)

<スタッフ>
製作

監督
原作
脚色
撮影
美術
音楽指揮

<キャスト>
ジェームス・ボンド
タチアナ・ロマノヴァ
ケリム・ベイ
ロザ・クレブ大佐
レッド・グラント

ハリイ・サルツマン
アルバート・R・ブロッコリ
テレンス・ヤング
イアン・フレミング
リチャード・メイバウム
テッド・ムーア
シド・ケイン
ジョン・バリイ


ショーン・コネリー
ダニエラ・ビアンキ
ペドロ・アルメンダリツ
ロッテ・レーニャ
ロバート・ショウ
 「007/危機一発」の原作小説は1957年に執筆された。55年、 イアン・フレミングがロンドン・サンデー・タイムズの報道記者としてイスタンブールに派遣され、 キプロス島民のギリシャ叛乱ルポルタージュをスクープして帰国した直後の作品である。
 美しい色彩にとんだイスタンブールのビザンチン文化は文学的にも強い力感をもっていた。 フレミングは長い間心に抱きつづきていた小説の物語のバック・グラウンドにこのイスタンブールの街を 使うことにきめた。フレミングは素材調査を完ペキにするため、ふたたびイスタンブールに旅行した。
 特急列車オリエント・エキスプレス号で、パリからイスタンブールまで6日間の旅だった。 そしてこの国際色あふれたオリエント・エキスプレス号もたくみにスパイ物語の中にとりいれられたのだった。
 製作者、ハリー・ソルツマンとアルバート・R・ブロッコリのエオン・プロダクションズ社は ほとんどすべてのフレミング小説の映画化権を所有している。
 2人はこんど、ボンド・シリーズの第二作を製作するに当って、 第一作よりもずっと興趣あふれるものにしたいと考えた。 そして「007/危機一発」には第一作の「007は殺しの番号」よりずっと多額の製作予算が計上された。 これは、フレミングの創造したジェームス・ボンドという機敏な英国諜報員を、ひとつのスタイルをもった イキでセンスのある人物として描くために充分な金額をかけたことも、その理由のひとつだった。
 また、現代のイスタンブールの街で4週間にわたって費用のかかるローテンション撮影を したことも予算が高額となった理由のひとつだった。さらに、パインウッド撮影所の室内撮影も、 セットをすべて豪華に仕立てたため、思わぬ高額予算を必要としたのである。 さらにまた、ボンドのイメージを完全にスクリーンに描くために予想以上の予算を要したのは、 その衣装だった。背広や靴下そしてネクタイが何着も必要となり、このためにザヴィル・ロウ街の 高級洋服店はすべて招集された。
 ※ 映画邦名「007 危機一発」は、72年リバイバル上映時には「ロシアより愛をこめて」とされた。
 <梗概>  ここは、とある鉄のカーテン内の豪華な保董地――
 ≪スペクタア≫と呼ばれる国際的な犯罪組織団が殺人学校を開校した。 もちろん種々殺人の技術を教える学校だった。この学校の最優秀生、レッド・グラントは アイルランドからやってきた亡命者だった。レッドは、≪スペクタア≫の最大の敵、 英国諜報員ジェームス・ボンドの殺害計画に一役買うことになった。
 諜報員007ことジェームス・ボンドにまず罠が仕掛けられた。〈えさ〉は非常に大切な ロシア製の暗号解読機だった。英国諜報部々長‘M’は、この暗号解読機がイスタンブールの ロシア大使館にあり、そこに働らく美しいロシア女の暗号解読官タチアナ・ロマノヴァの 西欧への亡命を助けてやればその機械を盗み出すことも可能だという情報を掴んだ。 どうも怪しい、罠だ――、と感じながらも‘M’は、ボンドにイスタンブールまで赴き、 "レクタ"というその暗号解読機を盗み出すよう命じた。この機械さえ手に入れば、ロシアが発信する暗号は、 すべてたちどころに解読できるのだ。
 一方、タチアナは自国への愛国心から、クレプの指示通りボンドを罠に導くことを引き受けた。
 ところが、タチアナは、ロザ・クレブ大佐がロシアの諜報団≪スメルシュ≫のかつての団長であり、 その後ひそかに脱会して≪スペクタア≫に加わっていることを知らなかったのだ。
 一方、陰謀の渦巻くイスタンブールに到着するやいなや、 ボンドは自分が誰かに尾行されていることを知った。ケリム・ベイの手助けで、ボンドは"レクタ"を盗み、 女を連れてロンドンまで逃げ帰るというプランを実行に移した。
 タチアナに出会った瞬間、ボンドは彼女が誠実で、魅力的な女性だと感じた。 一方、ボンドはケリム・ベイと共に、数回にわたって命を狙われたが、そのたび毎に、ぶじ危機を脱する ことができた。
 ついに、"レクタ"を盗みだす日がやってきた。ダイナマイト爆発を起こして、敵の注意をそらしたスキに、 ボンドとタチアナはたくみに"レクタ"を運び出し、・・・  (110分)

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