タイム・マシン

<The Time Machine>   (60年)

<スタッフ>
製作・監督
原作(小説)
脚色
撮影
美術

音楽

<キャスト>
ジョージ(時間旅行者)
デイビド・フィルビイ と 
ジェイムズ・フィルビイ
ウィーナ
ヒリアー医師

ジョージ・パル
H・G・ウェルズ
デイビド・ダンカン
ポール・C・ポーゲル
ジョージ・W・デイビス
ウィリアム・ファーラリ
ラッセル・ガーシア


ロド・テイラー

アラン・ヤング
イベット・ミメオ
セバスチアン・キャボット
 現代文化を代表する人物の一人であり、英国が生んだ世界的文豪の一人である H・G・ウェルズが、1895年に発表、その作家としての地位を確立した空想化学小説 「タイム・マシン」の映画化で、人が空間を自由に旅するように時間の次元をも 思うままに旅行し、地球の未来の様相や過去の事物を見聞するという原作の持つ 卓抜なアイディアとその奔放な空想力が、ハリウッドの魔術師といわれる空想科学映画の第一人者 ジョ−ジ・パルによって色鮮かに描き出されている。
 映画は、ある発明家の青年が、1900年元旦の未明から約5日間に、 自分の発明した時間旅行機とも言うべきタイム・マシンに乗って、1900年から802701年の間を 往復し、第一次大戦、第二次大戦、原守力戦争等を経験して、遥か80万年後の この世の変り果てた社会を見て来るが、誰も彼の話を信用する者がなく、 再び未来の世界に生きるべく旅立って行く迄を、大体原作のストーリィによって描いているが、 見る者の想像力を次から次へと刺激して興味つきざるものがある。
 製作監督に当ったジョージ・パルは、「月世界征服」「地球最後の日」「宇宙戦争」 「宇宙征服」など一連の空想科学映画や、近くは「親指トム」などで知られる トリック撮影の名手で、「タイム・マシン」はまさに彼に打ってつけの題材と言えよう。 音楽担当のラッセル・ガーシアは、ペルの次何作「グリム兄弟物語」にも作曲を 予定されている。撮影監督は「上流社会」「わが愛は終りなし」などのポール・C・ポーゲル、 「聖衣」「太陽の谷」のジョージ・W・デイビスと「ガス燈」でアカデミー賞を得た ウイリアム・ファーラリが美術監督、「恋の手ほどき」のヘンリイ・グレイスと ケオ・グリースンが装置、ジーン・ウオーレンとウオー・チャングが特殊効果(撮影)を受け持った。
 主人公の時間旅行者には「愛情のの花咲く樹」「旅路」「メイム叔母さん」等のロド・テイラーが扮しているが、 こ
れが彼の最初の主演で、「親指トム」のアラン・ヤング、「肉体の遺産」の新星 イベット・ミメオほか、映画及び演劇のべテランたちが競演する。


 <梗概>  ここはロンドン、1899年の大晦日の寄る、発明好きな青年ジョージは、 日頃親しくしていた人々を呼んで夕食を共にした。客はデイビド・フィルビイ、 医師のフィリップ・ヒリアー、アンソニイ・ブライドウエル、ウォルター・ケンプの4人だったが、 ジョージは彼等に不思議なものを披露した。
 それは彼が発明した「タイム・マシン」という機械だった。時間即ち第四次元の世界を旅するもので、 これに乗れは未来へでも過去へでも自由自在に旅することが出来るとて、模型で実演して見せたが、 当夜の客は誰一人として信用するものがなかった。だが彼等は、5日後の夜再び夕食に来るようにとの ジョージの招待な承知して家路についた。
 一人になったジョージは実験室に入った。そこには、大きさこそ違え、先程客たちに見せた模型と 全く同様な本物の「タイム・マシン」が、さん然と輝いていた。彼は静かに座席に腰を下し、 緊張した面持ちで操縦桿を引いた。実験室は振動し、あかりが暗くなったかと思うと、 不思議な時間の旅、未来の世界へと旅立って行った。 スタートしてすぐに機械をとめたが、実際の時間は既に2時間経過していた。再びレバーは引かれ 機械はまた活動し始めた。そして停止したところは1940年の世界だった。
 実験室の様子が大分古びていたが、一歩部屋を出ると、あたりは厚いほこりに埋れており、 家は外から釘付けされている。表の通りも面目を一新していたが、そこにまだ若々しい友人の フィルビイを認め懐かしさで話しかけると、それは友人の息子だった。 ・・・  (103分)

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