恋に税金はかゝらない

<The Mating Game>   (59年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色
撮影
美術

音楽

<キャスト>
マリエット・ラーキン
ロレンゾ・チャールトン
ポップ・ラーキン
オリバー・ケルシイ

フィリップ・バリイ・ジュニア
ジョージ・マーシャル
H・E・ベイツ
ウィリアム・ロバーツ
ロバート・ブロナー
ウィリアム・A・ホーニング
マルコム・ブラウン
ジェフ・アレクサンダー


デビー・レイノルズ
トニイ・ランドル
ポール・ダグラス
フレッド・クラーク
 英国の作家 H・E・ベイツが1958年に発表、英米でベストセラーになった 「五月の可愛い蕾」(THE DARLING BUDS OF MAY)の映画化。 今やハリウッドのコメディ・スターとして第一線に活躍しているデピー・レイノルズが、 ブロードウェイのミュージカルの舞台からの新人トニイ・ランドル(「夜を楽しく」)及び 「純金のキャデラック」のポール・ダグラスと共演、「それはキッスで始まった」と同じく ジョージ・マーシャルが監督したロマンチック・コメディで、 現代人の頭痛のタネの税金を扱って痛快な面白さにあふれている点、 監督マーシャルや主演者たちの快調振りと共に好評された作品である。
 脚色はドキュメンタリー短篇からスタートし、劇映画やTVで活躍しているウィリアム・ロバーツ、 「Z旗あげて」「それはキッスで始まった」のロバート・ブロナーが撮影監督、 「それはキッスで始まった」のジェフ・アレグザンダーが音楽を担当したほか、 美術、装置などにはMGM作品でおなじみの技術者たちが名を連らねている。
 歌曲が2曲入っているが、主題曲はブロードウェイのミュージカルに売出しの 新人歌曲チームが担当、もう一曲はコール・ポーターの作詩作曲に成ったもの。 尚デピー・レイノルズのコスチュームはハリウッドの名デザイナー、ヘレンー・ローズの考案である。
 3人の主演者をめぐって、「それはキッスで始まった」のフレッド・クラーク、 母親役などでおなじみのユナ・マーケル、「北北西に進路を取れ」のフィリップ・オバーと フィリップ・クーリッジ、この映画でデビューした新人ビル・スミス、 「愛情の花咲く樹」に出た8才のドナルド・ロスビイ少年やチェリル・ベイリイと キャリル・ベイリイの11才の双子の少女たちが助演している。
 製作担当のフィリップ・バリイ・ジュニアは、舞台やTVの製作や演出を手がけた人で、 映画製作はこれが初
めてだが、引続きMGMで現在2本の製作スケジュールを持っている。


 <梗概>  ボッブ・ラーキンはアメリカのメインランドに住む農場主だ。 家族は細君のほか長女のマリエットを頭に、いたずら盛りの少年リー、 双子の少女ビクトリアとスーザン、末っ子のグラントという賑やかさだが情は人の為ならず、 じんせいは楽しくやろうぜとばかり、浮世の事に煩わされず至極陽気に暮らしていた。
 隣はバーンショウの農場だが、この男は常日頃ラーキン一家をけいべつしていて、 あのあばら屋、スカンクから、馬に至るまでみんなつがいで飼っている風変りな連中、 庭に積まれたガラクタ器具など何もかも目障りだ、いつかその土地をそっくり買取ってしまおうと 考えていた。
 すると事件がおこった。何でもカップルにすることの好きなポップが、 自家の雌豚にひき合わせようと、隣家の立派な雄豚をこっそり拝借に及んだ上、 その家のパーティを台無しにしてしまったので、かんかんになったバーンショウ、 今夜こそ日頃の願いを実行してしまおうと弁護士に持ち込んだ。
 ところが大変なことがわかった。と言うのは、ラーキン家ではまだ一度も所得税を支払ったことがなかったのだ。 バーンショウは早速これを国税庁に報告し、わが意を得たりと椅子にふんぞりかえり、 やがてこの土地からラーキン一家が居なくなる日を夢見ていた。
 当局も捨ててはおけず、実状調査のためにロレンゾ・チャールトンなる青年を派遣したが、 職務に忠実な彼はこの仕事をどうしてもやりとげようと固く決心していた。・・・  (97分)

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