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お熱いのがお好き＜Some Like IT Hot＞ （59年） |
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＜スタッフ＞ 製作・監督 原案 脚本 撮影 伴奏音楽 ＜キャスト＞ シュガー ジョー ジェリー スパッツ・コロンボ マリガン |
ビリー・ワイルダー R・ソーレン M・ローガン ビリー・・ワイルダー Ⅰ・A・L・ダイアモンド チャールズ・ラング・ジュニア アドルフ・ドイッチ マリリン・モンロー トニー・カーティス ジャック・レモン ジョージ・ラフト パット・オブライエン |
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「お熱いのがお好き」は、巨匠ビリー・ワイルダーが、久方ぶりでハリウッドへ帰って来た
マリリン・モンローを使った才智にあふれる艶笑喜劇である。
ワイルダー監督は「失われた週末」「サンセット大通り」「翼よあれが巴里の灯だ」「昼下りの情事」「情婦」等々、 一作ごとに話題作、野心作を発表して注目を集めており、現在ハリウッドにおける最も映画を愛する作家といわれているが、 この「お熱いのがお好き」では彼の日頃の主張である脚本家兼監督という条件の上に、 自ら製作をも担当し、文字通り思う存分の腕をふるっている。 主演はマリリン・モンローに加わえて「ヴァイキング」や「手錠のままの脱獄」などで 最高の人気を誇る男性美スター、トニー・カーティスと、「ミスター・ロバーツ」でアカデミー助演男優賞を受け、 「カウ・ボーイ」でも軽妙な味を見せたジャック・レモンの３人。 さらに彼等をめぐり、戦前から数多くのギヤング役でならしたジョージ・ラフト、 Gメソ役を演らせれば無類の貫禄を見せるバット・オブライエン、古くから喜劇俳優として人気があり、 戦後も「ショー・ボート」などに出演していた大きな口が売りもののジョー・E・ブラウンなどの大物をはじめ、 「野郎どもと女たち」のジョージ・E・ストーン、「スター誕生」の鉄火女優ジョーン・ショーリー、 イスラエル生まれの舞台俳優ネヘミア・パーソフ、プロレスでおなじみのマイク・マズルキや タイガー・ジョー・マーシュ、名優エドワード・G・ロビンスンの息子でこの映画で新しい個性のギャング 役者としてデビューしたエドワード・G・ロビンスン・ジュニアなどの、一クセも二クセもある強力な助演陣を ズラリと配した所はいかにもワイルダーらしい趣味といえよう。 マリリン・モンローは30年前の風俗を巧みに配合した素晴らしい衣裳で彼女の肉体美を遺憾なく見せるが、 その衣裳は「巴里のアメリカ人」や「魅惑の巴里」でアカデミー賞を得たオリー＝ケリーの考案によるもの。 またモンローは例の悩ましい調子で３つの主題歌を歌うほか、 全篇には昔懐かしい13の歌曲がアレンジされているが、主題歌はマティ・マルネック、 伴奏音楽はアドルフ・ドイッチがそれぞれ監督に当つている。 撮影監督は美しい画調で知られる「旅路」の名手チャールズ・ラング・ジュニアが担当した。 | <梗概>
1929年、酒の密売とギャングの跳梁華やかなりし頃のシカゴ。
ある者たちには商売も盛んで住みよい時代ではあったが、サキソフォン吹きのジョーや、
バス・ヴァイオル（チェロの前身楽器）弾きのジェリーは、どちらもその名手でありながら、
もう長いことロクな仕事にありつけず、「葬り」酒場のしがない楽隊屋として日を送っていた。
この店は葬儀屋の地下に隠れたもぐり酒場で、夜の紳士スパッツ・コロンボの持ちものだった。
こがらしが吹きすさぶ聖ヴァレンタイン祭の前々夜、「葬り」酒場は突然連邦警察の マリガン警部とその配下たちの手入れを受けて閉鎖されてしまった。これは商売仲間の 〝ツマ楊子″チャーリーが手引きしたものだった。 わずかに官憲の手をのがれたジョーとジェリーは、あくる晩、やっとありついた臨時の仕事に 出向くため、自動車を借りて近所のガレージでガソリンを詰めて貰っていると、 突如猛スピードで黒塗りの大型リムジンが滑り込み、中から機関銃で武装したコロンボと その手下どもがおどり出た。時刻は聖ヴァレンタイン祭の午前○時。 ガレージで賭博開帳中だった「ツマ楊子」チヤーリーとその一味は無残にも機関銃の一斉射撃で 怨みの風穴をあけられてしまった。 これでよしと一息いれたコロンボは、店の楽隊屋だったジョーとジェリーが今の殺しを 目撃したことに気がつき、ついでに奴等も、と手下どもに下知したが、ご両人はきわどい所で マンマと逃げてしまった。 危うく命拾いはしたものの、２人はもうこの町にぐずぐずしてはいられなかった。 折よくスウィート・スーのオール女性オーケストラが、マイアミの豪華ホテル、セミノール・リッツと 契約ができてサキソフォンとバス・ヴアイオルの奏者を求めているのを知り、 ２人は苦心の女装でマンマとメンバーにおさまった。 ジョーはジョゼフィン、ジェリーはダフニと名をかえて、女ばかりの寝台車でマイアミに向かったが、 ２人のニセ女性どもはこの寝台車の中のアラレのなさに大いに悩まされる。わけても、バンドの 歌手でウクレレ奏者のシュガーと呼ばれる金髪娘の張ち切れるばかりの肉体の悩ましさ。 酒と男とがご法度のこのバンドで、彼女はその両方に縁の切れそうもない女だった。 ・・・(121分) |